黄色いライスカレーを求めてラーメンの国・佐野へ 昭和軒(佐野市・田沼駅)

向田邦子さんのエッセイを読んでいたら、ライスカレー、玉ねぎごろごろ小麦粉モッタリの黄色いカレーが食べたくなったぞ。

相当黄色いらしいけど、まだ行けていないお店が高崎と佐野にあるんだよな。幸い栃木方面に用事があるから佐野の方に行ってみるとしよう。

佐野の田沼駅前、一瓶塚稲荷神社のお隣にあります「昭和軒」さん。このビジュアル、この店名で黄色いカレーを出してくれるのはちょっと反則でしょう。そのまんますぎる!

とはいえ佐野だけにラーメンも美味しいらしく、入る前から心揺らいでおります。

駐車場はお店前の丁字路を南に20mくらい行った左手にあります。表示にある通り、砂利の北側のみになるのでご注意を。

食品サンプルならぬ食品イラストがあった。煽り文句が入るのがいいね。うう、タンメンもたっぷり野菜でボリューミーなのか〜。本当にカレーを注文できるのだろうか。

お店に入ると先客は一組。二人や四人用の席もありますが、基本的には中央の大きなテーブルにズラリと相席の昭和なスタイル。誰もいないのをいいことにカドをゲットしよう。

定食・御飯物コーナーにカレー確認。カレーライス750円でカツカレー900円。150円でカツがのるならそっちだな。

しかし中華そばがな、表のイラストによると自家製麺らしいんだよな。なんといってもここは佐野だもんな‥カレーらーめんとライスとか折衷案も考えてしまう。

かつ丼と餃子の食堂まんぷくセットを決めたい脳内の柔道部員まで出てきた。落ち着け、今日は黄色いカレーなんだ。

むむっ、+250円でどの麺類もミニカレーがつくのか。するとタンメンとミニカレーという大岡裁きか?

だがそれではタンメンが主、カレーが従になってしまうか。煩悩を断ち切り、初志貫徹のカツカレー願いま〜す。

‥注文を済ませたらダンダンという音が聞こえてきた。カツの肉を切り出して叩く音?そこから始めてくれるのか、やったぜ!

お店は時代がついていますがテーブルはピカピカ、調味料の類も新品と見まごうほどに手入れが行き届いて、なんと気持ちのいい空間でしょう。

先客の方がお会計に立って「カレー食べたくて来たんだけど、本当に昔の黄色いカレーですごくおいしかったです〜」だって。おいおい同好の士だったのか。そしてすごくおいしいのか。こういうネタバレは大歓迎。

お、そうこうしているうちにお盆が運ばれてきましたよ。

ダーッハッハ!思っていた2倍くらい黄色いカレーが来ちゃった!食べる前からミッションコンプリートおめでとう。

カツカレーといえばデカ盛りに寄りがちですが、カツまで全部合わせて「ややボリュームがある」程度に収まっているのもいいところ。なんとなく顧客の年齢層が分かるような。

黄色い海には玉ねぎがゴロゴロ、あまりにも狙い通りのライスカレーっぷり。ぼくは今猛烈に感動しています。

粋なカツから見越しの福神漬けは当然のように真っ赤っかのか。黄色いカレーに映える映える。量も多めでたのもしいですね。

そして切りたて揚げたてのカツ!おまけとは言えない立派なサイズ、黄色いカレーに負けない綺麗なキツネ色。カツ定食としてソロデビューもできそうですが、カツ丼とカツカレーしかメニューにないのが不思議です。

厚さを誇示するためひと切れ向きを変えまして、黄色いカレーにはもちろん必須のソースをかけて、準備万端整いました。

いきなりカツ最大のピースから攻める掟破り!スプーンで押し切れるカツにカレーをからませ、いただきま〜す。

ありゃ、さぞかし甘口でモッタリ食感であろうと思ったらとんでもない。辛さはあまりないけどなんとも香ばしくスパイシー。粉っぽさゼロでご飯によく絡むちょうどいい粘度じゃないか。

色味より辛味を感じて、玉ねぎだけでなく豚肉もたっぷり。向田先生の家庭の父専用ライスカレーがこんなだったのかしらと想像しちゃう。

たっぷり具沢山のおかげでしょうか、ブタと玉ねぎの旨味甘味がしっかり出ていてすんごいうまいです。

ソースだけのカツでカツライスを決めてもやっぱりうま〜い!つまりソースとカツとカレーを合わせてしまえば、無双のメシキラーになってしまうワケだ。

わっせわっせとスプーンを動かせば、たちどころに空となってしまうお皿。カレー後の水がまたうまい。ごちそうさまでした!

どうしよう、ラーメンも食べたいのにまたカツカレーを頼んでしまう自信がある。でも佐野の自家製麺でしょ?とりあえず次回はがんばってタンメン半カレーを頼んでみようじゃないか‥いや、この量ならカレーと中華そば両方フルサイズでもギリギリいける‥?

昭和軒 栃木県佐野市栃本町1759

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