ボリューム・味ともにカール・ゴッチ級のドイツ料理店でプロージット! エルベ本店(土浦市)

スペイン仕込みの本格パエジャにすっかりやられましたが、今回茨城県土浦市に来た目的はスペイン料理ではないのです。実はドイツ料理!「50年間天に預けておいたビールとソーセージを返してもらいに来た」・・・わけではなく、人生で初めて「とりあえずビール」という注文をするために来たのです。

こちらが老舗ドイツ料理店だという「エルベ本店」さんです。真っ暗な中でドイッチュラントな看板のみ光っています。大人の隠れ家風レストランとはこのことかしら。オサーンにはなったけど大人にはなっていないのでよくわかりません。

暗い通路(?)を7・8メートル歩いてようやく建物が・・もはや「隠れ家風」ではなくリアル隠れ家、むしろアジト。初見では極めてハードルが高いかもしれません。入るけど。

店内の照明も控え目。ものすごく落ち着いた良い感じです。美味しんぼに出てきたドイツ料理店も静か〜な雰囲気でしたが、そういうもんなんでしょうかね?

では大きく息を吸って、「とりあえず生!」と言いたいところですが、なんだ、生ビールだけで3種類もあるじゃないか。レーベンブロイはなんとなく飲んだことあるのでビットブルガー・ピルスエルディンガー・ヴァイスのどちらかか・・・よし、「とりあえずエルディンガーヴァイスの生!」

言えたよ、俺氏!「人生初とりあえずビール」おめでとう!

店員さん「エルディンガーですか?今黒ビールフェスタをやっておりまして、他のお店ではあまり出していないエルディンガー・ヴァイス・ドゥンケルの生がございます。黒ビールがお嫌いでなければおすすめですよ」

お嫌いもなにも黒ビールはほとんど飲んだことがありません。ではそちらをお願いします。Sでいいですよ。

そしてもちろんソーセージも頼まなくては。ミュンヘナーヴァイスブルストはうまそうだけど、今は夜だしなあ・・・せっかくだから色々食べることができそうなソーセージの盛り合わせのSをください。

来ました!えーとなんだっけ、エルディンガーヴァイス・ドゥンケルSサイズでもへっぽこ居酒屋の生中くらいはありそうなサイズ。ものすごくクリーミーな泡なんですね。盛り上がりまくっております。

大昔で宴会で注がれてしまって以来、何年ぶりかもわからないビールでの乾杯です。乾杯と言っても一人ですが。うおー、プロージット!自由惑星同盟最後の年に!

みなさん大好きという一口目のビールをゴクリ。ぐはふは、うんめえー!!黒ビールだけど苦味は控え目で甘味すら感じる。なんといっても麦の風味がたまりません。そして泡だけでなく喉越しもやたらとクリーミーだ。なんだこれ、ピルスナーより好みかもしれない。

そしてソーセージ盛り合わせが・・って、これでSですか?ソーセージが大中小8本、そして2種類の大量のジャガイモ、みんな大好きザワークラウトもたっぷり!これは大変だ。「大どろぼうホッツェンプロッツ」で憧れていたメニュー、「焼きソーセージにザワークラウトwithイモ!そして黒ビール!ここは茨城県ではない、ドイッチュラントだ。ジーク・カイザー!

Senf・・・マスタードも2種類。左はヴァイスヴルストにつけると嬉しい甘いマスタードではないですか。わーい、これ好き。

ではパリッと一噛み。た、たまらん・・「腸に肉を詰めたらウマいんじゃね?」と言い出したドイツ人に黒ビールをおごりたい・・!ソーセージを飲み込むと同時にビールをゴクリ。アヒーっ、ウマさにしばらく声も出ない!

