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言葉のアヤかその場の勢いか、理由はよくわからないけど都内の友人に寿司をおごるハメになってしまいました。
翌朝新幹線に乗るから東京駅近くのお店にしよう。東京駅近くのお寿司・・銀座?やだ怖い。あっ、日本橋に創業明治22年という老舗も老舗な江戸前寿司のお店があるぞ。ここにしよう。
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やって来たのは三越本店のちょっと東、日本橋にもほどがある立地の「蛇の市 本店」さん。不思議な名前は初代が「蛇の目鮨の市太郎さん」だったところから、志賀直哉氏が名付けたそうです。
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好みの寿司をホイホイ食べられては心臓に悪いので、コースでお願いしておきました。松コース13,200円、日本橋ど真ん中としては良心的な価格な気がします。たぶん。
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9席くらいあるカウンターの一番奥に案内していただきました。個室やテーブルもあるのかな?お店の規模はよくわからないけど、職人さんが4人いるからそこそこ大きいのだろうな。
まずは飲み物ですね。奥播磨に鳳凰美田に鍋島に新政に悦凱陣!どれも飲みたい!まずは鍋島 サマームーンを願いま〜す。
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本日オススメのネタが手元にあるのがいいですね。コースといえども追加したい時とかあるからね。あれ、今日って7月14日でしょ?そして江戸前のお店・・もしかしてアレがあるのでは・・
あの〜、こはだってありますけど新子もあったりします?
職人さん「はい、ありますよ!」
うわ〜い、聞いてみるもんだオブザイヤー確定!ではコースのどこかに入れてください!
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お酒と一緒にたっぷりの和らぎ水。良店確定ランプがペカッたぞ。
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お新香うまい。山ごぼうだけで飲み続けられる。寿司も食べるけど。
職人さん「一名様カニが苦手とうかがっておりますが、他にアレルギーとか苦手なものはありますか?エビとか大丈夫でしょうか」
再確認は嬉しいですね。はい、カニ以外ならエビでもシャコでもなんでもこいです。
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そして美しい前菜盛り合わせの登場。自家製かまぼこ・筋子粕漬け・シャコ・タコ・ホタテ・甘エビとサカナ以外、海物語で言えば確変メンバー勢揃い。
ふわふわと楽しい自家製かまぼこと筋子を一緒に食べると禁断のツマミと化してしまう、危険だ。シャコやホタテのタレもやたらウマいね。
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三陸わかめと海ぶどうはポン酢をつけながら。そうか、海ぶどう1・2本だけ箸でつまんで食べるとなんかみみっちい感じがしたけど、ワカメと一緒にたっぷりとつまめば諸々解決するのだな。これはマネしよう。
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刺身は右から真鯛・カツオ・シメサバ・ミルガイ・赤貝ヒモ。醤油とたっぷりのワサビが別皿で来て、さらに玉ねぎおろしが入った醤油の小皿も出ます。
職人さん「玉ねぎが入った醤油はカツオにどうぞ。でも他のものに使ってもおいしいですよ」
なんと。では赤貝ヒモを玉ねぎ醤油で・・は〜、磯の香りと玉ねぎの辛味が良いタイマンですね!カツオにはもちろんバッチリだし!真鯛とワサビの王道コンビはいつでも最高。シメサバはそのままでも美味しい素晴らしい〆加減。でも好物のワサビをたっぷりのせちゃう。
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出汁茶碗蒸しという名で出てきた茶碗蒸しはその名の通りしっかりと出汁が効いております。ほぼお吸い物です。
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アナゴの白焼きにもたっぷりとワサビがついてきて嬉しい。お寿司屋さんに来る目的の3割くらいはワサビのためかもしれない。
このお店のすぐ近くにある焼き鳥屋さんでもササミのさび焼は必ず頼みます。
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握りタイムが来たようで、どっさり盛られたガリとおしぼりが登場です。つまんだ指をそのまま拭くことができるおしぼりの形状、イイデスネ。
ガリは甘味ゼロ、しっかり辛くてしっかり酸っぱい硬派なお味でまさしく生姜!寿司の合間のさっぱり要員として完璧な仕事をしてくれそう。
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工芸品のようなヒラメ昆布締めでスタート。すごい、ご飯がビックリするほど甘くない。赤酢と塩だけのまさしく酢飯!もっとも赤酢だからでしょうか、酸味そのものは穏やかで、白身の淡白な味をしっかり支えてくれます。なるほど、これが誠の江戸前でござるか。
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シロイカの豊かな甘味としっかりした酢飯の組み合わせはニヤニヤしちゃうじゃないか。鳳凰美田くださ〜い。
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動画で撮りたかったイシカゲ貝。置かれたと同時ににょい〜んと動くんですよ。ヴィジュアルはなんとなくセンシティブ、味も繊細。アサリやハマグリのような旨味とホタテの甘味を兼ね備える、夏だけのお宝です。
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郡上八幡の職人謹製の食品サンプルのようですが、本物のホンマグロ赤身です。鼻の奥に涼風が吹き抜けるような清々しい香り、うまい ホンマグロ うまい。
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脂がたっぷり乗っているのに香りは涼やか、それがホンマグロ中トロ。スカッとしたシャリと合わせて最高の一貫ですね。柏手必至!
