夏のスペシャリテ、ガスパチョ・鮎・小鳩を決めるため五反田のMAYに向かうJuly フレンチレストラン MAY(品川区・五反田駅)

気がつけば7月だ!7月には何がある?知らんのか、ぼくの誕生日が・・そんなことはどうでもいい。

五反田のフレンチレストラン「MAY」さんのスペシャリテ、キンキンに冷えたガスパチョと鮎と小鳩をまとめて楽しむことができるのが7月なんですよ!行かねば、行かねば!

フレンチのコースって基本「2名より」なのがハードルが高いところ。なんとか五反田近辺の友人を召喚できましたので予約、予約〜。

五反田駅東口から徒歩5分くらい、なぜか道路沿いに緑が生い茂っている場所こそがMAYさんの店舗です。メイとかサツキがいる森のイメージかどうかは知らない。

フライング気味に到着したのでオープンと同時に入店しましょう。二人用のテーブルを二つ組み合わせた、贅沢な広さの席に案内していただきました。

15,400円のコース・MAYでお願いしてあります。メインは仔鳩か牛フィレを選べるということですが、もちろん仔鳩で即決。

飲み物はプロにお任せ、6杯10,000円のペアリングといたしましょう。

前回いただいた印象で言えば、1杯ごとの量も多くてちょっと良いお酒も入って格安と思います。

まずはシャンパーニュ、シャルル・ド・カザノーヴでスタート。

蒸し暑〜い日だったので、涼やかな泡立ちを見ているだけで嬉しくなる。はちみ〜はちみ〜と歌いたくなる甘味に柑橘のような香り。見ても飲んでも涼しい〜。

ひと口のお楽しみはゴーヤーとおいもを鳥出汁で合わせたものズッキーニにコリアンダーを効かせてクラッカーにのせたもの、だったと思う。手で持ってホイッとひと口からのシュワシュワ。ふわ〜涼味だ。8個ずつくらい並べたら泡一本飲んでしまえそうだ。

そして来た!7月第一の刺客、キンキンに冷えたガスパチョ!「キンキンに」から公式の名称です。冷た〜いガスパチョに浮かぶのはバジルオイルとはまた涼しげな。具材はオクラにヤングコーンと、まさしく夏のスペシャリテ。

半分くらい飲んだところでスイカのシャーベットを投入して味変&追い冷やしがまた爽快極まりない。スイカは塩と酢で甘さをうまいこと制御するということですが、聞いたところでマネできるモンじゃありませんね。

全身がクールダウンしたところで付け合わせのサバのタルトをいただくと、残りの泡がたちどころになくなってしまうワケです。

この辺でバゲットが登場。美しいクラストに見事な気泡、きっと名のあるお店のモノでしょう。おかわりをお願いするとミルクパンも選べるみたいですよ。

パン用のオリーブオイルとバターも抜かりナシ。無塩バターの半分はそのまま、半分は塩が振ってあるのも素敵ね。

(友人撮影)

お次のワインはコンドリュー・モルニューと聞こえた。

友人のワインの写真が良い感じだったので、今後全て拝借します。

お皿は冷たいブイヤベースをイメージしたとか。ロブスター・天使エビ・ムール貝・ウニとあらゆる海鮮をフェンネルと甲殻類エキスのジュレで挟み込んだという手のかかりようです。

底にはブイヤベース的ソース、上にはニンニクが効いたクルトンが頑張っておりまして、カツ丼のようにタテに掘ってウマい!あらゆるテクスチャーが入り混じったところにコンドリューの流れるような喉ごしがピッタリなのも嬉しい。

お次は・・ブルゴーニュでもボルドーでもない・・お前、秋田だろ!まさかの新政No.6 Fermen-type。限定醸造にも程があるので一般の人は買えないお酒です。

昔々の醸し方で仕込んだそうで、いかにも生酛らしい酸味があって、その酸味がなんだかブドウというか・・いやコレってまさにブドウの風味だよ、うん。つまりワイン味の日本酒じゃん!おもしろ〜い。

新政に合わせるモノは?フタを開けてくださいと言われ、目に飛び込んできたのはフォアグラだ!すっぽんのロワイヤル フォアグラのポアレですって。ロワイヤルとは卵とブイヨンを固めた、つまり茶碗蒸しみたいなモノです。スッポン茶碗蒸しに木の芽と実山椒のダブル山椒で風味がさらにアップ!

すっぽんだけでなく鶏のスープも使われて、フォアグラの脂がなんと引き立つのだろう。そしてワイン味の新政となんというマリアージュなんだろう。

アルザスの代表選手、ドメーヌ・ リーフレ。なんて読むんだコレは、ゲヴルツトラミネール?なんとソムリエの方、アルザスのワインが好きすぎてこの道を目指したそうです。道理で勧め方にも熱が入っている!