こちらは太いヤツ。断面を見ただけで、中の肉のプリケツ感と小籠包が泣いて謝る肉汁の飛び出し具合がわかります。

これはたまらんわいとビールを飲んでいたら気がついた。ビアグラスにちゃんとエルディンガーのマークがあるじゃないか。中身減っちゃったけどこっちを向けて一枚記念撮影。

ちっちゃいのはオリジナルチョリソーだそうです。なかなかのピリ辛。ちょい辛、ザワークラウト、ビール、ちょい辛の永久機関になってしまいそう。しかしこのザワークラウトの軽やかな酸味、ウマすぎる!先ほどの太いソーセージと一緒にパンにはさめば無双ホットドッグの完成ですね。

そしてポテトサラダにイモのソテー・・あ、これがいわゆるジャーマンポテトBratkartoffelnか。イモのポコポコ感とシャキシャキ感の両方が活かされて非常に美味しい。ビールに合わないワケがない。というわけでビールがなくなってしまった。

あと2種類の黒ビールもいいなーと思いましたが、やはり泡がない酒の方が胃にしっくり来る気がする。ドイツの白ワインがいいかな。どれにしよう。

ゾンメラッヒャー・カッツェンコップ・ジルヴァーナ・トロッケンでいきましょう。猫さんラベルがかわえ〜のと、甘さに定評のあるドイツワインにしてはやけに辛口で何にでも合うので、たまーに飲みます。

ソーセージとイモとザワークラウトで完結できそうな気もしますが、せっかくだから他のものも頼みましょう。シュークルートがウマそうだけど、ベーコン・ソーセージ・ジャガイモ・ザワークラウトの煮込みということはつまり・・今食べている皿のヤツを煮ただけだ。違うのにしよう。

ジャガイモのパンケーキとマッシュルームのスープはメニューから外してあるのです、きっと。山岡氏来店はよ。

ホッペル・ポッペルってなんでしょ。パルメザンチーズ・ジャガイモ・ピクルスを入れたガーリック風味のオムレツ・・だと・・・そんなの白ワインに合わないはずがないじゃないですか!けしからん!

でもメニュー1ページ目の人気No.1というアイスバインが気になって気になって・・骨付き豚肉を1週間塩漬けして4〜5時間煮込むとかどう考えてもウマそうだし、扱い的にもこの店のスペシャリテっぽい。初来店なので看板メニューをいただきましょう!

ドカンとやってきましたアイスバイン・・はいいですが、3回目の発言になりますが言わせてください。Sですよねコレ?写真ではわかりにくいですが、その辺の鶏の丸焼きが裸足で逃げるようなサイズの肉塊です。早い話が豚のスネ丸々一本だ!Lだと山の主級イノシシのスネ一本なんだろうか。

お皿を手前に持ってきたらメチャメチャ重いぞ。肉だけで1キロ弱ある気がする。センターの骨分を引いても500gを切ることはないであろう肉!!そしてイモ!!ドイツ料理ってこういうボリュームで当然なんですかね?それともこのお店のSサイズがちょっと変?

しかしたまらん香りです。食べましょう!アイスバインといえば豚足スキー、ハムスキーにとって両方のいいとこどりをした究極のメニュー。よく煮込まれた肉は見事にほどけます。肉そのものもウマいし、染み込んだ味もたまらん!これは看板メニューであるのに納得です。

アイスバインとなればマスタードですね。おや、酢で溶いてあるのかな?黒っぽいのはなんだろうとなめてみたら醤油でした。日本用ローカライズも万全。

ではマスタードをかけていただきましょう。爽やかさが大きくアップ!ザワークラウトとマスタードの力は偉大だ。ワシワシと食べすすめます。ワインもグイグイ飲みます。うまい、おいしい、うまい。

しかしガツガツ食べてもなかなか減らないな、この肉塊は・・!さすがカール・ゴッチの(ギミック上の)祖国ドイツ、食事も闘いなのか!クラフト・ハイル(力万歳)!

ようやく骨が見えてきました。満腹にもほどがありますが、骨のまわりこそがメインイベント!マスタードをかけて手づかみでかじりましょう!!肉喰ったー!!というすさまじい満足感とともになんとかやっつけた!が、イモは残しまてしまいました。さすがにちょっと多すぎたでござる。

ソーセージもアイスバインも素晴らしくうまかったですが、どうやらこの店のSサイズはスーパーの意味らしい・・シェアして食べるのが基本なんだな、この店。次回は誰かつかまえて来て、ホッペル・ボッペルも食べてみたいところです。

ホテルまでの帰り道、わざとさくら町を通ってみる・・高級なお風呂や不思議なマッサージ店が立ち並ぶことで有名なこの一帯、酔っ払って通るのは本来なら(財布的に)危険極まりないのですが、今なら大丈夫!なぜかって?肉欲はもう満たされたのでございます。

 

エルベ本店 茨城県土浦市中央1−13−1

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