鯉の吉野打ち椀から活き伊勢エビのライブ石蒸し!日本酒を最高に楽しむための京都シン・和食といえば 佳肴 岡もと(東山区・清水五条駅)

神戸で仮面ライダーを観て感想戦を行って、その後に一路向かうは京都です。大丸で阿闍梨餅を買って東横インで寝っ転がって夕食の時間を待ちましょう。

某駅前で友人と待ち合わせて、タクシーに「馬町交差点をちょっと東に入ってください」と伝えれば、いつもの「佳肴 岡もと」さんに到着、到着〜。

ノレンを潜ると一番乗り。大将の目の前に席に案内されます。

大将「いや〜まいりました、今日はなんと2組だけなんですよ」

あらら、人気店でもそんなことあるんですね。なんて言っていたらインバウンドなご夫婦がご来店。もうひと組は異人さんでしたか。

なんと日本語は一切ダメ、英語なら少し分かる程度ということで、こりゃ料理の説明が大変だろうな〜。しかしどうやって予約したんだろ?

毎度説明しておりますが、カウンター8席・おまかせコースたぶん15,000円くらいのみ・完全予約制。土日は18時、平日は19時スタートが暗黙の了解ですが、30分くらいのズレならうまいこと調整してくれます

はい、とりあえず日本酒願います!

大将「今日は最初の一杯に飲んでほしいのがあるんですよね」

ドンと置かれたのは長野の真澄で有名な宮坂醸造さんのMIYASAKA CORE純米吟醸生原酒

フレッシュでガス感バリバリでフルーティーでアルコール度数低め、つまりいつも飲んでいるお酒と180度くらい方向が違うけど、一杯めにはたまらんですね〜、胃が飛び起きた!

まずは温かいもので、新潟の雪下にんじんのすりながし。下層は茶碗蒸しなので混ぜながらどうぞ、ですって。

甘さがぎっしり詰まった雪下にんじんはお馬さんまっしぐら。出汁と玉子は優しさ含有率50%超。滋味以外の言葉が見つからないな〜。

友人「ここの最初のお料理はいつも永遠に食べられる・・でも食べるとなくなる・・」

蒸し鮑と大原野の白タケノコにワカメとソラマメ。大野原のタケノコって噂には聞いていたけど初めてだ。言ってもタケノコでしょ?掘り立てなら言うほど差があるワケ・・あった、ありすぎた。タケノコのはずなのに繊維を感じない。タケなのに生のヤングコーンのように甘い。タケノコの概念ががが。

鮑とワカメの磯の香り、タケノコとソラマメで春の野の香り、なんてお皿でしょう。お隣の外人さんにはほぼ未知の食材かもしれん。良いお店に来ましたね。

お椀は霞ヶ浦の鯉の吉野打ち。梅肉とゆずの花が風味を添えます。

・・ああ、コレはいけない。今までこちらでいただいたお椀で一番好きかも。こんなに旨味としっとり感に満ちた鯉って存在したの?ホイホイ佐久まで買い付けに行く程度には鯉好きですが、心の中の鯉料理チャンピオンは決まりました。

iPadで鯉の画像を見せられながら「カープ!カープ、エンド、プラム」と説明されたお隣さん、食べたら喜んで親指を立てています。ベートーヴェンとか鯉が好物だったらしいから、その辺の日本人より川魚への抵抗が少ないのかしら・・いや、どこの国の方かは知らんけど。

力強い川魚をいただいたので、力強くてなんとなく川っぽいお酒・・讃岐の川鶴 限定直汲み純米無濾過生原酒!お酒は純米やら何やら能書きの文字が増えるほどパワフルでウマいということで、13文字も追加になったこちらの濃さと生らしいフレッシュ感と来たら。買って帰りたい。

お造りは寝かせた明石の桜ダイにタイの白子と花山椒をたっぷりと。コリコリばかりがタイの刺身ではない、熟成した旨味と白子の旨味と・・えへへ、川鶴がいっぺんで終わってしまうね。

しかし昨日も明石のタイの白子をいただいたんだよな・・2日連続でタイの白子に出会うことってある?

川鶴がウマかったので四国のお酒を続けましょう。ANA国際線のファーストクラスでお目にかかれるらしい、愛媛の石鎚 純米大吟醸。大吟醸を謳いつつ吟醸香が騒がしくない、まさに肴と合わせる食中酒。上品だなあ。

ここより佳肴の数珠つなぎ連チャン、八寸の開始です。まずはおなじみ鰯の辛煮。5時間かけて作られる鰯は骨までご馳走。穏やかな酸味で胃の再始動を促してくれます。

桑名のハマグリのスープに炭火トースト!なにそれ!

