マタギの宿で熊づくし御膳 岩間山荘(白山市)

最近は飲み会の記事ばかりのような気がします。たまには一人旅の記事も書かないと!と思いましたが、最近行っていないような。仕方がないので過去の旅の蔵出し記事です。

場所は石川県・・石川の記事ばかり増えて恐縮ですが、今回は加賀屋でも能登でもないのでご勘弁を。ご主人が鉄砲撃ちで、自ら仕留めたクマやイノシシを夕食に出すという宿があると小耳にはさみまして、予約いたしました。

げんかん

それがこちら、「岩間山荘」さんです。白山のふもとか半ばか知りませんが、結構な山中の白山一里野温泉にあります。白山スーパー林道のすぐ近くらしいですが、スーパー林道を通ったことがないのでよく知りません。近くには「ハニベ岩窟院」という素敵スポットがありますよ!

きま

入るといきなりアオアシラの剥製がお出迎え!まあ、今夜はコレの中身を食べることができるのですね!あ、女将さんがやってまいりました。明るくて大変好感の持てる方です。

へや

ちなみにこちらの旅館、冬季に来ると目の前がゲレンデらしいです。そんなわけでスキーヤー用格安プランとかあるのでしょうか、部屋はきわめて必要最小限の装備、ダガーとターゲットシールドみたいな感じです。でもお風呂は露天こそありませんが温泉、しかも源泉かけながし、温まることは保証のナトリウム泉です!源泉すぎてちょっと熱いのがまた良し。

夕食は食堂ですね?そして来た食堂は・・おお、貸切ですよ!女将さんがつきっきり!つまり「お酒の追加を頼むタイミングが見つからない」という、小規模な宿にありがちな困ったポイントがないということです。

夕食

えーと、まず置いてあるのが・・前菜らしき山菜たち、謎の鍋、珍しい色の刺身・・

あさし

この刺身はなんじゃらほい?やあ、川魚のエースであるニジマスですか。鯉と鮭の真ん中みたいな味でいいですね。四角いのは地元の固豆腐!うん、固くて豆豆しい味でうまいですね!

女将さん「はい、お刺身お待たせしました〜」

おや、今まさに刺身の現在進行形。I am Sashimingなはずですが。

くまさし

まあ!あら!クマの刺身でごぜーましたか!そうでした。本日は「熊づくし御膳」プランでお願いしていたのでありました。クマ刺しは人生2回目ですが・・・うわー!脂身がいい感じにとろけますね!しかも脂なのになんだかサラッとしています。これは牛刺しより好きかもしれません!赤身もちょっとクニュクニュと噛み切れない部分もありますが、ものすごく味が濃くて良いです。

ふき

クマとフキを煮たもの・・マタギの本で「ゼンマイとかフキをクマと煮る」というのを見たことありまして、食べたかったのです。海辺のイカ大根がウマいように、山中のクマ山菜はウマい!これがスローフードというやつなんですよね?よく知りませんけど。

てんおぷ

なんて山菜をほめていたら天ぷらがドーンと登場!山の幸が過ぎますね!ご覧の通り、天ぷら店のそれではなく、ご家庭の延長天ぷらです。じつはこういう方がお酒に合ったりします。

なべ

女将さん「そろそろお鍋の方良さそうですよ〜」

おお、かたじけなし。どれどれ?

や、これはこれは・・クマから良いダシが出ていますよ!豆腐とキノコが天下の美肴と化しております。ケダモノ臭ゼロですね。さすがマタギ、使用部位が適切すぎます。

女将さん「お客さん、本当に嬉しそうに食べてくれますね。大体の方はおそるおそる食べるんですよ?クマ初めてじゃないんですか?」

刺身、串焼き、丼、味噌汁程度は食べまして、好きな肉の一種です。

女将さん「ちょと変わった部分もありますからどうですか?」

ぜひ!お願いいたします!

ばら

女将さん「こちらはアバラを煮たものです」

うわー、こんなうまそうなところがレギュラーメニューではないのですね。ご主人のツマミと見ました。ではいただきます・・・おお、八角っぽい風味がバッチリ効いて、意外や意外、中華角煮な風味。骨の周りの肉はウマいという法律は忠実に守られております。

ほほ

女将さん「こちらは左がタンで・・右は頰肉だったかな?顔のどっかです」

顔!・・つまり首から上の部分ですか。

女将さん「はい、調理するところはとてもお見せできませんが、生首を丸ごとお鍋に入れて煮るんですよ」

生首を丸ごと・・?み・・・見たい!!

熊タンはもちろん初めてですが、牛か豚かでいうと豚寄りなような?煮てあるのではっきりはわかりませんが。ぜひ網焼きで食べてみたいものです。頬らしき部位の味は・・やあ、鯛とかと同じで、よく動くほっぺたとか顎まわりの肉は味が濃いのですね!歯ごたえと味の詰まり具合がすごい!

さすがにそろそろ満腹ですよ。オマケまでありましたからね。もうメニューは終わりですよね?

女将さん「じゃあシメにクマ入りチャーハンを作ってきますね!」

クマチャーハン!うわー、それは食べてみないと!少しだけお願いします!

ちゃー

おお、これはウマい!ウマいですな!クマの脂身を使ったのか、最初に油でクマ肉を炒めたのか、とにかくクマの味がご飯全体に染み込んでいます!クマ刺しとコレとホッピーがあれば幸せな晩酌になりそうな予感。そう、クマ肉・・というか、ここのクマ料理はなんとなく全部ホッピーに合いそうな味なんです、ホントに。ワイン?知りません。

死ぬほど満腹なので寝ましょう・・私が泊まる宿の常として、周りに何もなくおそろしく静かです・・1・2・3・グウ。

あさめし

朝食はこのように、笑う子も男泣きするような正調和朝食。ナスの煮びたしが激ウマでした。チェックアウトの際には女将さんお手製のもみじ栞を頂いてしまいました。いや、一人旅は夕食中に色々と手持ち無沙汰になることが多いのですが、お話し相手になっていただいてありがとうございました。

しおり

ちなみにこんな栞です。かわえーですね。

山菜コース、イノシシコース、クマコースと選べるそうですので、山の幸と温泉にどっぷりひたりたい方には良い宿です。あとスキーだけでなく、面白くてウマいものを食べたいという欲張りな人には最高ですね。設備は・・まあ、気にしない!

岩間山荘 石川県白山市尾添チ81−3(リンク先は音楽が流れます)

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