
冬です。蕎麦が美味しい季節です。
蕎麦というのは困ったもので、新蕎麦が出回るのが寒い時期なのに、冷たく食べた方が美味しいというね。でも好きなんだから仕方ない。お気に入りの蕎麦屋さんへ出発、出発〜。

やってきたのは那珂川町の「そば処一徳」さん。蕎麦だけのために100キロちょっと移動したとかおバカさんみたいなので、近くでうなぎなど買ったりもしましたよ。
店舗の写真は以前のものです。11時ピッタリ、ちょうど暖簾をかけている所に着いちゃったもんで撮りにくかった。

馬頭産の地粉100%、石臼にて自家製粉、1日に適量を製粉。魅惑的なワードが並びます。
晩秋でも「新そば」とか貼ってあった例はないのですが、上記のような配慮のためでしょうか、なんと常に新そばのように美味しい。たとえ夏場に来たとしても、清々しい香りと気持ち良い喉越しを楽しむことができるのです。

何がいいかな。せいろの大で蕎麦そのものを存分に楽しむか、本気で辛い辛み大根そばで涙を流すか、具沢山の冷やし里そばで天然揚げ玉の妙味を味わうか‥

温かい蕎麦をつけ麺に変更もアリ。鴨南蛮を鴨せいろに変更は鉄板だし、カレーつけ蕎麦だっていいよね。

他のお客さんの注文率が高い、ねぎとろ丼やかつ丼のセットも気になるんだけど‥一応蕎麦を食べに来ているつもりだからなあ‥うう、蕎麦屋さんのかつ丼‥

けんちんそば・うどん(つけ汁可)だと?なんだ、冬に食べる蕎麦の大岡裁きみたいなメニューがあるじゃないか。けんちんそばをつけ汁で、大盛りで願いま〜す。

ドドドドドという効果音が聞こえてきそうな迫力で登場しました、けんちんそば(つけ汁のすがた)。

せいろにどっさりの蕎麦‥そうだった、こちらは並盛りでもボリューム満点、ジャズが流れるようなお店の大盛り以上だった。いわんや大盛りをや。

けんちん汁まで大盛りかい!鴨や天の「抜き」だって、丼になみなみと来ることなんてないぞ!蕎麦を浸したら溢れちゃうじゃないの。

箸をむざと突き入んでしゃくい上げる‥どうですこの長さ加減は。長いもので御座いますね。いやホント今日は長いな、繋がりが良い当たり日ですか。

こちらの汁は少々マイルドです。よって半分よりちょっと上、3分の2くらいまで浸すのが吉と思います。
冷たく心地よい蕎麦が入ってきて、ぬるいから温かいに変わっていくところで鼻に香りが抜ける‥ふわ〜おいしい。
少し平たい形状の麺は好みが分かれるところでしょうが、蕎麦粉そのものの風味と滑らかな喉越し、そして締める水の気持ち良い温度において、一徳さんに匹敵するお店がどれだけあることか。

けんちん汁の方は安達祐実もビックリの大きい具がゴロゴロ、1日分の根菜を軽々と摂取できてしまいそう。いや根っこだけではない、こりゃ芋ガラですか。芋ガラ食べる機会なんて今どきある?
芋ガラの記憶をたどったところ、2年前の秋に‥ここ一徳さんのけんちんそばで摂取していました。やっぱり他じゃ出ないのね。
全体的に土を感じる鄙びた風味にキラリと輝く柚子の香り。けんちん汁単体としてもご馳走ですね。

こんな熱々な子には七味を振って、さらに温めパワーをアップ!蕎麦は微寒の食べ物ですからね、周辺機器でホカホカさせないと。

大量の蕎麦をしゃくい終わっても、まだまだ出てくる根菜と芋ガラ!すごいボリュームにも関わらず罪悪感控えめでいいですね。腸にも良さそうだし。昔は救荒食だったモノたちが今では健康食なんだから、時代というのは面白い。
いや〜、蕎麦って本当に素晴らしいものですね。今から次に何を頼むか考えておかないと。
そば処一徳 栃木県那須郡那珂川町松野1001-1