
但馬牛ヘレをメインとした特別コースをいただいた、京都のフライ割烹「みくり桑」さん。今度はフライ抜きの特別な「お料理会」を開催するということで、メンバーに入れていただきました。

この冬は何回新幹線に乗ったのやら。
得た知見は、大船軒のサンドウヰッチと国技館やきとりのタッグはうまくて軽くて最高ということですね。どっちも駅弁屋祭で買えます。

烏丸駅と烏丸御池駅のどちらからも徒歩10分くらい、西洞院通沿いの路地にお店があります。歩道にあるこの看板が目印と言うか、コレがなければ到達は困難。看板を見たら迷わず路地の一番奥まで突き進みましょう。
京都の友人二人と待ち合わせ‥あ、一人は遅れる?じゃあお店に入ってしまいましょう。

いつもは無い献立表に特別な雰囲気が漂います。
本日は二階席は使わず、カウンター8席限定。我々三人の他は‥あれ、一人見たことある方がいるような?どこだったかな‥

遅れていた友人も来たので、お食事会開始、開始〜。
まずは京都が誇る変態なお酒、キメラからいただきましょう。三種の麹を使って醸すからキメラ。京都だから鵺なんて名前でもいいかもしれん。

京蕪のブラマンジェとウニ!一品目から飛ばしますね!
水とゼラチンだけでブラマンジェにしたそうですが、本当に?蕪の優しい甘味がプリプリと舌に溶けていく。ウニの旨味が乗ってくるとキメラが非常に恋しくなる。

フライなしって言ったのに、爽やかな揚げ油の香りが‥正体は海老パンだ!
食パンに海老を挟んで、フライ割烹必殺のブレンド油で香ばしく揚げる!なんということでしょう。猛スピードで白ワインが恋しくなるじゃないか。

ホタルイカとタイラギと山菜のサラダ仕立て。
ウルイ・コゴミ・タラの芽・菜の花・タケノコと春爛漫なところに、いしると木の芽味噌という和の風味。オール「和」なはずなのに、すごくフレンチやイタリアンな雰囲気を感じるのはホワイトバルサミコの力でしょうか。海老パンに続いてすごく白ワインが欲しくなるぞ。

ここでお客さんの一人が「このサラダにはこのワインをどうぞ」と提案してくれたのがマキコレワインの一つ、ブルゴーニュ・アリゴテ カトリーヌ・エ・クロード・マレシャル。
なるほどバッチリとマリアージュ!ホタルイカの後に飲むと、紫蘇のように爽やかな後味になるのがおもしろ〜い。
話を聞けば、みくり桑さんにワインを卸しているカーヴの方だそうです。客席側にソムリエがついているようなもんだ。なんて心強いんだ。

京丹波黒鶏の水炊き、天◯一品風。セロリと玉ねぎをこれでもかと煮てジェネリック天一を完成させたとか。
天一を最後に食べたのは十年どころではなく前なので、再現度はちょっとわかりません。でもコレがそっくりだとしたら、非常にこってりとしてうまいラーメンなんでしょうね。人気があるワケだ。黒鶏の味も鶏肉好きとしてはウハウハです。

ここで日本酒に舞い戻り、石川の遊穂。UFOのまち羽咋のお酒だから遊穂(ゆうほ)。よく見ると穂の字のあたりにUFOが。大昔に羽咋出身の人に恋していたので遊穂も大好きであります。

ばっけ味噌、自家製カラスミ、ワサビの花醤油漬けのおつまみ三銃士。なんと遊穂泥棒な三人衆。カラスミとワサビの花なんて大好物どころの話ではありません。

次は鴨ということで、赤いところをいただきましょう。これまたマキコレワインより、レクストレーモ マリオ・トレッリ。色が濃いのに渋味は控えめ、フレッシュでフルーツを感じて日本人向きな気がする。うまいなあ。

鴨だ〜ッ!七谷鴨五香焼!
‥京都の七谷鴨‥あっ、お客さんの中で見たことある気がした方、この七谷鴨の生産者さんではないですか?農場のHPで見た顔です。今は裸眼だけど、HPでは白いメガネでしたよね。
「え?顔見てわかるって、そんなこと言われたの初めてだな〜。白いメガネね?鳥たちの所で落とした時ね、白いと見つけやすいんだ。今もあるよホラ」と、ポケットから取り出してかけてくれました。
本当に生産者の方だった!なんだ今日の客席、食材のプロ集団じゃないか。
そして七谷鴨。仕入れようとHPをチェックしただけあって、鳥類のワクすら超えてきそうな圧倒的旨味。味付けは軽いスパイスだけ、それがいい。焼き加減もまさに頃合いでワインがうめえうめえ。
‥しかし自ら育てた鴨の肉を食べに来るのが楽しみとか、どこかの大南牧場みたいですな‥

京丹波高原ポークのヘレ。本日はカツでなくトンテキです。
甘辛い、なんとなく和を感じるソースとカラシで食べる極上ヘレ。すごい、トンテキだから衣はないはずなのに、素晴らしいヘレカツを食べている気分になる。なんということでしょう、フライなしでもしっかりフライを感じる。これがフライ割烹‥!

シメは新海苔と釜揚げしらすの釜炊きご飯を出汁茶漬けで。なんとまあ、日本人に生まれて良かったお味でしょう。異国よりのスパイを洗い出すのに、コレを食べさせるというのはどうだろうか?涙を堕さない者は、その人必ず異人である。

すっかりお腹いっぱい、しあわせいっぱい。シメのシメになぜか生を一杯いただきましょう。
このフライがない特別な料理会は月一くらいのペースで不定期開催。みくり桑さんのインスタでチェックしなきゃな〜と思っていたらビックリ、お店からお誘いのDMが来たぞ。
というわけで、4月の料理会は25日‥はい、この記事が出る日です。タイマー公開がされた頃、ぼくは心をときめかせながら電車に揺られていると思われます。
みくり桑 京都府京都市中京区西洞院通六角下ル池須町419-6