各地でモーニングじゃー、喫茶店じゃーと騒いでいる私ですが、実は地元に行きつけの喫茶店がなかったりします。理由は「群馬にモーニング文化がないから」・・なのですが、たった一軒、年に数回行く喫茶店があります。理由は「夜行くと飲み特化型だから」・・そう、朝のモーニングサービスはありませんが、夜に本気で飲める喫茶店があるのです!
それがこちら、群馬県太田市の「cafe SCORE」さん。なんと言いますか、のぼりがなければ店のかもよくわかりません。でも自家焙煎珈琲とそーっと書いてあるので、きっと喫茶店です。
店の入口がどこかよくわからんあたりから、ただ者ではない雰囲気を感じるようなそうでもないような。この店は母のお気に入りですので、今回も一緒に来ております。母はランチタイムもたまに来ているらしい。
母「今日はやってるね。よかった」
そう。なぜか知りませんが、私が来る日は結構な確率で臨時休業・・・
店内にはギターと漫画本がズラリ。ギターはマスターの趣味で、ほぼ毎週末のように地元のアーティストによるアコースティックライブが開催されます。そもそも店名がSCORE(楽譜)ですもんね。
漫画は・・誰の趣味なんだろう?私が置いてくれと言った、徳弘正也先生のふんどし刑事ケンちゃんとチャコちゃんもありますよ。
入店したら黒板を確認。当日のランチメニューが記載されていますので、今夜のメニューに当たりをつけましょう。実はこちら、お願いすると「3000円くらいで飲み放題、料理はマスターが勝手に出す」という夢のようなコースがあるのです。
ウチは昔(開店当初)からソレでお願いしていますが、通常メニューでそのコースはあるのでしょうか?調子の良さには定評のあるマスターだから、頼めばやってくれそうですが。
店内にはフォークが浮かぶナポリタンのサンプルがあります。ここのナポリタンはサンプルそっくり、いかにもナポナポしたナポリタンです。つまりウマい!ランチメニューのエースであると思われます。
マスター「えーと、お母さんはビールでこちらはコレだよね」
ドカンと置かれたのは群馬の地酒、「男の酒・赤城山」!群馬では大概の店がコレを出しますが、実は「あかぎやま」か「あかぎさん」か、どちらなのか知らない。店によって読み方が違うのです。一応私は「あかぎさん」派。
まずはサラダとお新香。どちらも素晴らしくウマい。お新香は漬け方を教わってウチでもやっております。サラダのドレッシングの秘訣は「ホントに!?」というくらい砂糖を入れることだそうですが、できあがりは爽やかな酸味で別に甘くない。不思議だなあ。
マスター「次は麻婆豆腐いきます。四川っぽくちょっと辛いよ」
とうとう中華にまで手を出したのですか?どれどれ・・・あらやだ、麻も辣もある、なんかホントに四川。やたらと本格的ですが。
母「これ辛いけどすごくおいしい。ビールがなくなっちゃう」
マスター「どんどん飲んでくださいよー」
ちなみに壁には多数の猫の絵が飾ってあり、カトラリーはお魚さんで統一されております。かわえーじゃないか。
マスター「次は日本酒だからってわけじゃないけど、カツオの刺身。あったから」
喫茶店なのになぜこんなモノが?マスターの晩酌用かしら。でもカツオはもちろん日本酒に合いすぎますので、赤城山がなくなった!
マスター「なくなるとは思っていたよ。しかたない、長野の坂井銘醸の宝ヶ池原酒を開けるか」
うわー、さすが原酒、甘みも旨みもパンチがありますね!はて、これも晩酌用だったのかしら・・・
マスター「原酒に負けないということで、豚キムチにしてみました」
母「豚キムチってあまり好きじゃないからウチじゃ作らないけど、ここのは美味しいね。キムチの選び方がいいのかな」
賞味期限をはるかに過ぎた酸っぱキムチでやるとウマいとか言いますよね。しかしこれは酒がすすんで困ります。
母「マネして作ってみよう」
そして一口食べてガッカリ、また作らなくなる流れですね。
母「ここのオムレツ好きなんだけど、今日は出ないのかな」
マスター「お待たせしました。今日はベーコンのオムレツにミートソースをかけてみました」
こ、これはウマいやつですよ!こちらのオムレツは本当にムスタキ氏レベルの腕前ですからね!
母「誰それ?」
いや、ミスター味っ子のフレンチマスターで、レバーのオムレツという非常にマズげな・・・
母「あっ!このオムレツ最高!ベーコンとかハムを入れるだけならマネしやすいね」
聞いちゃいない。以前ここの納豆オムレツを食べて、やっぱりマネして失敗していたでしょう。具の組み合わせとかでなくて、オムレツの焼き方そのものの問題ですよ。
マスター「なんか今日は酒飲みが来そうな気がしてモツを煮ていたのだった」
おお、モツ煮は群馬で主流のニンニクガツンでピリ辛なタイプではなく、味噌とショウガのみ(と思う)で煮られたシンプルな味です。丁寧に煮込まれて臭みはゼロ、スタミナというよりほのぼのとした滋味を感じる。
母「外でモツ煮食べないけど、ここのは優しい味だから好き。ビールおかわり」
原酒の姿も見えなくなったので、ハイボールをいただきましょう。
マスター「おっと、そう来たね・・仕方ない、俺の晩酌用ウイスキーを使うか」
なんかマスターの晩酌用の品を片っ端からやっつけてしまっている気がしてきた。
マスター「そろそろお腹にたまっただろうから、シメでいいかな。今日はシーフードとキャベツの塩パスタ」
まあ、ランチのやつですね。パスタを食べることはめったにないのですが、こちらのは茹で加減も優しい味わいも大変結構です。ちなみにたまに出るカレーも非常にウマい。黄色いもったり系のカレーです。
母「どれもおいしいねえ。明日のお昼これ作ろうかな」
いやー、本日も大変満腹満足、しかもだいぶ酔っ払いましたとも。
マスター「じゃあアイスコーヒーでスッキリしていく?」
そうでした。アイスコーヒーが軽やかな香りと爽やかな酸味でたまらなくウマいのです。いただきましょう。
母「私は熱いのがいい」
マスター「りょうかーい」
マスター「そういえばスイカもらったんだ。食べる?聞く前に切っちゃったけど」
おお、いやがうえにも夏ですね!
母「あー、コーヒーもおいしい。せっかくだから豆買って帰ろう」
苦く濃いコーヒーの代表かもしれないリントン・マンデリンとマイルドコーヒーの代表であろうブラジルNo.2を買いましょうか。しかしやけに安いですよね。
マスター「そうでしょう?自家焙煎の強みというやつだ」
これだけメシを食べて酒を飲んでから言うのもなんですが、こちらはコーヒーがおいしいカフェでしたね。
マスター「そうでしょう?でもやっぱりメシもウマいからランチにも来てね」
cafe SCORE(カフェ スコア) 群馬県太田市内ヶ島町1046−5