
京都で素晴らしいタンシチューをいただいて、WINSで馬券を外して、気がつけば夕方になってしまったじゃないか。
もちろん晩酌のお店もしっかり予約してあります。本当に我ながらそこだけは偉いよね。

お店は世界のイノダコーヒ本店の向かい、三条食彩ろぉじに入りまして、

4軒目か5軒目くらいにあります「魚屋に気の生えたなお店 京都つりや」さん。ちょっと前に来てみたら、とんでもない刺身や西成流のホルモンの美味しさにひっくりこけまして、アイシャルリターンと誓ったお店であります。
一階はカウンター5席のみ、二階のテーブル席も広くはないようで、予約は必須に近いかも。幸いにして一名よりネットで席だけ予約ができます。

まずは飲み物。日本酒をグラスでお願いすると、下の小皿までこぼしてくれる「もっきり」を楽しむことができますが、肴がうまいので何度も店員さんを呼ぶハメになってしまう。宮城の伯楽星を二合徳利で頼んでしまいましょう‥なんだか昨日も飲んだような。究極の食中酒だからね、仕方ないね。
もちろんこの「魚に合う地酒」ページ以外にも、京都のお酒とか色々あります。

お通しはアラ大根がたっぷりと。ほらね、もっきり一杯だったらこの時点で蒸発しちゃうでしょう?
なお徳利で頼んだところで、結局店員さんに何度も来てもらうことになったのは秘密です。

お店の売りはなんと言っても刺身。本日のおすすめ黒板を見てみましょう。
トップは北海道産箱ウニか!しかしおひとりさまではちょっと贅沢がすぎるかな?やあ、今回も極上真サバ刺身があるじゃないか、確定!
もう一つくらい頼みたいな。天然ブリに天然ヒラメ、カンパチに炙りトロサーモン。どいつもこいつもうまそうだけど‥青魚代表のサバを頼むからもう一個は白身でいこう。ヒラメに決めた。

前回気になっていた本マグロ鰭肉のグリルも忘れずに。時間がかかるそうなので最初に頼んでしまうが吉。

まずは天然ヒラメ刺身が出ました。
刺身醤油と甘い醤油と2種類が用意されています。せっかく西側に来たのだから甘い醤油で。

これまたご立派なヒラメですね。しっかり締まった身を厚めに切ってくれちゃうので、もっちりムッチリとすごくマッチョな歯ごたえ!
モギュ‥モニュ‥と噛みしめると、じわりと甘味が湧いてきて‥寒の時期を過ぎても、まだまだ白身の主役を譲る気はなし。頑固なヒラメもいたものです。

縁側のコリコリ感と乗りに乗った脂と来たら。醤油に油膜ができそうな勢いだぞ。

野菜も食べるのだぞと頼んだナスの漬物もデカい。ミスター味っ子がスパゲティを巻きそうなお化けナスじゃないか。美しい紫のグラデーション、いかにもうまそう。
ムギュっとした皮を噛むと染み出す甘酸っぱ汁。さわやかだなあ。

さあ、心のメインディッシュである大分産 極上真サバ刺身が出ましたよ。大分産ということはアレだ、シールがないだけでほぼ関サバなのでは?

サバサバしい模様と血合いの彩りが美しい極上ボディ!我らがアイドル・初期の栗田さんが釣り上げたサバはこんなだったに違いない‥あっちは松輪サバだろうけど。

こ、これは何という鮮烈な‥!これ以上香りが強かったら下品になる、これ以上脂が強かったら下卑た味になる!
‥かどうかはわかりませんが(下卑た味って何)、脂がのっているのに清々しい香り、青魚エキスの結晶とも言える風味の主張はたまりません。こんなうまくて分厚いモノが10切れ以上あるの?
ふっふ‥豊後の海の勝利というところか。こんなサバを育てたんだからな。

刺身二つを食べ終えた頃に焼き上がりました、本マグロ鰭肉のグリルです。形状的に腹ビレかな?本当に680円なのか心配になるビックリドッキリサイズ。

箸を突き立てれば飛び出すほどのアブラ!な、なんて美味しいんだ‥!

金目鯛なんかの胸ビレ裏にある、黒っぽい筋肉ゾーンが好き。それが本マグロともなれば、腹ビレの裏にだってたっぷりその筋肉が。
掘れば掘るほど美味しい部分が発掘される王家の谷。これが680円はやっぱり何かのバグではないかと。たぶん数量限定、早いもの勝ちだ。
刺身もヒレ肉もキングサイズで、もはや満腹に近い。お酒も三本目の徳利が空になりつつあるのでシメに向かおう。

サバに続いて前回うまかった西成豚ホルモンといきますか。ホルモンの大トロ(キクアブラ)を願いま〜す。

熱々のスキレットで再現される、西成流の鉄板焼きホルモン!ニンニクがっちょりピリ辛のタレがジャンジャン染み込んでいくホルモン、しかも大トロのキクアブラです。
コニュコニュとした謎テクスチャがたまらなく楽しく、過剰とも言える脂と強烈なタレがあまりにも相性バッチリ。これは日本酒ではない、バクダンだな‥

もっとも令和の世に爆弾カストリやチルチルメチルなどあるはずもなく、ここはちゃんと美味しい芋のロックで香り合戦とまいりましょう。
おおむね1時間ですっかり満足して退店。今回は万シュウを少し超えてしまいましたが、お酒を飲みすぎただけの話です。この味とボリュームからすれば、ちょっと考えられないくらい安い。
う〜む、京都の夜で一人飲みはここに限るんじゃないかと思えてきた‥
魚屋に毛の生えたようなお店 京都つりや 京都府京都市中京区道祐町135-1 三条食彩ろぉじ ほとけのざの舗