ガスエビに万寿貝、そしてもちろんノドグロ!静謐なカウンターで金沢ならではの肴とお寿司を 鮨 志の助(金沢市入江)

金沢うまいもの導師・O尚さんによる金沢くいだおれツアー二日目。お昼は小松で独創的かつ楽しく美味しい究極のメニューをいただきました。

そして夕食は‥ホテルに戻ったのは5時すぎというのに、7時ちょっと前にお店の前に集合というリアルくいだおれスケジュール‥ほら、ちょっと寝っころがっていたら出発時間になっちゃったよ!全くお腹が空く気配がないけど‥どどどどど〜すんの?

いやモノは考えようだ。行くのは確かお寿司さん。O尚さんが選んだなら、きっとカウンターのおまかせ寿司。つまり皿を取らなくてもお寿司が出てくる。お寿司を見たら自動的に食べてしまうのが人間というもの、案外スルスル行けるかもしれん。

覚悟は決まった、近くのホテルに宿泊の2名とタクシーでお店に向かいましょう。

やって来たのは金沢の繁華街から離れた‥どこだここは、思い切り郊外だ。とにかく香林坊から西の方に向かって10分ほどにあります「鮨 志の助」さんです。O尚さん情報によりますと、金沢で最も有名なお寿司屋さんで修行された方のお店ということです。

あ、昼のタクシー代は出してもらっちゃったので、ここはわたくしめが支払いますよ。まかせてください。(昼→小松まで12,000円・夜→スグソコ1,200円。助かりました)

カウンターのみの店内は清潔で静謐。なんだか背筋がピンと伸びるようだ。メニューは昼夜ともにおまかせコースのみということで、飲み物だけ注文するとしましょう。

お酒は燗なら黒帯、冷酒は黒龍や天狗舞。北陸のものを厳選しているようです。好物の天狗舞をとりあえず二合お願いしました。うわ〜い、九谷焼の冷酒グラスだ。

まずはカスゴのポン酢。若い魚らしい爽やかな風味とポン酢のスッキリした酸味で胃がググッと下がった、気がする。食欲の再点火完了!

この鉢素敵だね。ほしい。

ここでみなさんにはケガニのミニちらしみたいな華やかなお皿が出たようですが、カニ抜きでお願いしたぼくにはホタルイカが出ました。豊漁だそうじゃないかホタルくん。やっぱり本場の北陸で食べると気分が盛り上がりますね。

友人「カニ綺麗!おいしい!」

ぐわ〜なんということだ。うまいのは知っているだけに血涙。

万寿貝のバター炒め。はじめましての万寿貝。シャッキシャキな食感はまるでエリンギを食べているかのよう。でも風味はしっかり貝で、バターの風味がバッチリ合って、早い話がとんでもなくうまい。コレだけで飲み続ける自信がある。

生姜用の醤油とワサビ用の醤油、そして塩が置かれてお造りが登場。アラの昆布締めガスエビです。

北陸の高級白身といえばのアラじゃないか!昆布でさらに身が締まり味が凝縮して、塩で食べると天狗舞が蒸発しちゃうじゃないか。

カニNGを伝えると高確で代打となるので、実はエビにはちょっとうるさい‥はずですが、参りました。素晴らしいむっちり感、とんでもない甘味。これがボタンエビと共に名高いガスエビか‥金沢まで来てよかった!

ウニだ〜!しかも板盛りではない極上モノ!そのままで、醤油や塩で、海苔で巻いて、お好きなように。お寿司屋さんの海苔はまことにうまい。

いよいよ握りが始まるのでガリが置かれます。しかしそれはガリと呼ぶにはあまりにも大きすぎた。それはまさに生姜だった。

見た目は豪快、味は繊細。単体でツマミになるレベルでおいしい。

初手、ノドグロ!いきなり北陸のロイヤル帝王!炙りのようなそうでもないような、ごくわずかな火入れで香りが立って、脂がほとばしって、身はギュギュっと旨味が詰まって‥ぼくは今‥金沢でお寿司を食べているのだなあ‥