左手にパンを持ってスープをひとすすり・・うむ、ハマグリ〜。そこでパンをザクっと。なるほど、これは新体験、おもしろ〜い。

パンが半分ほどになったところでスープにドボン。ワハハ、うまい、うますぎる。最初に見た時は食べ物で遊ぶんじゃありません!と思ったけれど、本気と全力で遊ぶと新しい美味しさが産まれるのね〜。

ホタルイカとドライトマトのカダイフ包み!いや〜、今月のメニューは攻めますねえ。驚きすぎて飛び出した目玉が戻らない。

大将「これはキレイに食べるの無理なんで、盛大に下に散らしちゃってください」

なるほど、ボロボロと砕けますね。しかしその砕ける時のザックザクとバフっと出る空気が気持ちいいんだな。さらに飛び出すイカとトマトの旨味軍団。面白くて美味しいなんて最高じゃないか。

フキ味噌と黄ニラの和え物はチョビチョビなめて、ゆっくりお酒をひっかけたい逸品。

大将「あ〜ちょっとちょっと、さっきのカダイフはこぼしてって言ったけど、こぼしすぎじゃない?置くとこないよ?」

ワハハ、友人が怒られている。1年以上通って、友人はそういったポジションになった模様です。

この辺でパワーのある・・生酛とかそういったお酒とか雑にお願いしたところ、兵庫の竹泉 きもと純米 幸の鳥が出てきました。

吟醸香みたいな軟弱な香りはナシ、コメの旨味を真正面から味わうためのお酒のようで。コメといったらフキ味噌にバッチリなワケで。いやこりゃウマい、神戸行った時にでも探してみよう。

そろそろ焼き物が出そうなターンですが、なんだかエビラもビックリの巨大伊勢エビを取り出したんですが・・いやデカいな!

(友人撮影)

大将「1キロ超えですね。え〜と、ライブ、ビッグロブスター!」

おとなりの異人さんもデカさに大喜びです。このエビラさんをどうしてくれるんですか?

ベキベキっと瞬く間にバラして身とミソを取り出す手際たるや。さすがだなあ。

そして友人がカメラを向けるとこの笑顔。岡もとさん最高か。

ミソを掘られてもワキワキ動くエビくん。すまんな、美味しくいただくからな。

身の方は焙烙に焼き石を並べてブッシューと蒸し焼き!キロ超えの活き伊勢エビを目の前で石焼きなんて贅沢な話がある?

伊勢海老蒸し(石)焼きのエビミソソース!巨大なエビのウマいとこだけなんて罰当たりどころの話じゃないぞ。身は全盛期のマッチョドラゴンばりにパッツパツだし、掘り立てミソは澄み切った切れる旨味だし、ああもう大変。

ウマさの暴風が吹き荒れたところでお食事モード突入。おなじみ鯖寿司はスグキや紫蘇でたっぷり脂が乗った鯖を爽やかに。

大将「ここでいつもなら芋なんでしょうが、今日はこんなのがあるんですよ」

十年古酒?泡盛かなんかですか・・あれ、新潟の石本酒造ってことは越乃寒梅か!越乃寒梅を乙焼酎にして十年寝かせた?そんな不思議なお酒、飲みます!

アルコール43度でガツンと来るはずが、まろやか〜。思わずもう一丁いってしまう。水面がゆっくり動くほどのトロみも舌に心地よく、こりゃウマい。越乃寒梅本体より好きかもしれん。

おなじみシャポーン地鶏のコンソメ・玄米麺とフカヒレ入り。お隣さんへの説明はチキンコンソメ・ライスヌードル・シャークスフィンでした。フカヒレ入りシャポーンスープと十年古酒のトロみ合戦で口の中は壇ノ浦です。

締めのその1、水菓子はキリッと冷えたパインとマンゴーでトロピカル〜。シンカンセンスゴイカタイアイスが一生溶けないほどスプーンが冷えているのも気持ち良さアップ!

締めの締めは目の前で生地をのばして餡を包んで蒸しあげるまんじゅう。本日は桜の葉が香る生地と桜アンという、この上もなく春なまんじゅう。

春の香りに包まれたところでお茶が怖い。ふ〜、今月もおいしかった・・次はいつにしようと予約サイトを開きます。

大将「いや、お店にいるんだから直接予約したらいいじゃないですか」

そりゃそうだ、では5月の・・GW過ぎがいいな、この辺で・・次回の予約も完了!何が出るかなあ。

この日はタクシーがなかなか来なかったので、日本酒以外の面白そうなお酒をチビチビと味見させていただいたりと、ゆっくりお話ができました。

楯の川酒造さん、子宝なんて名前のヨーグルトリキュールなんか出していたのね。純米酒一本槍のド硬派酒造と思っていたら・・休肝日&あまり飲まない日を増やそうと思っているので、この辺の度数低めなお酒も押さえておきたいところです。

おお、タクシーが来たようだ。それではまた来月!

例によって、実はもう行っているのです。

佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4