それは10月末のこと。
「あ、今日はいた。大谷資料館に連れて行くと言っておいて、全く群馬にいないじゃない!ほらほら行くよ!車用意して!」
なんですか母よ…たまには群馬でゆっくり…しちゃダメなの?連れて行くなんていつ言ったかなぁ‥
というわけで大谷資料館に来ました。何度来てもかっこいい。
母「こんないい所、なんで今まで連れてこなかったの!」
今日来たからいいじゃないですか…
母「思っていたよりずっと広いから結構歩くね。おなかすいた」
はいはい、なにがよろしいでしょ。
母「おそば屋さん。おいしいとこ」
難しいことをさらっと言うなあ…えーと、宇都宮のそば屋…そうだ、以前から気になっているお店があるので行ってみましょう。
大谷資料館から車で約15分、宇都宮市若草というところにあります「岩清水 関所庵」さんに到着、到着〜。
母「これでおそば屋さんなの?」
うーん、そうなんですかね?なんか自信なくなった。
あっ、でもほら、「寒ざらしそば」って看板がある。そば屋確定演出!
隣の囲碁センターさんと共用なのか、やたらと広い駐車場がありがたい。
カウンター数席に4人がけのテーブル席が3卓、奥に座敷があるのかな?開店間もない時間で先客はゼロ。テーブル席に案内してもらいます。
えーと、メニューは…好物のかも汁!といきたいけど、極太の田舎そばってちょっと気になるわね。
母「私は天ざる」
いつでもどこでもそうですね。
表にあった寒ざらしそばは…ああ、壁メニューにあった。寒ざらしって、確か甘くてプリプリした将軍献上用のそばですよね。
…やや、「新そば」という神々しい文字が…!新そばなら十割でも食べてみたいじゃないの。寒ざらしそばと十割そばの食べ比べなんてゼイタクなメニューがある!お願いしましょう。
熱いそば茶がうまい季節になりました。そして一緒に漬物が。漬物がついてくるそば屋さんは大概おいしいの法則があるので、これは期待大。
店員さん「おまたせしましたー」
きゃー!見た目でわかる美味しいそば!
店員さん「こっちが寒ざらしでこっちが十割ね」
なるほど、手前の星が多いのが十割で、奥の透明感ある方が寒ざらし…おや、もう1ブロックあるような。
店員さん「それは普通のおそばね!せっかくだから味見してみて!」
まあ、なんと三種盛にグレードアップ!きゃっほーい。
薬味はワサビと量多めのネギ。なぜか知りませんがポテトサラダもあります。煮物がついてくるそば屋さんは多いけど、ポテサラは珍しい。
大盛りコールをした覚えはないのですが、なかなかモリモリな量のそば。しかしこの美しさ、もてあますことはないでしょう…
むざと箸を突き入れて…
とりあえずそばだけズズッと。あらやだー、十割の新そばにしても素晴らしすぎるそばの香り!しかものどごしまでいいぞっ!こんな十割反則だっ!
お次はつゆをつけてズルズル。そばもつゆもバッチリ冷たいのがうれしい。カツオ香る出汁も濃厚、返しも濃厚。宇都宮で江戸のようなつゆに出会った!
寒ざらしは当たり前ですがそばの風味は弱め、でもはじけるようなもっちり感が楽しい。
母「普通のおそばもすごくおいしいよ」
そば好きの母も大喜びのようです。
天ざるの天ぷらはマイタケ・エビ・インゲンっぽいサヤ付き豆・カボチャ・かき揚げ。
母「エビとマイタケ食べて」
なんでこの人は天ぷら界の二大スターを食べないのに、必ず天ざるを頼むんだろう…あとでいただきましたが、さっくり軽い衣でおいしかったです。
そばの合間に食べるポテサラも乙なもの…マヨ感とポコ感のバランスがちょうどいい、手作り感あふれて非常に好みのタイプ。
三種のそばとポテサラでお腹いっぱい。もちろん最後はつゆにネギを入れて、そば湯でほっこり…ふあぁ、満足じゃ。
母「ここはおいしいね。また来よう」
軽く言いますけどね、ここは宇都宮ですよ?我々は群馬県民ですよ?なんだかんだ1時間かかるんですよ?
母「あんたいつも京都とか名古屋は近いって言ってるじゃない」
そんなこと言っておりましたか?おかしいなあ…わかりましたよ、田舎そばも食べたいし‥
岩清水 関所庵 栃木県宇都宮市若草2-3-41