昔流行ったB級大会で隆盛を誇った焼きそば界にあって、イマイチ盛り上がりに欠ける気がする太田焼きそば。「店の個性次第、特徴が無いのが特徴」と開き直って、変な独自ルールを作らない姿勢はちょっと好きなんですが。
一番知名度が高いのは太麺の黒い焼きそばでしょうか。アレはウチの父が好きで、どこかに出かけるとお土産と称して大量に買ってきたものです。八割は自分で食べていたけど。
ぼくは別に二軒お気に入りのお店があったのですが、どちらもお店を閉めてしまった‥歴史が長いお店はどうしてもね。
現在焼きそば気分になるとお世話になるのが「ちろりん村」さん。
太田市運動公園のすぐ近くという立地もあって、常に焼き上がりを待つ人がいる人気店です。電話予約推奨、と言いつつ電話しないで来てしまったら、やはり3組くらい待っていた。
普通の人のランチやオヤツなら中350円で十分だと思います。日曜のみ焼きまんじゅうも売っていたりするので、グンマ名物のセットランチができるわけだ。
大昔はトコロテンなんかもあって、このカウンターで焼きそばトコロテン焼きまんじゅうのフルコースを食べたような記憶があるのですが‥本当かなあ、いくらなんでも狭いよな。
でも他のお店ではなかったはず。だってホラ、バンダナも勇ましい焼き手のオバちゃんは明らかに同一人物ですよ。本当に変わらない方だな‥焼きそば一筋何十年なのか。うまいはやいやすいの生き仏である。
はい、中一個お持ち帰り完了しました。
昔の太田焼きそばはラードたっぷり。包みのシンブンガミまでベトベトだったものですが、ちろりん村さんは軽い植物油を使った嚆矢とも言えるお店。そのヘルシーさは紙で包む必要すらないほどです。
しかし良い香りだ‥駐車場にいたBMWの人が運転席でパクつきはじめたのは驚きましたが、このかぐわしさでは無理もない。世界（足利）の月星ソースは本当においしいので、グンマ栃木あたりに来たら買いましょう。足利の本社前には自販機もあるよ。
プリプリ感が気持ちいい麺は館林のクリタ製麺だったかな？ものすご〜く普通の焼きそば麺なんですが、それがいい。
これでもかと降りかかる青のり、多めに添えられた紅生姜。軽い酸味が効いたソースもあって、飽きることなくスイスイ食べ進んでしまいます。しまったな、中では足りないくらいの勢いじゃないか。
特筆すべき（？）事項はこちら。なんと具に肉がある！
キャベツのみのお店が多数を占め、あるとしても「肉入り」というオプション扱いになっている太田焼きそば界としては事件です。革命です。
太田焼きそばに肉など不純物ゥーー！なんて厨な思い込みをしていた時期もありましたが、やっぱりあればアガるもんですね。うめえうめえ。もっとも今では豚コマよりキャベツの方が高級だったりして‥キャベツオプション化まったなし？
百点満点のオヤツ焼きそば、ごちそうさまでした。スーパーくいしん坊も言っていましたが、焼きそばは軽食でありオヤツなのだ。そこを突き詰めればこの1パックにたどり着くのだ。
ちろりん村 群馬県太田市内ケ島町319-1