「金沢辰口温泉 まつさき」さん。夕食に続いて部屋と朝食の話です。
3時からチェックインのところ数分前に着いてしまいましたが、ベルボーイらしい方が快く荷物を運んでくれました。
渡り廊下から見える眺めは一面の蓮。建物に近づくにつれて葉が大きいものになり、いくつか花も咲き始めている。こんなにたくさんの蓮があるということは、吉祥天がいらっしゃる極楽的な場所に近づいているワケだな?オンマカシリエイソワカ。
ロビーに案内していただき、荷物を運んでくれたお兄さんから着物姿の仲居さんに交代します。
部屋付きの仲居さんがお世話してくれる昔ながらのスタイルのようですね。可憐なお嬢さんだからってだらしなく目尻を下げているのは誰ですか?
今回の部屋は本館の半露天風呂付き12.5畳。いわゆる広縁と繋がっているからか、もっと広く感じて一人では十二分。布団がもう敷いてあるのはさすがわかっていらっしゃる。仲居さんが去ったらとりあえずドバーンと寝っ転がること確定。
チェックインというほどでもない、名前だけ書いて手続き終了。ツメシボで汗を拭い、自家製栗蒸し羊羹をいただきながら食事時間の相談をします。
これだよ、これが温泉旅館だよ。最初に全部フロントで済ませるのはなんだか事務的であると思うのは人間が古いのでしょうか。いや、単に加賀屋さんに慣れちゃったからだな。
さて、まだ3時ちょい過ぎだからな。夕食に指定した6時まではたっぷりある。広〜い部屋で何しよう。Switch忘れたからスターデューバレーはできないぞ。
別に悩む必要はない、ここは温泉旅館。風呂だ、風呂に入るのだ!
「大きな浴衣をご用意しておきます」の言葉通り特大が置いてあった。作務衣式の館内着もあるからこっちの方がいいな。いつも自宅では甚平か作務衣なんです。
部屋の冷蔵庫は空ですが、冷水ポットがあるので安心。もちろん気楽に補充を頼むこともできます。
今なら大浴場も空いているだろうけど、せっかく風呂付きの部屋を選んだのだからまずはこっちに入るとしよう。デカい方は明日の朝に早起きして入ればよかろう。
加賀温泉や和倉温泉とは少し泉質が異なるそうです。和倉はこれでもかと入ったけど、加賀温泉って入ったことあったかな‥山代温泉に行った時の宿は温泉じゃなかったんだよな〜。
庭園より湧き出でるというリアル・ゲンセンカン。36.5℃というぬるめの源泉は時期的にほとんど加温していないのか、外の温度とほとんど変わらない感じ。
夏のプールのように感じるほどのぬる〜い湯、そして檜の香り‥こりゃ気持ちいい、出るタイミングがつかめない。日頃のカラスが30分以上どっぷり浸かり、出た頃にはアルカリパワーでお肌スベスベ。いや〜いい湯でした。
その後は夕食。そして夜にもう一回部屋風呂に入り就寝。朝起きて大浴場に‥行かずにまた部屋風呂に入っちゃった。目覚めて30秒で温泉とか、まさにお気楽極楽だねえ。
しかも朝夕と部屋食なので、長風呂を決めた後は部屋で朝食を待てばいいシン・極楽。指定した7時半の3分前に仲居さんが準備を始めてくれました。
素晴らしい、This is it!この上もない旅館の朝メシ。
釜炊きのご飯もスタンバイ。
旅館名物固形燃料は味噌汁に使用される模様です。
サラダに温泉卵にとろろ芋。ご飯と味噌汁とこの辺だけで立派に朝メシとして成立しちゃうんですけどね。
曲げわっぱ風の器を開ければイカの酢の物にしらす、海苔の佃煮。これまたメシの友じゃないか。
お新香に塩昆布が入るのが北陸?海苔の文字を見て泉鏡花ゆかりの宿と知る。帝都物語に出ていた人だよね。最近話題の渋沢栄一もそうだな。
なんと朝からのどぐろ一夜干し!ミニサイズとはいえ、なんと贅沢な話でしょう。うれしくて頭からワリワリ食べちゃう。こうなるとさすがにご飯一杯じゃ済まないな!
固形燃料パワーで熱々になった味噌汁は鶏団子を中心に具沢山この上なし。ナムアミダブツー。
白きプリプリ軍団でシメましょう。
棒ほうじ茶をすすって大満足。ああ、旅館の朝メシはまことにうまい。この後ひと息つきたいところだけど、ランチの予約が長浜とちょっと遠いんだよな‥
8時半すぎにチェックアウト手続きをしていると、女将さんが「お早いお立ちですね」と駐車場まで送ってくれました。
女将さんと仲居さんのお二人がいつまでも手を振っている姿をバックミラーで見ながら次の目的地に向かいます。後ろ髪をひかれるとはこのことか‥ここはまた泊まろうと心に決めたのでした。
金沢辰口温泉 まつさき 石川県能美市辰口町3-1