「今度の日曜はお寿司食べに行くから家にいるんだよ」
唐突に予定を決めてくるのは母じゃないですか。そういえば最近お寿司屋さんで飲むとなったら県外ばかり。たまには地元もイイデスネ。
やって来たのは大泉町坂田、カインズの東でベイシアの南、坂田第一公園の隣と言えば正解か。とにかく少し分かりにくい住宅地にある「照寿司」さんです。
目立たない立地ながらランチ時はいつも混んでいる、まさしく地元に愛される老舗。車社会のグンマだけに、お店から20mくらいの場所に広めの駐車場完備です。本日は飲まないドライバーがいるのがありがたい。
母「ここと幸寿しは本当にお昼は入れないんだよ。悔しいから夜に来た」
なるほどそういうことですか。入店するとお店の右手側のテーブル席に案内していただきました。カウンターでないお寿司も久しぶりな気がする。
母「席しか予約してないから美味しそうなの頼んで」
そこは丸投げなんですね。では刺身盛合せを人数分切ってもらって、母は西京焼が好きだったと思うのでお願いしましょう。
ぼくは魚ではなく貝な気分だな。サザエつぼ焼か地はまぐり焼か・・その手は桑名とまいりましょうか。
あとそうだ、こちらの若女将のインスタをチェックしたら「松茸入荷しました」とあったぞ。初物はいただかなくてはというわけで、土瓶蒸しを願いま〜す。
雨後の月を二合頼んだらかっこいい片口で来た。お通しは自家製胡麻豆腐。たっぷり濃厚で単品で頼みたくなってしまう。
豆腐をつついてお酒をなめていたら登場しました、松茸の土瓶蒸し!お盆前にお目にかかれるなんてありがたいじゃありませんか。
お猪口に注いでいるそばから香る香る。青き蜜柑の酸を滴らせてグイと一杯。
・・鼻に抜ける心地よい香り、舌を包む旨味のエキス。土瓶蒸しとお酒のお猪口を交互に行ったり来たり、しあわせだなあ。
地はまぐり焼のあまりに美味な磯スープは悶絶必至。殻に残った汁だけで一杯飲める。貝うまいよ貝。
土瓶の中は白身にエビカマボコギンナンミツバ、そして思った以上にたっぷりの松茸!最後の一杯でこんなイタズラができちゃう。ひと足先に秋はシメたも同然・・あとサンマか、そっちはちょっと難しそうだな。
海なしグンマに竜宮城が顕現したかのような刺身盛合せ!
中トロコハダタコ子持ち昆布厚焼き玉子シメサバミルガイアカガイカンパチ・・そしてMVPはなんといってもサザエさん!デカい殻にふさわしいゴリゴリマッチョの身は噛めば噛むほどウマくなる!き、肝も食べたい・・つぼ焼も頼むべきだった〜!
土瓶蒸し・焼きハマ・刺し盛りで飲んでいい心持ちです。そろそろ握ってもらいましょうか。
母「じゃあ特上を頼もう」
これからセットですか?九貫と巻物一本って買いてあるけど、そんなに食べる人だったかな。
母「外でお寿司なんて10ヶ月ぶりだからがんばらないと」
10ヶ月・・ああ富山の。あれ以来ですか、そりゃお腹いっぱい食べてください。
ぼくは月に二回くらい食べているバチ当たりなので、お腹と相談して食べたいものだけ頼みましょう。マグロはもちろんとして、好物のいわしかさばあたりもいいね。光り物は二貫からですか。
個人的に流行りのかんぴょう巻も行きたい・・が、ツマミ巻の最高峰のアイツがいるじゃないか。
というわけで整いました。中トロ・赤身・イワシ・とろたく巻!いやはや、やっぱり美しいお寿司を見るとアガりますねえ!
海苔巻き界の万能王者、とろたく巻。前半3つは日本酒のオトモ、後半3つは汁物と合わせてシメの食事にするのだ。
さばかいわしか悩んだ結果、夏に輝くいわしさんにご登場願いました。どうです、光り物の名にふさわしいピカピカ感と分厚い脂は!握りはしっかりめ、味は甘めの酢飯がイワシのパワーをガッチリ受け止めます、
そしてお寿司屋さんだもんな、赤身と中トロは頼まないとな!見た目で美味しさが伝わるのがマグロ…はい、そういうことです。
いわしとまぐろでキューと飲んで、とろたくと赤だしで〆る…パーフェクトっ!
母「うう、美味しいけど苦しい…鉄火巻とか手伝って」
だから言ったじゃありませんか。完璧な絵を描いたはずがちょっと狂ったじゃないの。海苔巻好きだからいいけどさ。
いや〜、久しぶりに来たけどやっぱり美味しいですねこちら。もうちょっと頻度を上げて来たいですね。
母「そうしよう。今度は食べたいものだけ頼むよ」
照寿司 群馬県邑楽郡大泉町坂田7-13-1