春の佳肴と美酒を求めて、そうだ、京都行こう(n回目) 佳肴 岡もと(東山区・清水五条駅)

三月だ!春だ!桜はまだ先だし別に暖かくもないけれど、とにかく暦の上では春なんです。あらゆる生命息吹く季節、どんな佳肴が待っているだろうと、京都の「佳肴 岡もと」さんに向かうのでした。

なんせ毎月メニューが変わり、その時うまいものを選び抜いて出してくれますからね。季節を体感するには岡もとさんに行くのが一番手っ取り早い。

何度目か思い出すこともできない暖簾をくぐり、カウンター8席のみの店内へ。

13,000〜15,000円と思われる季節のおまかせコース一本、お酒は常時60種にも及ぶ日本酒と生ビールが用意されています。たぶんワインは無いのかな。果実酒とか焼酎はあります。

まずは広島の賀茂金秀 さくらふぶきで。うすにごり新酒です。どう考えてもフレッシュです。甘酸っぱさは春の味か初恋の味か。初恋なんて覚えちゃいないけど。

三重のハマグリ、ハマグリ出汁に山椒オイル

三重ってことはその手は桑名ですかーッ!ミディアムレアの煮ハマグリとでも言うのでしょうか。プリンプリンの身からほとばしる磯の旨味で一発目からグロッキー。

いかにも三月!なハマグリを最もうまく食べさせてくれちゃって‥岡もとさんの一皿目は常に「これじゃ足りない」ってほど美味しいのですが、こいつは歴代でもトップクラス。い、一生食べたい‥!

あまりのうまさに賀茂金秀はたちまち蒸発。お次はご当地京都の城陽 Expressive。その名の通り芳醇そのもの。このものはライスワインと言わんとせんければなりませんでしょう。

佐賀のアスパラ・ウニ・ウルイのゴマソース。ナントカしんぼでグリーンアスパラの白ゴマ和えみたいなのがありましたが、こちらはホワイトアスパラで。アスパラと油ってなんて素晴らしい相性なのでしょう。

佐賀の七田 510。杜氏が後藤さんだから510なんだそうです。

純米だとか吟醸だとかの特定名称は秘密らしい。信州ワインのような爽やかな香りと舌に残る渋味がうまいうまい。

お椀はアイナメの葛打ちと花柚子

葛打ちって好きなんですよ。柚子の花は控えめながらもちゃんと柚子の香り。白身魚にはこのくらいがちょうどいい。

名に「湖」と入るだけでどこのお酒かわかってしまう、滋賀の湖孤艪 純米吟醸生原酒

濃醇です。人によってはロックでもいいかもしれないほど。滋賀のお酒は七本鎗とか、むやみやたらと力強いのが多くて好みだ。

トラフグぶつと島ラッキョウにトラフグ白子ソース

とんでもないのが来た!子供の頃「お年玉を貯めたお金を出すからフグ刺しを食べさせてくれ」と言ったほどフグが大好きな友人は無事昇天。鉄砲の名はダテではない、ヘッドショット間違いナシのスナイパーなお皿です。

鳥取の日置桜 山眠る。完全発酵で糖をテッテ的に分解した甘味控えめのお酒。キリリと硬質で面白いお酒だなあ。

これより佳肴の名に恥じぬ肴の連チャン、岡もと式八寸の開始です。

まずはおなじみイワシ辛煮から。計5時間あまり煮たイワシは酢の爽やかな酸味で次の一杯を呼んでくれます。

明石のイイダコにコノワタ、花ワサビを添えて。日本酒飲みが泣いて逆立ちしてしまうトンデモ佳肴が出ちゃったじゃないか。うわ〜ん美味しいようと泣きながら、

あえて癖ツヨなお酒をいただくとしましょう。

奈良のHANATOMOE 水酛×水酛。乳酸全開の甘酸っぱさは本当に日本酒なんでしょうか?不思議な味だけど間違いなく美味しいから、お酒ってのは深淵だ。

ぎゃー!蒸しアワビのフライを肝醤油で!たまに岡もとさんがテロ的に出してくるフライがまたうまいんだなあ。

もう一度言います、アワビのフライを肝醤油で食べるんですよ?どうすんの?

これはもうアレをいただくしか‥

埼玉の神亀 搾りたて生酒

神亀って家で毎週飲んでんじゃん。しかもこの生酒、先月ココで飲んでんじゃん。いいんです、最愛のお酒なんだから。

十勝の月光百合根にキャビアをのせて一口で。

ミスター味っ子が妙に愛用する謎の食材、百合根。ほのかな土の香りと甘味と渋味、なんともアダルトタッチでうまいもんですねえ。キャビアの塩気で甘味が活きるのですねえ。

八寸が終わって主菜となります。本日は明石の舌平目、九条ネギと金華ハムのソース

おフランス料理が未知の高級品だった時代、エスカルゴと並んでよく出た名前が舌平目のムニエルだった気が。

しかしコレはなんだ。和の炭火焼きに中華の湯を使ったソースで、フレンチもビックリの高級な一皿に。子供の頃のぼくよ、おっさんになったら謎のおフランス料理よりうまい和の舌平目が食えるぞ。

食事モード突入で、おなじみ鯖寿司はスグキと実山椒。

岡もとさんちの鯖寿司はいつだってうまいけど、そろそろ楽しい時の終わりが近くなったなあと切なさも感じてしまう。

食事の時は芋という変なマイルールにより、十年の転た寝を出してくれました。うたた寝ってこういう字なんだ。

続く食事ものはシャポーンコンソメにフカヒレと玄米麺。ラーメン大好きニポンのヨッパライが泣いて喜ぶ。ほんのひと口ふた口なのも心憎い。

おかげで芋がもう一杯欲しくなるじゃないですか。大海で今度こそ最後ですよ。

デザートは奈良の古都華シャーベットに酒粕パウダー。古都華のパフェを食べてみたくなるお味。でもお高いんでしょう?

最後の最後は名物でもある、目の前で包んでふかし上げる饅頭。本日は大納言餡の桜まんじゅうと、ひと味早く春爛漫。

いや〜毎月うまいんですが、今月は好みの物がさらに多くてうますぎちゃったな。特にハマグリとトラフグとアワビ、何かのバチが当たりそうなほどうまい。幸せだなあ。

残念ながら4月は都合がつかず、次の予約は5月頭。思いっきりゴールデンウィークだというのに混みまくりの京都へ?仕方ないんです、岡もとさんの味を楽しむためならば。

佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4