今回はいつも以上に会話がフィクションっぽいですが、食べ物に関してはノンフィクションのはずです。
「生瀨範義展に行くから東京行くよ!」
上海で不審な病気をもらってきたデザイナーのOハラさんではないですか。わざわざ神戸から?まあ生瀨先生では仕方ないですね。ぜひ一緒に行きましょう。宮本武蔵とか新・水滸伝の絵を見たい、見たいぞ!
「そんなステキな展示に行かないはずはない」といった感じで集まったのは、スーパー作曲家のS葉さんと横浜のエターナル開発者Nバタさん。プログラマー、デザイナー、作曲家とクリエイティブな方がズラリ。あれ?私はなんなんだ?
そして生賴範義展!素晴らしい展示でした‥ので、渋谷で感想戦といきましょう。
Oハラ「ここ上野よ?山手線の真逆じゃないの!」
なんとですね、本日はS葉さんの焼き鳥道昇段審査を兼ねているのですよ‥!本日のお題は「渋谷でウマい焼き鳥屋を披露せよ!」なのです。行きますよ!
S葉「準備は万端です‥!」
Nバタ「なんですか?その昇段審査って‥」
実はS葉さん、焼き鳥四段の猛者なんです。五段に昇段するためには、みんなにウマい焼き鳥屋さんを紹介しないといけない。数回連続でウマい店を紹介することに成功したら、見事昇段!
Oハラ「試練の十番勝負みたいなものか!」
だいたいそんなところです。さてS葉さん、本日の勝負の舞台は?
S葉「こちらの1階から3階まで焼き鳥屋さんというビルにあるはずです」
本当に建物丸ごと焼き鳥屋だ!なんと強固な砦でしょう。
S葉「たしかヤキトリ テツさんですから、ここの2階ですね。席空いてるかな?入ってみましょう」
4人ですが‥あ、大丈夫ですか。厨房を囲む形のカウンターもありましたが、テーブル席に案内していただきました。
まずは飲み物。はい、みなさん何がよろしいですか?
Nバタ「じゃあ生で!」
S葉「私も」
あれ、S葉さんがビール?いつもはネタ系サワーなのに。さすが審査だけに気合いが違いますね。Oハラさんはウーロン茶で‥私はそうだな、壁メニューに「玉乃光」という文字が見えたので、ソレで。
コップから皿にこぼす嬉しい形態でやってきた!わーい!でもカンパイができん。
みなさんこのコップにぶつけてください。はい、生瀨先生の作品‥宮本武蔵の挿絵にかんぱーい。
Nバタ「SFアドベンチャーの表紙にかんぱーい!」
Oハラ「ゴジラのポスターにかんぱーい!」
S葉「ムーの表紙にかんぱーい!」
なんでも描くな、あの先生!
それでは審査を始めます。注文から採点開始ですからね?
審査員長は馬刺し八段のわたくし。ゲスト審査員として神戸食べ歩きコンシェルジュOハラ氏、特別審査員としておねショタ七段・TENGA三段のNバタ会議氏をお招きしております。
Nバタ「僕のプロフィールだけおかしくないですか?」
S葉さん「串はそうですね、ナンコツとセセリと合鴨を4本ずつ。あと山くらげとキザミ、もつ煮込みをお願いします」
すぐ出るメニューからメインの串まで、時間差まで考慮した流れるような注文‥!で、できる‥!
ビストロメニューなんかもあるのね。にんにくの丸焼きアヒージョとか素敵そうですが‥
S葉「アヒージョは熱々でないとダメですから、食べるなら後にしましょう」
ひえー、本気だ!
S葉「でも自家製佐助豚のパテはおいしそうですね。頼みましょう」
煮込みはいかにもウマそうなモツ、豆腐にたっぷりのネギと百点満点で二百点なビジュアル!どれどれ?と食べてみると…
Oハラ「いいね!ベイダーのムーンサルトをくらった猪木のような衝撃!」
全くわからない表現ですが、確かにウマい!特に豆腐が素晴らしく味が染みてウマい!煮込みに入った豆腐、なぜこんなにウマいのか。
お次はキザミ。聞かない名前ですが、鶏皮酢醤油だそうです。
Nバタ「鶏皮とネギと酢醤油って、どう考えてもウマいじゃないですか、こんなの」
こんな危険メニューを頼んじゃダメですよ‥久米仙のロックくださーい。泡盛が置いてあるだけで採点が甘くなります。
Oハラ「ちょっと審査に穴がありすぎない?」
ちょっと珍しいかもしれない山くらげはコリコリと。うーん、今のところ非の打ちどころがない。
Nバタ「大変なポイントを稼いでますね」
S葉「いえ、これからが本番の焼き鳥ですから‥!」
おおー、ズラリとやってまいりました!とりあえず3種類を4本ずつ頼んだのでしたね。なんだったろう。
S葉「まずは合鴨から」
いきなり4回転ジャンプ、220円メニューにいきましたね!うわー、脂のりすぎでこれはたまらん!久米仙が一瞬でなくなってしまいます!
