牡蠣シーズン到来だ!大井町で牡蠣祭り開催だ!ついでに牡蠣とワイン論争も終結だ! かき殻荘(品川区・大井町駅)

都内に午前9時必着の用事ができてしまいました。

‥が、グンマ民頼みの綱である上野東京ラインは遅延発生率が非常に高い。間に合うかハラハラするのは映画だけでたくさんだから、いっそのこと前乗りしてしまおう。せっかく前日に入るのならば、都内のお店で飲んでしまおう。

品川近くの友人に声をかけたところ、大井町に気になっているお店があるそうです。どれどれ‥あらネット予約できるじゃないか、よしよし。

というわけでやって来たのは、大井町駅より徒歩数分にあります「かき殻荘」さん。暦の上ではNovember、「er」のつく牡蠣シーズンにピッタリじゃありませんか。

となりの「うちのタマ」という居酒屋さんも気になりますね。まさか大昔のそういうグッズがたくさん‥?

席は2階らしい。帰りには転げ落ちるかもしれない急な階段、気をつけよう。

ただでさえ狭めの席には鉄板が置かれ、なんだかテーブルとして使える範囲はすごく限られそう‥なのですが、メニュー表は壁にぶら下がり、座席の下に荷物が置けたりと、しっかり工夫されています。

まずは飲み物ですね。予約時にメニューを見て狙いはつけてあるのです。

ニュージーランドのオイスターベイ ソーヴィニヨンブラン。オイスターのベイですよ。飲んだことないけど、どう考えても牡蠣専用でしょう。

まずはひと口。おお‥おぉお‥なんと華やかな香りでしょう。葡萄のはずなのにグレープフルーツのような風味、鮮烈にして爽快な若々しい味。後味に鉱物っぽい雰囲気も感じて、なるほど牡蠣に合いそうだぞ。

そして食べ物。とりあえず看板メニューの二つは頼まないといけないのでしょう。1kgの蒸し牡蠣本日の生牡蠣を両方ください。

お通しは牡蠣とクリームチーズのブルスケッタ。そんなの食べる前から美味しいに決まっているのですが、いやビックリしましたよ。想像を易々と踏み越える美味しさですよ。なんたる牡蠣風味の詰まりっぷりよ。

さらに驚いたのは、オイスターベイを流しこむとビャーっと旨味が広がる、広がる、広がる。こんなに牡蠣に合うワインってある?シャブリやミュスカデどころか、もしかして日本酒よりすごくない?

生牡蠣3種食べ比べセットの到着です。大きさも色合いもみんなちがってみんなよさそう。

そして先ほどのブルスケッタにはチーズが入っていたからワインに合っても不思議ではない。今度はそのまま、ワインの宿敵である生牡蠣とオイスターベイはどうなんでしょう。

左より兵庫の室津、三重の的矢、北海道の仙鳳趾。

室津の牡蠣は初めてかもしれない。でっかくて濃厚だけど後味はサラっと、コレは危険だ、あればあるだけツルッと行ってしまいそう。

この中では小さめな的矢の牡蠣。形も色合いもおなじみな This is 牡蠣といった風情ですね。ぷっくりとした食感と、小柄な身に詰まった旨味はまさしく牡蠣の代表選手。うま〜い!サンダーボルツが300kmの風に逆らって直送してくれたモノに違いない。

仙鳳趾は室津に負けないほどデカく、さらに特濃な磯の風味。三者の中でも圧倒的、ザッパーンと波濤のような味ですが、生牡蠣が苦手な人はこの辺が苦手なんでしょうね。好きな人間には‥‥ねえ。

いつまでも余韻が消えないところでオイスターベイをキューっと行けば、通常のワインなら生臭みが出るところが摩訶不思議、なんとも爽やかな香りに昇華してしまう。これだ、これがマリアージュだ!生牡蠣とワインがこんなに仲良くなってしまうとは‥牡蠣とワイン論争、ここに終結!

マリアージュが確定したところで、かきグラタンかきのアヒージョを追加しちゃいましょう。あと蒸し牡蠣を作る時に「ホイルもん」を一緒に頼んだ方がいいらしいので、蒸しハマグリも願いま〜す。

店員さんがミニバケツで牡蠣を持ってきて、卓上の鉄板にガラガラと並べてくれます。壮観だ。

フタをして10分間待つのだぞ。

店員さん「できた頃にまた来ますのでさわらないでくださいね」

ほ〜い、飲みながら待ちます。

10分後、ゴム手を軍手に装備変更した店員さんが熱々の牡蠣をバカバカと開いてくれます。慣れたもんですねえ。

デカいのちっさいの、色々な牡蠣が8個。このままでよし、卓上の酒醤油・レモン汁・ポン酢をかけてもよし。

ついでにハマグリも蒸し上がったようです。こちらは少々小ぶりで、アルミホイルに残った汁が一番のお値打ちだったりして。

蒸し牡蠣の大当たり個体に遭遇だ!チラッと酒醤油をたらすと海のミルクどころではない、海水製の旨味爆弾だ!うまーい!

蒸して旨味がアップ、そして香りが大アップ!!牡蠣ってこんなに胸のすく香りがするものなのか。なるほど、これはシャンパン蒸しでは分からない‥

日本酒と醤油で味をつけた蒸し牡蠣なんて、ワインにはすごく分の悪そうな勝負。でもやっぱりすごいよオイスターベイ、磯の風味をマスクするとか洗い流すんじゃなくて、香りと旨味をさらにふくらませてくれるよ。買う、これは買っちゃう。

かきのアヒージョは知っているアヒージョと違う。卵がたくさん入ります。牡蠣とニンニクと油をこれでもかと吸い込んだ卵をバゲットにのせると笑っちゃうくらいうまい。言うまでもなくワインはすっとんでいきます。

かきフライもヒレカツかと思ってしまうバカサイズです。素晴らしい。

卓上にレモン汁も塩もあるけれど、殻にどっさり盛られたタルタルで食べろってことですよね。いくらでも塗りたくれるようスプーンまであるし。

やーー!とタルタルを盛ってシャリっとかじれば、熱々の磯エキスが飛び出すマリン小籠包だよ!うむ、これだけは素直にご飯が欲しい。かきフライって定食で食べるもんだからね。

結局牡蠣を10個は食べたのかな。ほとんどがデカい個体だからお腹いっぱい、海のミルク過剰摂取です。そして素晴らしいワインに出会えた喜び。エウレーカと叫びながら街を走りたい気分だ。

今は牡蠣シーズンまっさかりですが、夏場には岩牡蠣をバンバン出してくれるらしいです。オールシーズン牡蠣パラダイス!また夏に来ます!

かき殻荘 東京都品川区東大井5-4-6