ちょっとした用事で栃木のさくら市あたりをフラフラ。時計を見れば11時ちょうど・・うむ、こっちまで来たんじゃ蕎麦でも食べていくとしよう。いつも一徳さんだからな、たまには違うお店にしてみるか。
道路に輝く「営業中」の電光掲示板に吸い込まれたのは「そば・うどん処 奥州路」さん。新そばの張り紙とたぬきさんも「おいでよ、ウチはおいしいよ」と誘っているようだ。
いざ入店すると「イラッシャイマセ」としゃべる自動ドアでちょっとビックリ。テーブル3卓に広いお座敷というところ、蕎麦ならサッと座ってサッと帰れるテーブル席がいいね。
かあ〜、新そばの主張がやまない、うれしいねえ。ヤシオポークのかつ丼と新そばを楽しめるセットなんて行っちゃう？
新そばを全身全霊で味わうため、二枚重ねそばなんてのもいいわね。
なんだかセットにも力が入っているじゃありませんか。エビ・イカ天丼はよく見るけどキス・ハゼ天丼はちょっと珍しい。白身魚の天ぷら好きなんだよな、いいな。でもやっぱりかつ丼もいいな。
五島列島産のアジフライセットまであるのか！おいしそうな所をえぐりこむように打ってくるじゃないの。
ポクポクポク、チーン。よし、鴨南蛮のつけ麺をくださ〜い。結局頼むのは鴨！だって好きなんだもの。
メニュー通りに「鴨南蛮のつけ麺」とお願いしたら、花番さんたら普通に「鴨せいろひとつ〜」と通していた。なんだ、それで通じたのか。
そば茶でなく緑茶が出るあたり、やはりセットものが主力なのでしょうか。後から来た人たちはアジフライセットが多かったような。
おお〜、でっかいお盆で鴨せいろの登場だ！分かりにくいですが、つけ汁の器がお碗というより丼です。たっぷりです。
細切りのお蕎麦は象牙のような肌に星がちりばめられています。端正ですね、いいですね。
鴨汁は熱々注意！見ただけで温まるようだ。
まずは蕎麦だけズルル・・いやコレは年越し蕎麦だ、つるつるといただきます。きれいにつながって冷え方も適度、軽く噛んだらフッツリと切れて滑らかに喉をすべっていく。胸のすくような香りが抜けて、ああ、新そばだなあ。つるつる、かめかめ。
これはたまらん、次は汁につけて・・
ふたしゃくいめの蕎麦を持ち上げたところで蕎麦猪口の存在に気がついた。ついでにタクアンにも気がついた。
・・これは丼ではデカいだろうからこちらに汁を移しながら食べろということかしら。それとも蕎麦湯を楽しむ時用？よくわからんので今持ち上げている蕎麦はとりあえず、
丼に着水！ドボーン。半分くらいつけて前半に冷たい蕎麦を楽しみ、後半に汁の旨さと温まって香りが高まった蕎麦を楽しむ。鴨せいろって贅沢だねえ。
つるるるとすすってビックリ、すごい鴨パンチだ！なんだなんだ。
こやつか、ネギの仕業か！鴨のアブラで香ばしく焼かれたネギが、汁全体にスパイシーとまで言えちゃう鴨風味を与えてしまうのですね。醤油の当たりは控えめ、鴨とネギの風味が強烈な汁は・・うむ、飲める汁だ。誰だ、車で来てしまったヤツは。
汁にたっぷりとつけて、ネギと合わせても負けない新そばバンザイ。これは個性的というか強烈な鴨せいろだな。この味付けではかつ丼のタレも美味しいだろうね、今度食べよう。
蕎麦湯で鴨の旨味の一滴も残さじ。ああほっこりした、ごちそうさま。
というわけで、今年最後の記事なので年越し蕎麦っぽい話でした。良いお年を。
奥州路 栃木県さくら市鹿子畑845-4