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出た〜!江戸前の真骨頂、マグロの漬け!マグロ三色同順とは親ッパネまで確定じゃないの。
湯引きしたサクごと煮切りに漬けたリアル・漬け!あまりの美しさ、歯ざわりの優しさ、味の染み込みを目の当たりにして、杯にニューと手がのびるのは仕方ない。漬けのせいです、ぼくわるくない。
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鮮やかなクルマエビを見て落ち着くんだ。いや落ち着くかこんなもん。よっぽど気分がアガってしまうわ。
そして職人さんの手を見ると・・あっ、アレを握っている!もうダメかもしれん。
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夏の一瞬だけのお楽しみ、新子!やっとみんな会えたね〜と歌ってしまうわよ。ちょっと早めだけに4枚付けサイズでの登場です。
ごく薄い身と皮をプツンと噛み切ると、光り物特有の香りがほんのわずかに広がり・・淡くてなんと儚い香りを追いかけて思わず目を閉じてしまう・・初めて食べたという友人も目を白黒させて喜んでいるようです。
ああウマい、今年はあと一回くらい食べられるだろうか・・年に一回こっきりだから良いという説もありますけどね。
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ムラサキウニはミョウバンのミの字もないほどトロトロで剥きたてのせたて。
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初代の屋台の時代から継ぎ足しというツメがかかった煮アナゴは威厳すら漂っています。
濃い!けど甘くない、後味スッキリ!これが江戸前の穴子の真実か!友人も大変気に入ったようで良かった。
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お寿司のラストはかんぴょう巻。ご飯が甘くないからかんぴょうの味が引き立たつね。
職人さん「後はお椀と甘いものになりますが、お腹の方はいかがですか?」
少し入りそうなので新子を追加・・といきたいですが、それでは余韻も何もあったもんじゃないからな。とろたく巻一本を2人で分けていいですかね。
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トロとたくあんを海苔で巻く!どの方向に転んでもメシの友じゃないかバンザーイ。そしてメシで飲めるのが巻物の罠。ツマミとしては握りより優秀な気がして最近巻物飲みに目覚めました。
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とろたくの後半で焼酎ロックをいただき、赤出汁で締める・・すばらしい、完璧な寿司コースを楽しんでしまった。
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おっと、本当の締めは塩アイスとお茶でしたね。蛇の字も勇ましい湯呑み、欲しい。
新子ととろたくを追加して、友人は飲まなかったけどぼくが2・3人前飲んで、結局二人で4万でした。立地と内容からすると驚くほど良心的じゃありませんか。場所柄かビジネスマン風の方が多く、満席近いのに騒がしいこともないのもいいところ。池袋や歌舞伎町に慣れているので新鮮だ。
東横イン八重洲北口から余裕で徒歩圏内なので、新幹線前乗りの時にこっそり一人で寄ってしまおうかとほくそ笑んだのでした。
蛇の市 本店 東京都中央区日本橋室町1-12-10 J1ビル 1F