ヤリイカ出ました!イカ大好きという友人の方角から変な声が聞こえたぞ。

どれどれと食べると‥むわ〜!こりゃ変な声も出るわ。ヤリイカらしいさっぱりした味に煮切りと赤酢のご飯が映える映える。イカ刺しでは味わえない、握りだからこそのうまさ。

お次はホンマグロ赤身の漬け

こちらのご飯は粒を感じるほどの固さが特徴的。漬けのネットリした食感とコメの粒々が面白い絡み方をするなあ。

そして赤酢のキリッとした酸味がお酒の甘味を綺麗に洗い流して、次の一杯がまたうまくなる。困る。

日本海側に来たらぜひお手合わせ願いたいのがアマエビ。小さめご飯にエビも卵もどっさり。なんと贅沢な。

クセのない青魚といえばのサヨリ先生。白身と青魚のナイスハイブリッド、おまけに見た目も美しい。味も食感もしっかりしたご飯なので、青い魚がよく似合う気がする。

トロ炙りだ!しかもバーナーではなく炭火なの?ちょっとスモーキーな風味からの、文字通りとろける脂が固めのご飯を包み込んで‥これは昇天。

バイ貝は噛んでも噛んでもシャキシャキと爽快な音がするぞ。活きが良いとかいうレベルじゃない。

アジだ!青魚バンザーイ。胸のすくような香りで春を通り越して夏だ!いや〜、こんな清々しいアジもいるのだな。やっぱりスッキリ酢飯のパワーかしら。

トロのブロックを包丁で叩いた、いかにも贅沢なネギトロは軽く手巻きしてからさらに掌上でギュッと握り込みます。O尚さんいわく、石川の有名店式の巻き方らしい。

ネギもトロもたっぷりで海苔は香り高い。おまけに巻き簀よりほぐれが良く、トロとご飯が絡み合うことこの上なし。お腹が空いていたら5・6本巻いてくださいとか言ってしまいそう。お寿司屋さんの海苔はまことにうまい。

ノドグロのあら汁って、あら汁と呼んでいいのかしら。ほは〜思わずため息がもれる。炙っても出汁にしてもデキる子だな、ノドグロ。

熱々で香ばしいことこの上ないうなキュウ巻き。手の上ギュギュッと巻き、面白くておいしいですね。手巻き以上巻き簀未満の加減がすごく難しいんだろうな〜。お寿司屋さんの海苔はまことにうまい。

店主さん「以上でひと通りとなりますが、お腹に余裕があれば何かいかがですか?」

あっ、コース終了でしたか。満腹だとか言ってしっかり完走。美味しいお寿司ってすごい!‥ネギトロをもう一本お願いしたいけど、さすがにあのボリュームある手巻きは入らないかな‥

友人「イカくださ〜い」

イカ好きの友人は元気だなあ。ぼくも握りなら1つくらい‥コース以外のモノってありますか?

店主さん「お出ししていない中ではそうですね、ハマグリと‥」

ハマグリ!大好物じゃありませんか。たぶん甘いツメが塗ってあるだろうからデザート判定、別腹です。握ってください。

というわけで、春の代表選手ハマグリは生の食感と煮ハマの旨味が見事な調和。万寿貝とハマグリをズラリと並べて飲みてえ〜!そしてノドグロとネギトロで締めたら死んでしまうかもしれん、幸せの過剰摂取で。

お会計は3マンを覚悟していたのですが、25,000円程度でした。カニ分を引いてくれたのかな?このコースにお酒を足してそんなもんで済んでしまうのか‥よく銀座なら○マンとか言いますが、このクオリティで3万を切ることはありえないでしょう。金沢すごいぜ。

一時はどうなることかと思いましたが、楽しく美味しくいただけましたね。さて、宿に戻って恵命我神散でも飲んで寝るかな。

O尚「それでは二次会を予約してあるので‥そしてタクシーがつかまらないそうなので、3キロくらいだから腹ごなしに歩いて行きましょうか」

ナヌっ、さらに二次会へ‥?しかし昼から一番満腹を訴えていたO尚さんがあえて言い出すということは、何かすごい隠し玉があるのでしょう。よし、ご馳走と満腹の向こう側まで行っちゃいますかーッ!

あ〜あ〜あ、ああああ、痛風〜いっちょくせん〜。

鮨 志の助 石川県金沢市入江3-73

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