海なし宇都宮で何度か海鮮の会を行なっております。さて、次回の議題というか食べたいものはなんでしょうか。
友人「ヘビ食べる話を聞いてすごく興味あるけど、そんなお店はあるもんだろーか」
海鮮からずいぶん斜め上にいきましたね。地元グンマにマムシレストランはありますが、宇都宮は知らないなあ・・あ、同じ爬虫類のカメはどうでしょう。前回ハモコースを楽しんだお店、予約すればすっぽんコースを食べることができるみたいですよ。
それがいいそれがいいということで、予約を取ってふたたびやって来たのは宇都宮駅西口の東横インから徒歩数分にあります「味問屋 明日香 宇都宮店」さんです。
お店に入ると圧巻のイケス。
友人「ハモさん今日も元気そうだね。我々に食べられるカメはどこだ」
予約制だからイケスにはいないんじゃないかな。そもそもすでにバラバラでしょう。
前回はイケスが見える個室でしたが、今回は中庭ビューです。掘りごたつ式で楽チンです。
すっぽんコースは10,000円と13,000円の2種類、違いはたぶん品数ではないかと。初カメの友人にたっぷり楽しんでいただくため、13,000円コースでお願いしました。
料理は勝手に出るので飲み物をお願いしましょうか。実はお店のインスタで予習してきまして、秋田の花邑が入荷しているはずです、ください!
友人「やっぱりすっぽんには日本酒なんだ。いただいていいですか?」
四合瓶ですからどうぞどうぞ。
幻とまで言われる希少酒、バンザーイ。
友人「え、甘いというかなんだこの口当たり・・こんなおいしい日本酒初めて飲んだ」
おお、お気に召したならよかった。
最初の品はすっぽんコースの定番、生き血!
友人「これは魔女みがあって良い・・うん、割ってあるから思ったより飲みやすい・・けど、後味はバッチリ鉄だ。血だ」
スタミナうんぬんは体感したことないですが、しあわせホルモン分泌のためのトリプトファンがたっぷりらしいっすよ!吸血鬼は多幸感を求めていた?
これはコース料理についてくる前菜。8月末の来店でしたが、栗に銀杏にともう秋なんだな・・というわけで、すっぽんコースの他に秋らしい一品もお願いしてあります。
前菜の次はお造り。見ただけでおいしいマグロにカツオにタイ、そして右側の物体Xはすっぽんだ!湯通しされた肝やら諸々をニンニクショウガごま油で食す!
友人「と、鳥レバ?」
そうなんです。ヘビやらワニやらも鳥肉感があるので、恐竜も案外トリ味なんじゃないか説を提唱します。ただニシキヘビの大きいヤツとかは噛みきれない勢いだったので、首長竜の首肉なんかは文字通り歯が立たなそう。
ここで登場、単品でお願いしておいた松茸焼き!国産には少々早かったようですが、ご立派なサイズのものを用意していただけました。ふ〜、十分に香るよ、いいよ!
初もの季節もの縁起もの。軽く汗をかいた頃合いにスダチをしぼっていただけば・・まあね、きめ細やかさとか旨味は国産とは違いますが、おめでたいからヨシ!
お次はお椀。これはすぐ分かります、海ガメのスープ・・いや違う、しかし他にこんな豊かで優雅な味を出すものは・・そう、すっぽん!こんなにアブラが浮くのに少しもしつこくない。不思議だ〜、すっぽん!
お次はすっぽんの玉締め。言ってみれば茶碗蒸しですが、タマゴ率激低で、大半がすっぽんのニクとダシで構成されています。
友人「これはすっぽんのおいしさがわかりやすい!花邑が進む!」
お次は焼きすっぽん。ピロピロのエンペラは焼かれるとよくできたモチみたい。おもしろ〜い。
面白すぎて花邑が蒸発してしまった。灘の福寿・純米吟醸を援軍に迎えましょう。
そしてすっぽん料理の本丸にして大本命、まる鍋の開始、開始〜!さまざまな部位と三つ葉・焼きネギ・あさつき・焼き麩といった組み合わせ。
生姜とすっぽん特有の濃厚な香り、優雅で豊かな旨味の極上スープ。ソレを吸い込んだ麩とネギがとんでもないご馳走に早変わり。エンペラのゼラチンがとろける様も楽しい。いや〜、すっぽん鍋ってうまいもんですねえ。
と言っていたら唐揚げまで!出た!カリッカリの衣からジュースのようにとろけだすすっぽん・・!しかし焼きも揚げもポーションがデカいね。元のすっぽんはどんなサイズだったんだ。
品数と大きさに圧倒的満腹感を覚えながら、汗をかきかき鍋の具をさらいます。なぜならば
すっぽん料理の真の主役、雑炊にしてもらわねばならないからだ!雑炊専用の大きな土鍋に引っ越しての登場だ!
友人「知ってる!鍋だけですっぽんの味が出るヤツ!」
そうなのか!純金の鍋と取り替えてくれいっ!
スズ・・とすすったら不思議だ、もう何も入らないと思っていた胃がズンと下がった。あまりのおいしさに身体が覚悟を決めたらしい。
ひとすすりしてお酒、もうひとすすりしてお酒、あれ茶碗がカラだ、おかわりを・・
友人「本当にお腹いっぱいなのにおかわりせずにはいられない・・これがすっぽん・・」
恐ろしいですね。色々ずーっと食べ続けたけど、やっぱり雑炊にみんな持っていかれましたね。さすが日本でも最高の珍味の一つ(談:大原社主)。
最後は水菓子とお茶で。もしかしたら他のデザートだったのかもしれませんが、満腹っぷりを見て変更してくれた可能性もあります。
友人「カメの実力を思い知りました。さらに言えば花邑というお酒で日本酒の実力を思い知った。あれはおいしい」
なるほど、あの手のお酒がお好きですか。しかし幻だからな・・
数日後ネットをちょこちょこ見ていたら、うっかり花邑が手に入ってしまった。。友人、一本差し上げましょうか?
友人「いただきます!ではオススメの中華屋さんがあるんで行きますか!」
というわけで、次回宇都宮探検は中華飲みらしいです。
明日香 宇都宮店 栃木県宇都宮市仲町3-12