加賀屋・天游に泊まろう⑨ 夕食中編・焼方登場

気をとりなおして次に参りましょう。ほら、椀物が来ましたよ。

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鱧真丈ですよ。どうして関東では鱧をあまり食べないのでしょうね。こんなにうまいのに。そして輪島塗の口当たりは、器に口をつけてOKな日本人だけが味わえる快感です。

そして仲居のMさんがお造りを持ってきました。どこで見てるのか知りませんが、ちょうど食べ終わりそうなところで来てくれます。

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私は群馬、T氏は埼玉。海なし県の二人、感涙。これまた皿も立派な…おや、醤油が二個ありますね、種類が違うのですか?

Mさん「薬味がショウガとワサビになりますので、それぞれ別々にお使いください〜」

うわー、旅館では初めてですが、これはありがたい。本来当たり前なことが当たり前のようににされてるって、実はスゴいことなのでは?

どれ、イカから…あらら、これはうまい。旅館のイカ刺しがうまいのって結構珍しい気がします。ウニ、甘えびなどは言うまでもなく…あ、ウニは大根でフタをしてあって(開けちゃった)、エビの下は氷の板ですか。細かいですねえ。

T氏「稲取銀水荘は氷のドームに入ってたなあ」

どこも刺身には気をつかうのですね。和食のエースですからね。

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お次は地魚揚げ浸しですか。北関東では出会わない色と味。産まれてからずっと北関東ですが、なぜかこういう茶色くない物の方が好きなんです。

この揚げ浸しと一緒に男の人がやってきました。手に持っているのは能登特産の切り出し七輪ではないですか。つまり

Mさん「今からここで鮑を焼きます〜」

やはりそうですか。部屋まで焼方さんが来ちゃうのですね。

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おお、この色はお高い黒アワビ。

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鮑は大好きなんですよ。コンスタンチノープルの皇帝になったら、毎日鮑を食べます、きっと。(大どろぼうホッツェンプロッツ知ってます?)

一緒にクチコを炙ってくれました

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でかいなあ。能登食祭市場で4,000Gくらいで売ってたサイズです。なぜ先っぽがないかと言うと、ガマンできずにちぎって食べちゃったから。大好きなんですよ、これ。

ちょっとクサヤ風の香りと濃厚な塩味がたまりません。

T氏「初めて食べたけどこれはうまいな。酒に合うね」

この上なく合いますが、あまり飲んじゃダメですよ。残りをもらうのですから。

T氏「そっちの悠々って酒も飲んでみたいな」

あ、はい…(´・ω・`)ほんのちょっと…(チョロチョロと注ぐ)

T氏「うん、こっちもうまいね。でももう酒はいいかな。獺祭の残りは全部飲んでいいよ」

あ、はい!ヽ(•̀ω•́ )ゝ✧

焼方さん「お待たせいたしました」

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お慕い申し上げておりました、アワビ様。

では身からいきましょう。パクリ。わぉ!juste cuit!!先月某所で食べた鮑もうまかったけど、そのはるか上だ。うまいなー、これ。天然だから?焼き方?種類?まさかその全部?

そしてメインの肝を、韓国の方が親子ゲンカしてまで取り合うという肝を…

T氏「俺、肝が苦手だからあげるよ」

あたし…あなたとここに来て、本当によかった。(©響子さん)

肝を食べて、加賀屋オリジナル日本酒浜離宮をグビリと…そして身の方に戻って獺祭をゴクリと…。ダメだ、至福だ。

たいへんしあわせでしたから、もうだれとも、かわりたくありませんでした。もちろん、コンスタンチノープルの皇帝とも、かわりたくなかったのです。  つづく

 

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