「そばの町おうら」で粗挽きそばを楽しもう 手打ち蕎麦 うずら庵(邑楽郡邑楽町)

ソバ食べたい、ウマいソバ!

たまにウマいソバを食べないとダメという難儀な体質なのです。どうしよう、戸隠とか会津に行こうかな…でも今はお盆。上りか下りどちらかで渋滞なんだろうな…ということで、地元のソバ屋さんに行きましょう。

ウチから車で2・30分のゾーンにある小さな町、邑楽町。こちらはそこそこのソバ粉生産量があって、かつまたソバ屋さんも多いということで、「そばの町おうら」を名乗っているのです。そばの町なので、もちろんデキる店があるのです。

そのデキる店の一つ、「うずら庵」さんにお邪魔しましょう。戸隠の行列店に名前が似ていますが、こちらのお店は「うずら」という交差点からすぐの場所にあるので、それなりに由緒正しい(?)店名です。

店主さんは元々イタリアンのシェフ(だったはず)。しかし食への意識が高いおっさんの罹患率が高い、厨二ならぬ厨年病の一つである「ソバ打ちを覚えてソバ屋になる!」症候群に感染して転職されたみたいです。

その患者の大半は近所にマズいソバを大量に配って嫌がられるオッさんになるのがオチですが、こちらはもともと本職のシェフ。見事な味のセンスと確かな腕前で、しっかりと地元の繁盛店になっています。

お盆で仕入れが難しいのかしら、本日のメニューはこの一枚のみのようです。普段はオリジナルの白鳥そばとか良い鴨を使った美しい鴨南蛮といったメニューがあるのですが…もちろんせいろもウマいので別に困りませんけど。

あとは天ぷらかな。実はこちらの店主、フライフィッシングの名手でもあります。渓流釣りということは、つまりアウトドアの達人。春は瓶詰めではありえない鮮烈な味の山菜、秋は珍しい天然キノコの天ぷらが出るのです。真夏の今日は‥おお、アウトドアとはまるで関係ないけど、夏っぽいハモの天ぷらがあるじゃないですか。コレとせいろにしようかな。

邑楽町がソバに次いで推しているゴーヤもありますね。これはこれで夏っぽいけど、最近毎日のように庭のナスキューリゴーヤを食べている気がするからいいや。

看板メニューの「うずら庵ランチ」もあるのか。税込千円ポッキリでせいろそば、天ぷらorミニ天丼、サラダに小鉢、トドメにドリンクという魅力的な構成。どうしようかな・・

うむ、今日はちょこちょこ盛りの婦女子っぽいランチでいきましょう!うずら庵ランチ、天ぷらにアイスコーヒーで願いまーす。

まずはソバ茶と揚げソバが出てきます。揚げソバってウマいですよね。ポリポリ。

ちょうど揚げソバが終わる頃にやってまいりました!わが昼メシ…おお、なんだかやけに健康的なメニューがやってまいりました。

まずはサラダからいただきましょう。プリティーな量なのでベジファースト力は低そうなれど、さすが元イタリアンのシェフです。ドレッシングの味は確かなもの。

こちらは小鉢と天ぷら用の塩ですね。小鉢の内容は何かしら?

あら、ししとうを甘辛く煮たというか、辛くないきんぴら風にしたお惣菜!これはご飯によし、酒もイケます。ソバには‥オカズはいらないですね。これと天ぷらで一杯やってからソバを食えという、店主さんからのメッセージでしょうか。

天ぷらは塩でいただきましょう。先ほども言ったように毎日食べているナスですが、外で上手な天ぷらになると飽きていたことを忘れます。さっくりと来てからナス汁がジュワッと来て、すごくウマい!人づてに聞いたところによると、天ぷら係の方は元パティシエールだそうです。

そして主役のソバがやってまいりました。肉眼でソバの粒子が見える、いかにも粗挽き。何メッシュかは知りませんが、うまくつなぐのが難しいであろう漢の粗挽きです。水切りもしっかりされていて見るからにウマそう。

そういえばそうでした、こちらは塩がご自慢だった。なんとなく天ぷらにつけてしまいましたが、最初にソバにちょっとかけて味見するらしいですよ。やってみましょう。

塩をぱらりので、4・5本箸でつまんでいただきましょう‥うほほ、ソバがあんま〜い。なおこちらのソバはズルル〜とすすりこんでのどごしを楽しむタイプというよりは、出雲そば的に何度か噛み締めてソバの風味と甘味を楽しむ仕様になっている…と私は思っています。ちょっと短いしね。

お次は箸をムザとつきこんで、ツユにひたしていただきましょう!ぐわわわ、ついさっき出雲っぽいと言ったのに、江戸風にビシっとカツオと返しが決まった辛汁!それもそのはず、こちらは江戸ソバ教室で学んだ本格的なツユです。確か同じ教室の卒業生が太田市屈指の人気店、「貴石」さん。

貴石さんはなめらかで細い、のどごしが気持ちいい江戸路線、うずら庵さんは粗挽きでソバの風味重視の田舎路線、同門なのにみんなちがってみんないい。

では次は薬味を加えて楽しみましょう。ネギ、ワサビ、大根おろしというソバ薬味の神3。ネギは綺麗にほぐしてありますし、ワサビはチューブではない。誠実さがあふれる薬味軍団ですね。

本来はおろし汁をそばつゆに入れるであろう大根おろしですが、ちょっと少なめなのでソバと一緒にいただくとしましょう。ズルっ!モグモグ、ゴクン!ふはっ、時期的に辛味はございませんが、ものすごく爽やかでものすごく胃に良さそう!

次はワサビだー、また大根だー、ツユだけだー、わー!と食べていたら、あっという間になくなってしまった!

ソバのラストのお楽しみはもちろん蕎麦湯でございます。このために使わずとっておいたネギをツユに放り込んで、蕎麦湯を注ぐ‥最近多めのわざとトロットロにしたヤツではなく、サラッとした蕎麦湯!そうです、このくらいが一番ウマいと思います。

蕎麦湯を注ぐとツユの素性の良さがよくわかります。あー、ほっこりとウマいぞ。

さわやか蕎麦湯でみごとに締まった!と思ったら、さらに締めのアイスコーヒーが運ばれてくる幸せ‥!ホントにコレで税込1000円ポッキリ?お得で満足!群馬の物価、おかしいだろ!

 

うずら庵 群馬県邑楽郡邑楽町鶉670−5

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