プロレスラーたちのパワーの源、スゴイツヨイ湯豆腐!シェフはUインターの頭脳と呼ばれたあの方だ! ちゃんこの台所(杉並区・高円寺駅)

「スゴイツヨイトウフ」や「ケツバトラー」をリリース、年末は内閣ゲームで大バズりと、2024年度インディーゲーム界のMVPであろう友人と飲むことになりました。

せっかくなら彼のゲームに関連した料理がいいな‥ケツ料理の心当たりはないけど、豆腐なら百珍というくらいだから色々あるよね。本人もゲームのため豆腐マイスターになったらしいし。

豆腐か〜。豆腐トウフ、強い豆腐‥?あっ、都内にスゴイツヨイ豆腐料理があるよ!

あそこに行くなら、以前から一緒に行きたいねと話していた神戸の友人にも声をかけてみるか‥一食だけのためにホントに来るの?さすがだね。

さて当日。場所は高円寺駅北口より500mほど。公園なんかもある、いかにも閑静な住宅街なんですが‥本当にこの辺なのかな?

Googleマップが「着きました」というのでキョロキョロしてみると、飲食店など縁がなさそうなごく普通のビルに小さな看板発見。

このビルの二階で間違いなさそうですね。「プロレス道場の食堂 ちゃんこの台所」さんに到着したようです。

その上にある「CACC スネークピットジャパン」の看板はどうですか。

キャッチアズキャッチキャン、ランカシャースタイルのレスリングを現代に伝える道場でプロレス界伝統のちゃんこを食べることができるという、まさに世界でここだけの黄金体験。

入口も昔の市営住宅みたいなドアなんですが大丈夫なのか‥おおっと、このドアのプレートは!燦然と光輝く「U.W.F.」の文字!脳内に鳴り響くUWFメインテーマ!

ドキドキしながらドアをオープン。靴を脱いでスリッパに履きかえていると、奥から誰か来ましたよ。

昔ビデオで見たそのまんまの顔と声!かつてUインターの頭脳と言われ、現在はここスネークピットジャパンの道場主にしてちゃんこの台所のシェフでもある宮戸優光選手!

ファイプロなんかではひどい扱いですが、ぼく純粋にファンなんです。ソバットの威力とかすごいんだから。今猛烈に感動している!

店内‥と言うかジム内は、ご覧の通りあふれる猪木イズム。写真奥のドアの向こうが道場で、この日は伝統空手だったようです。

宮戸選手「今日はみなさんどちらからいらしたんですか?」

「グンマです」「神奈川です」「栃木です」「神戸です」

宮戸選手「なんと、遠くからありがとうございます!みんな大きいから材料増やすんで、ちょっと待ってくださいね」

そう、メンバー4人のうち3人はデカかった。やはりプロレスラーは大男を見ると食わせたくなってしまうものらしい。

料理は3,000〜4,000円の予算と食べたい鍋を予約時に伝えるシステムです。本日は4,000円コース、メインはもちろん湯豆腐鍋でお願いしました。ソップ炊きとかキムチ鍋なんかもあるみたい。

飲み物はどうしようかな、ソムリエ厳選ワインをいただいてみようかしら。

宮戸選手「うちのワインはアントニオ猪木さんに紹介してもらったソムリエに選んでいただいたものでして、お値段からすると相当おいしいと思いますよ」

出てきたのはポルトガルのキンタ・ド・コーレイヨ ダン ホワイト。切手型のエチケットがかわいいわね。

華やかな香りでスッキリしたテーブルワインといった感じなのですが、この後料理を食べて驚きました、はい。

栃木の友人がビールを頼んだらすごいの来た。ちゃんこの台所名物「どんぶりビール」だ!

宮戸選手「お相撲さんってちゃんこの丼でビール飲むでしょ。それがそのままプロレスにも伝わったんですよね。口当たりがまろいというか、不思議においしいんですよ」

友人「ん〜、飲み口が丸くなる、気がする。でも大瓶が二杯でなくなっちゃうような?」

なんとも豪快で素晴らしい。しかしワインもビールもいちいちエピソードがあって面白いなあ。

料理の先鋒はカツオのタタキ。ドサーっと薬味が降りかかってやはり豪快だ。

ひと切れいただくと‥な、なんておいしいんだ。ごく普通のカツオなんですけど、ポン酢とたっぷりの薬味のパワーで超絶倫ベラボーなうまさです。

そして白ワインなんてカツオにもポン酢にも分が悪そうなお酒を飲むと‥なななな、なんておいしいんだ。カツオもワインも倍うまくなる、とんでもないマリアージュ‥そんなことある?