Nバタ「これはおいしい!鴨の焼き鳥が220円なんてずるいですねえ!」
ナンコツは三角形のヤゲンではなく、唐揚げに使うゲンコツの方じゃないですか!私はこっちの方が好き。うれしすぎてメガネが落ちそうです。
コリコリ感と周りの肉のウマさが異常だよ、ゲンコツ‥!久米仙追加!
そして次は焼き鳥の王、アレだ‥!
せ・せ・り!せ・せ・り!せ・せ・り!せ・せ・り!
Oハラ「それやらなきゃダメなヤツなの?」
これは昇段審査の規定種目ですから!つまりアレだ、ジャイアント馬場さんでいうと十六文!
Oハラ「えっ?つまりマスカラスのフライングボディアタック?それは必須だね!」
Nバタ「何を言ってるかわからないけど、せせりはいいですよね〜。ネックよりせせりって響きが好きです」
S葉「合鴨がおいしかったので、鴨アブラを頼んでみました」
なによこれ!さっきの鴨でも十分脂ノリノリだったのに‥!鴨の皮あたりなの?コレは反則!!
Nバタ「見ただけでウマいですね‥!もう止まらない」
あー、これはいけない。鴨の香りつき鶏皮ですよ‥?パリパリを噛みしめると口の中に鴨アブラがあふれるんだよ‥?幸せすぎて死んでしまうよ‥?
Oハラ「これはS葉四段、渾身の一手だね!局面が一気に彼に向かった!」
そうか、昇段審査でしたね。うん、これは高ポイントなんてもんじゃありません。最高の一串だ!
S葉「焼き鳥だけでなく、ローストチキンも売りだそうです。大山鶏のローストチキン4分の1カットはどうです?」
ぎゃー!!鳥の丸焼き大好きマンの私にこんな素敵なモノを‥!
Nバタ「ちょっと審査員長の好みを知りすぎじゃないですかね?」
Oハラ「ほんのり八百長の香りもするけど、プロレスという捉え方もある‥!」
ローストチキンは量り売りで、これは小ぶりなピースだったので500円くらいでした。塩コショウのシンプルな味付けがいい感じ。胸付近もパサつきがなくしっとりと仕上がっていて、これは鶏そのものが相当いいな!
Nバタ「これは一人1ピースでも軽くいけちゃいますね」
いやホント、ローストチキン大好きな私はこればっかりで飲めるぞ‥!
佐助豚のパテは良い豚肉で良いアブラですが、不思議に安いコンビーフのようなジャンキーな味に仕上がっていて、結論としてすごく酒に合う。そうか、あえてツマミ側に味を寄せたか‥!面白いお店だなあ。
S葉「これまた110円の煮込み大根でとりあえずシメとしましょう。たしかこれ0次会でしたよね?」
そう、実はこの後に女性二人が加わって馬刺し会が‥って、トリがうまくてバカみたいに泡盛飲んじゃったよ!どうしよう?
Oハラ「うん、すでに酔っ払った雰囲気だね!これから馬刺し行けるの?」
なんとなく自信はありませんが、行きましょう。大山空手は後ろを見せません!
Oハラ「迷わず行けよ、行けばわかるさ!」
行きますかーッ!あ、その前に一つ大事なことを忘れていた‥
つ・く・ね!つ・く・ね!つ・く・ね!つ・く・ね!
S葉「それも規定種目なんですね」
はい、ふっくらでおいしゅうございました。というわけで審査結果ですが‥安いウマいで文句なし。抜群ということで五段に一発昇段!
S葉「ありがとうございます!」
S葉五段の今後のご活躍を祈念して、馬肉で乾杯といきましょう。
・
・
そして本当に記憶を失った。次に行った馬肉屋さんの記事はありません。
Oハラ「今まで見た中で一番ヨッパライだったね!」
いや、お恥ずかしい‥
やきとりテツ 東京都渋谷区道玄坂2-7-3 三喜ビル2F