オニオコゼ、新蓮根、白甘鯛。皐月の佳肴はいつも以上のどえらいことに? 佳肴 岡もと(東山区・清水五条駅)

神戸(の西)でとうどんを楽しみまして、一路向かうは京都です。大丸で阿闍梨餅を買い、東横インに荷物を放り出し、向かった先はもちろんあそこ。

もはや恒例、「佳肴 岡もと」さん、Googleマップによれば13回目の訪問ですって。アクセスとしてはタクシーで「馬町の交差点を100mほど東へ」と言うのが楽チンと思います。

カウンター8席・完全予約制・おまかせコースは15,000円くらいなのかな、飲み物と合わせて20,000円前後です。この日はL字カウンターの角2席に案内されました。

ほとんどのお客さんは小さめグラスでとりあえず生ですね。ぼくはもちろん最初から日本酒だ。5月ですので春酒とか夏限定とか、フレッシュなものをお願いします。

そんな雑な頼み方をすると3本くらい出して味のイメージを説明してくれますので、じゃあコレでと選びます。まずは高知の文佳人 夏純吟。吟醸香とはちょっと違った香りが面白くて酸が強めでキリッと引き締まるようだ。たぶんこのスッキリ感が夏。

まずは温かいもので、京都のえんどう豆と蒸した餅米に新生姜のアン。ウニまで乗っちゃってさあ大変。

友人「大変、最初から大変。どうしよう、永遠に食べられるのに食べたら無くなるやつだ」

豆はカレーorチリビーンズに限ると思っていましたが、食べ方の新チャンピオン誕生ですね。いや〜、ウマいとかを超えて染み入ってくる味だわ。

(友人撮影)

友人その他の方に出されたのは毛蟹!食べるのが大変なカニを親切にホジホジしてくれたそうですが、

微弱なカニアレルギーであるぼくの皿はエビなんだな。スッキリした酸味のタレで清々しいことこの上なし。

クリアな肴にはクリアなお酒。呉が誇る雨後の月 涼風純米吟醸を願いま〜す。

お椀はアナゴと煮込み豆腐。蓋を開けるとふわっと広がる木の芽と出汁の香りが素敵。アナゴのギュッと詰まった旨味がすごい。灰干しとか聞いた気がするけどそのためでしょうか。お酒が進んで仕方ないお椀、困りますね。

アナゴには広島が似合う気がするので、もう一丁広島のお酒をお願いできますか。

大将「まだちょっとタイミングが早い気がするけど、これはどうでしょ」

亀齢 純米無濾過生原酒92・・92って、アレが92ってことですか。

大将「はい、精米歩合92!」

削ったの8%ってつまりガワを取っただけ、いつも食べている白米と変わらんのでは・・?なるほど、コメの味はすごいし酸も強いし、黄色いお酒の代表みたいな味じゃないか。でもなんか軽い感じもあって飲みやすさもあるかもしれない・・黄色い割には、だけど。面白いね、見つけたら買おう。

造りは明石のオニオコゼと新玉ねぎのチリ酢。ツワブキと紫蘇の花が風味と彩りを添えてくれて、なんと涼やかな美味しさでしょう。

友人「今月は特に美味しくないですか?」

言われてみると確かにそうかも。暑いような涼しいような不安定な気候に初夏の爽やかな素材がピッタリ来ているのかしら。

八寸のスタートはおなじみイワシの辛煮。5時間煮られたイワシは骨があるのかないのか。染み込んだ酢の酸味とまぶされた鰹節で、早い話がず〜っと飲める佳肴。

温じゅん菜と蒸しアワビ!プルプルとクニュクニュの共演!たーのしーい。

そろそろ山廃とかの力強いモノをとお願いすると、淡路島の都美人 とり 山廃純米無濾過生原酒なんて間違いなくパワフルなお酒が登場。旨味酸味ヒネ香揃い踏み、うへ〜好みだ。

熊本の新蓮根に煎りたてのゴマと梅がふりかかる〜!シャキシャキ蓮根に擦っている時から香りすぎるゴマ、嘉肴だ。

寝かせたカワハギに肝の漬けをのせて、レンゲでひと口のもとに!カワハギ刺し肝醤油の最終形態はこうだったのか!6レンゲくらいズラリと並べて飲みた〜い。

大将「すごそうなお酒が入ったんで飲んでみますか。まだ開けてないんですけど」

開けなきゃ味見できないですもんね、飲みますとも。

出てきたのは山形の山法師 純米爆雷辛口・・日本酒度プラス28?すごいってそういうすごさか!糖分全部をアルコールにしちゃった勢いですね・・現時点で一番日本酒度が高い、つまり一番辛いお酒だそうです。

さすがにスカッと切れて間違いなく辛口、よく冷やしたらグイグイ飲めてしまうヤツでは?もちろん糖を分解しすぎてアルコール度数は18度と高めなので、ロックで当たりを軽くしたら記憶を失う可能性大の危険物だ。

徳島の白甘鯛は松笠仕立て。お布団は麦で、ふりかかる黄色はカラスミ!パリッパリのウロコが最高だよ甘鯛。麦のむちむちと合わせると楽しくて・・楽しいです。

ここより食事モード。鯖寿司はスグキと実山椒入りの二種。京都は鯖寿司首府ですが、ご飯に含まれた薬味もあって「酒に合う鯖寿司」番付ではトップな気がする。いつか持ち帰りたいとう野望が・・

大将「いつもはこの辺から芋ですけど、今日は球磨のいいのがあるんですよ」

球磨焼酎のななたき〜!辛子蓮根が欲しくなるう。

去勢鶏シャポーンのコンソメ フカヒレと玄米麺入り。出汁となってもアブラがウマいシャポーンさん、エラい!いつかシャポーンの焼き鳥とか丸焼きを食べたいな。

デザートはビワと間引いた桃の炊き上げ。まわりを氷もちが包みます。凍らせたモチって、ミスター味っ子のケーキ勝負で出たヤツじゃないですか!舌ざわりの面白さのキーアイテムでしたが、ホントに面白いじゃないですか!

シメは目の前で蒸してくれる饅頭とお茶です。山椒入りの皮に餡は大納言と最後まで面白おいしい。

5月の美酒佳肴、いつにも増して大変おいしゅうございました!ものすごく京都の宿が取りにくくなっているけど頑張って通いますよ!というわけで6月の予約も完了。実はもう行ってしまったので、また後ほど。

佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4

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