‥そうか、ワインと魚が当たり前のポルトガルワインはこんな時こそ力を発揮するのか!アントニオソムリエすごい!

続いては蒸し鶏。ネギソースとパクチーでしっとり胸肉が無限にイケそう。アスリートっぽい料理を道場でいただく。う〜む、みるみる筋繊維が太くなっていくようだ。

宮戸選手「メインの湯豆腐鍋です。力道山の時代からプロレス界にずっと伝わっているちゃんこです。もう食べられる状態ですのでどうぞ」

うわ〜、思えばコロナ騒ぎの時から数年越しの夢であった宮戸選手のちゃんこ!力道山から続くプロレス界伝統のちゃんこ!馬場さんもアントンも佐山先生も藤原も高田も、もしかしたらカールゴッチまでもが食べたかもしれないちゃんこ!

秘伝のタレ、卵黄をメインに鰹節や醤油や青のりを使ったものらしいですが、そこに具材を投入。いただきま〜す!

これはすごい、すごくて‥すごい!こんなうまい湯豆腐がある?濃厚で絡みが良いタレと鍋のスープのパワーで、ただの豆腐がスゴイウマイトウフに昇華してしまう!

友人「シイタケが人生で一番シャキシャキなんですけどコレは」

豆腐マイスターがいきなりシイタケを取り上げてどうする!

でも確かにすごいシャッキシャキ。他の野菜も歯ごたえがすごいよね。ニラもキャベツもシャッキリと食べ頃で、火を通すタイミングが完璧ということだ。味付けと火加減による鍋料理の極致。こんなちゃんこを食べていたら北尾がプロレス界に来ることもなかったかもしれん。

宮戸選手「こちらのエビマヨは周富徳先生に教わった味付けです」

なんと、日本でエビマヨをメジャーにした周大人の直伝ですか!レスリングは人間風車のビルロビンソン氏、料理は周大人の直伝とは‥とんでもない二刀流もあったものです。

湯豆腐と言いつつ、底の方には鳥ダンゴや大根もゴロゴロと。野菜と高タンパク食材をたっぷり摂取できるスーパーアスリート鍋です。猛練習の後にこんなちゃんこを身体が大きくなるほど食べる‥そりゃ筋金が入った肉体になりますよね!

実際この後にフリーのプロレスラーである鈴川真一選手が同じ湯豆腐ちゃんこを食べたようです。お手洗いに行った時すれ違いまして、ものすごく体育会な挨拶をしていただきました。

鍋をつついていると油淋鶏風鳥唐揚げまで登場しました。これまた揚げ加減とタレの味が抜群で、どんぶり飯をかきこみたくなる。

こちらはアスリート食というよりは若手レスラーやお相撲さん御用達の雰囲気。しかしうまいな、この唐揚げの定食を毎週くらいの頻度で食べたいよ‥

湯豆腐の具をすっかりさらうと、シメの雑炊を作ってくれました。やけに白いんですが‥もしかして秘伝のタレが卵黄だから、その残り?タンパク質は逃さないということですね。

鍋の出汁が抜群なので雑炊も当然うま〜い!

湯豆腐がちゃんこ鍋になるのかな‥なんて1秒でも考えてしまって申し訳ありません。素晴らしい味、素晴らしいボリューム。プロレスラーの強さの源を垣間見させていただきました。豆腐マイスターの友人も大いに喜んでくれたようです。

ビタミンも忘れまいぞとばかりにオレンジまで切ってくれてごちそうさま‥あっ、宮戸選手のご著書に署名をいただこうと思っていたのに持ってくるの忘れた。

しかしこのコース内容で4,000円はサービス価格にもほどがありますね。ソップ炊きの鍋もとんでもなく美味しいに決まっているのに、同じお値段でしょう?絶対再訪しなくては。

帰ってから記憶をたどって秘伝のタレを作ってみたところ、悪くはないけどやっぱりなんだか違いました。卵黄を煮詰める加減にコツがあるのかな。

同じワインも取り寄せまして、こっちはちゃんと美味しかったので我が家定番の白となりそうです。取り寄せてわかったのですが、お店で出す値段じゃない。鍋もお酒も安すぎだ。

プロレス界伝統の味 ちゃんこの台所 東京都杉並区高円寺北2-15-1 金田ビル 2F CACCスネークピットジャパン内