アルザスワインと戦うお料理はなんだ。なんとイベリコ豚・万願寺とうがらし・ナスのグリーンカレー風ソース!えっ、カレー?おフランス料理らしからぬピリ辛カレーソースがなんて素敵にエスニック。

たっぷりカレーをまぶした豚さんからのドメーヌリーフレという至福。甘味酸味がしっかりしていて独特のトロみもあるから、グリーンカレーとがっぷり四つの好勝負になるのだな。もちろんソースはバゲットで拭うのだ。だってカレーだもの。

ドメーヌ・レイモン・デュポン・ファンのアリゴテ。スカッと爽やかな酸味にシトラスの香りもあるのでトリやサカナの揚げ物が欲しくなるような。

来たぞ夏のスペシャリテその2、鮎のカダイフ包み!ホタテと辛味大根とタデ、そして鮎のハラワタのウルカ仕立てがたっぷりとのせられています。お皿まで温められている気の配り用は出張料理人もビックリ。

ザクリとカダイフにナイフを通せば、香魚たる鮎の香りが立ち上る。辛味大根とウルカなんてどんなフレンチかって、ちょっと信じられないほどアリゴテに合うので間違いなくフレンチだ。

酢のジュレとタデのソースをつければウルカのほろ苦さが引き立ち、いや〜鮎って塩焼きだけじゃないんですね〜。とんでもなくウマいわ、これ。

鮎に陶然としているところで怪しげなワゴンが運ばれてきました。アッーーー!これは!とうとうアレが出てしまうのですね?

夏、しかも7月だけのスペシャリテ小鳩の岩塩包み焼き!塩や香草を練り込んだパイ生地で小鳩を包み、焼く!乞食鳥のおフランスバージョン?とにかくコレ食べたさに来ました。でっかく焼いて切り分ける料理こそがフレンチの醍醐味と、大使閣下の料理人に書いてありました。

鳩さんの仕上げの間にペアリングのラスト、コート・ド・ボーヌ シャンタル・レスキュール。もっと長い名前だった気がする。

鳩だから鉄でブン殴ってくる強烈な赤が出るかと思いましたが、大変フルーティーでちょっと樽を感じる程度の飲みやすい赤。そういう皿が出るのですね。

ほえ〜、マティス〜!なんて鮮やかな一皿でしょう。赤いソースは鳩とワインとクリーム、黄色いソースはカボチャ、緑の葉っぱはニンジンだそうです。よく見ると透明感のあるオレンジ色もあって、これはそのまんまオレンジらしい。

小さなマンガ肉があるけど何コレ。ホットケーキミックスならぬ春巻きの皮、マスタードならぬオレンジを使用したモモ肉のアメリカンドッグ仕立てだそうです。コレは骨を持ってガブリが正解だよね。

ガブリ・・ぶしゅ〜。うわ〜い、やっぱりモモ肉はトリでもハトでもモモ肉だ、ジューシーそのものだ。たくましい歯ごたえも頼もしい。うま〜い!

肉と皮のベストバランスがたまらない手羽元。ムギュムギュっとして力強いことこの上なし。ニワトリさんと違って空を飛びますからね、羽の元は筋肉モリモリということか。

メインの胸肉は大ボリュームで、鳩胸の名はダテじゃない。ナイフでキコキコやらなくては切れない圧倒的マッチョはすごいや。ソースをたっぷりまぶして食べれば広がる野の味、鉄の味。

荒々しいところにクリームたっぷりのソースとカボチャの優しさが映えて・・なるほど、ここでワインをクイっと行けということか!

横のササミはロゼに輝く完璧な火の通りで本当に美味しい。やっぱり来てよかった、7月バンザーイ。誕生日もあるしな。

メインは2皿ありまして、先ほどの小鳩の内臓とロックフォールをパイ仕立てにしたというなんとも罪深い一品が登場です。えっ、さっきのお皿でワイン飲み干しちゃった!

サーっとおかわりを注いでくださって事なきを得たぞ。友人はここで新政をおねだりしていました。どんだけ気に入ったんだ。

味の濃いトリモツとロックフォールなんてクセと癖のどつきあいかと思いきや、たっぷりのハーブで旨味ばかりが引き立つお皿になっているからすごい。こんなのやっぱりワインが綺麗になくなってしまうよね。

指先まで満足感に満ちあふれました。デセールで余韻に浸りましょう。マンゴー・パッションフルーツ・パイナップル・チーズの・・何か。3杯目あたりからお酒を多めに注いでくれるようになりまして、この辺に至ると記憶が曖昧なのです。

久しぶりに飲む熱いコーヒーは非常においしい。

お茶のオトモはチョコレートブラウニー、マンゴーとヨーグルトのムースだったかな。

この辺でシェフがテーブルまで挨拶に来てくれました。友人がアレがこうウマかった、アレがこう素敵だったと褒めちぎったので、シェフも喜んでくれたみたいです。鮎は来月も違う調理法で出るそうです。うう、食べたい。

五反田ってメシのイメージはあまり無いけど、こちらのお店はぶっちぎりで美味しいと思うんですよね。服装もスマートカジュアル(アロハ)でオッケーだし。

友人がすごく気に入ってくれたようなので、鳩以外の鹿とか鴨の時期に訪れるのもアリかなあと思ったのでした。

フレンチレストラン メイ 東京都品川区東五反田2-7-7 エルシア五反田 1F

昨年7月の鳩まつり

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。