恵比寿駅前、15,000円で希少な日本酒も飲み放題の寿司コース。そりゃ予約困難なワケだ 鮨結う翼(渋谷区・恵比寿駅)

大変お世話になっていた方が亡くなりました。金沢くいだおれツアーや様々な予約困難店に連れていってくれた方です。うまいお店を知っているのはもちろん、一緒に食べてお話するのが大きな楽しみでした。

知人が亡くなってこんな衝撃を受けたのは初めてです。思いを同じくする友人と連絡を取り、ゆかりあるお店で偲ぶ会を行うことになりました。

恵比寿駅から徒歩2分にあります「鮨結う 翼」さん。銀座「鮨結う」さんの元で修行を積んだ若手の職人さんが腕を振るうお店だそうです。で、ゆかりと言うのは?

友人「あの方と二回くらい来たんですよ」

なぬっ、呼ばれてないぞうらやましいけしからん。まあ今日の予約を取ってくれたからヨシ。

本格お寿司コースを手頃なお値段でいただけるということで、大変な予約困難店。ポンっと二人で席が取れたのは、あの方があちら側から手を回してくれたのかもしれません。

お店はエレベーターを出て即カウンターという特殊な造りで待合室のようなものがなく、予約時間5分前〜ちょうどにエレベーターに乗るのがお作法。

予約できたのは17時半開始の部。17時25分頃エレベーターホールに向かうと、ぞろぞろと人が来ましたよ。みんな目的地は同じだね。

12席のL字カウンターは当然のように満席です。四周年の時期だったらしく、記念品のお米をいただきました。

「備蓄米じゃないですからね」とは職人さん。山形の良いお米だそうで、帰ってからいただいたら大変おいしゅうございました。

なんと15,000円のお寿司コースに飲み放題も含まれています。讃岐くらうでぃとかを普通に出してくれる飲み放題が!恵比寿の駅前で!15,000円!そりゃ〜予約も取れないワケですよ。

まずは牛乳で作った峯岡豆腐。大変ミルキーなお味にシルキーな舌ざわり。うまいもんですねえ。

沖縄の糸もずくはシャキシャキっぷりがすごくて気持ちいい。夏にもってこいだ。

三陸ワカメはおかわり自由。しっかり分厚いワカメはもちろんのこと、つけるポン酢がやたらとうまい。

上喜元を頼めばあまり見ないラベル。限定生酒のようですが、これもホーダイに入るの?

青のり入りの卵焼きはごま油が香る逸品。

翡翠ナスの茶碗蒸しは半分くらい食べたら声をかけてくださいとのこと。

声をかけてみると、海苔とご飯の爆弾が投入された!グルグルかき混ぜて飲むように食べれば‥茶碗蒸しの革命だよ!

サワラフライはガリを使ったタルタルソースで。

フカフカぷっぷくしたサワラの身が良いですね〜。衣を噛み破るとフワッと来る香りもたまらん。コレ大好きだ。

そして握りの到来を告げるガリが登場。新生姜のブロックタイプでスッキリ感がすごいぞ。

握りの開始かと思えば、オプションでプラスした白海老とムラサキウニが登場。

富山湾の宝石・白海老。コレを剥いてくれるだけで職人さんは神。

タイラギ磯部焼きなんかも追加できるようでした。

さてお待ちかねの握りモード突入。美しいカスゴダイからスタートです。

秋田の山本 ど辛。普段お酒の甘口辛口は気にしませんが、お寿司の時はシュッとしたお酒、いわゆる辛口が良い気がする。

シンコだ〜!今季はほぼあきらめていたので嬉しい〜!

シンコとしてはギリギリの二枚づけサイズ。五枚六枚といったミニサイズではさすがに風味が足りない気がするので、二〜四枚くらいが好きです。好みドンピシャです。

シマアジはヅケにしたものをカラシでいただく八丈島の島寿司風。これがひじょ〜にうまくてですね、島寿司風握りは他のお店も真似した方がいい。

煮ホタテのほぐし身。ただの貝柱じゃなくて一仕事してあるのですね。

さて、名物にして商標登録済みの「プリン巻き」が出るということで、職人さんをはじめ店員さん一同がにわかに活気付いてまいりました。もしかしてコレ、撮影不可どころか撮らなきゃダメな感じ?

端から順に、ハートを作りながらの手渡しタイムだ〜。うわ〜、こんなパフォーマンス寿司初めてだけど、意外と悪くないかも‥港区女子になった気分で〜すよ。

プリン巻きはその名に恥じぬあん肝の量。キュウリの爽やかさであん肝の旨味が倍増だ。うん、名物にうまいものアリ。

しかしあの方が「痛風じゃない、ご馳走の向こう側なんです」と言い張っていたのは‥こんなものばかり食べていたということか。

三重の銘酒、作まで飲めるんだから恐ろしい。ドリンク持ち込みも歓迎だそうです。このレベルのお酒が飲み放題なんだから、持ち込んでもらった方がお店としても助かるんだろうね。

みなさんカニのほぐし身ですが、ぼくにはマグロ中落ちが登場。上のウニはさきほどのムラサキではなくバフンですって。

海苔は大好きなので海苔ターンが続くのは非常に嬉しい。ついでにウニでプリン体のターンも続いちゃうのは秘密だ。ご馳走の向こう側に突入まったなしだ。

マグロ赤身。夏のホンマグロはボストン産が良い。あ、コレ8月の話です。

ボストン中トロだ〜!握り界の覇者だ〜!

福島のササ正宗。シュッとしながらも味が濃いタイプ。マグロとのタイマンにはもってこい。

そしてオプションメニューのボストン大トロ

赤酢の優しいご飯、香り高いワサビ、トロすぎるトロ!寿司食べてんな〜と実感しちゃうね〜。

今年は豊漁というイワシはごく浅い酢締めで。

フル・オブ・青魚の香り。爽やかな脂に満ち満ちている。やはり旬で豊漁となると超弩級のうまさですよ。コレ5・6個並べてもらえませんかね。

白身の覇者であるアラを煎り酒で。

古めき静かに香る梅が極上白身のうまさを引き立てて、これまたおかわり希望であります。

穴子が出るとお寿司がそろそろ終わってしまう気がしてチトサミシイ。うまいけど。

アラ出汁の味噌汁。お寿司屋さんの汁物はうまくあるべしという法令遵守。

本日使ったネタの余りや切れっぱしを巻き込んだ太巻き、残り物には福があるので福巻きだそうです。

や、これは海鮮バラチラシが凝縮!小さい小さい、固まったかと思うはそれが爆発する!やっぱり残り物は大吉でした!

いや〜うまかった。特にシンコと島寿司と福巻きは悶絶級でした。オプション二つ足しても二万行かなかったし、日本酒好きにとってはお値段以上にも程があるお店ですね。

美味しい物を食べながら笑って思い出話。あの方はこうしてお送りするのが一番、と思う。

鮨結う翼 東京都渋谷区恵比寿南1-4-17 GINZA K2 5F