二月の佳肴。冷たい時期は海のご機嫌がよろしいようで 佳肴 岡もと(東山区・清水五条駅)

また京都です。いつもの「佳肴 岡もと」さんに1月は行けませんでしたので、2月になったと同時に来てみました。

さらにいつも一緒に行く京都の友人は12月欠席。おかげで2ヶ月以上の間が空きまして、相当な岡もとロスに陥っているようです。

最も混みそうなルートを確実に捉えるタクシーに大当たり。18時スタートのところが18時15分に到着となってしまいました。金太郎、遅刻だぞ。

他のお客さんにはビール等が行き渡っている。ご迷惑をおかけしました。

最初のお酒は急いで‥よしラベルで決めよう、青森の如空 特別純米生酒 オコジョラベルで願いま〜す。

青リンゴのような爽やかさと新酒らしいパワフルさが同居した面白いお酒。

まずは冬に嬉しい温かい一品。海老芋のすりながしとくもこです。

和風ポタージュたるイモのすりながしに冬の旨味大将くもこ、柚子オイルがキリッと引き締めます。本当に岡もとさんちの一品目は毎朝食べたいものばかり。

もちろんオコジョは蒸発したので、次は‥珍しく飛露喜なんて有名どころもあるみたいですが、あえて福島の自然郷 BIO 特別純米で行きましょう。

生もとです。バリバリに乳酸菌が働いています。早い時期のさくらんぼみたいな風味が福島っぽい?

赤貝とクルマエビ、下にはお布団としてウルイ、味は岡もとさんお得意の黄身酢です。

なんとも彩り豊かな品ですが、味もすごい。こんな味の濃い赤貝なんて久しぶりだ。なんてうまい貝なんだ。

濃厚な旨味は若々しいお酒で迎撃しましょう。北海道のえぞ乃熊 純米生酒

国士無双なんて名前もラベルもかっちょいいお酒を醸している蔵ですが、こちらはちょっとかわええ。でも死兆星の位置にロゴがかぶっているのが心配だ。

鬼面のお椀を開けると、蓋の裏にはおかめさんが。そうか、二月は節分か。

中身は明石のオニオコゼと煮込み豆腐。清く正しく美しい和食です。脂由来ではない、すっきりサッパリ澄み切った旨味がなんと上品な‥こうまで綺麗なお椀をいただくと、逆に乱暴というか強烈なお酒が欲しくなるような‥

そんなお酒は‥出たー!最愛のお酒、埼玉の神亀山廃純米ブラックラベルはEpicすぎてなかなかありつけません。嬉しい!

神亀にウホウホしているところでお造りです。愛媛のマナガツオにアサツキの新芽。味は鯛魚醤とバルサミコとな。

マナガツオさん、関東では西京焼きギフトで銀鱈や鮭の子分扱いですが、関西では最高級魚の一角だから面白い。実際刺身で食べればすごく美味しいからさらに面白い。

エシャロット感あるアサツキ新芽とバルサミコでカルパッチョのようになるかと思いきや、魚醤がググッと和に寄せてくれて和魂洋才!うめえ〜!

佳肴連チャンとなる岡もとさん式八寸の開始です。先鋒はもちろん名物イワシ辛煮。酢などを使って計5時間ほど煮たイワシに本枯節の粉をまぶした、見た目の1万倍くらい贅沢な一品。

神奈川の隆 純米吟醸 熊本酵母 無濾過生原酒。お酒は漢字が増えるほどエラい法則がありますが、その通りです。穏やかでしっかりコメの味がする、つまり食中酒というやつだ。

お造りで出たオニカサゴのアラの潮仕立てに能登の岩もずく。フル・オブ・荒磯に生姜がキリリと。これはいやはやなんとも‥佳肴〜!

ナマコの子、コノコとアナゴの子、のれそれ!先程のお皿に負けじと磯の風味全開!

干しても生でも好きすぎるんだよ、ナマコの中身‥食感が楽しすぎるのれそれまで付いちゃって‥この「もう少しクレー‼︎」な量がまたツマミに最高なんですよね。でも、もう少しクレー‼︎

秋田のフクタチという野菜のおあげさん。カツオの香りとイクラで。東北や北海道の食材が京風おばんざいに!

吉野で個性的にもほどがあるお酒を醸す美吉野醸造さん。その中でもちょっとおかしい花巴 水酛×水酛です。次が味の強い主菜になると思われるので、味というかアクが強いお酒で。乳酸ぶっちぎりの甘酸っぱさは本当に日本酒なんですかコレ?大好き。

1.3キロの伝助アナゴとアワビの新海苔あんかけ。上に降りかかるのは凍り餅。

ほ〜ら、とんでもないの来たよ。香ばしいことこの上ないアナゴ、磯パワー全開のアワビ、さらに磯パワーをフルバーストさせる新海苔!

ものすごい食べごたえなのにお酒も呼んで仕方ない。花巴は一瞬で蒸発してしまったので‥

関東の低精白の雄、香取より純米90生原酒。精米歩合90%って、無洗米くらいのレベルじゃないのか。とんでもなく濃醇です。気のせいか‥いや、明らかに糠漬けのような香りまで漂います。お酒はコメからできるんだなあ。

ここから食事モード、おなじみ鯖寿司から‥なんですが、なぜか写真がないのでコッソリ前回の物を流用。同じスグキと紫蘇の実なので黙っていればバレない。

黙っていても芋のロックを出してくれるので話が早い。本日は千亀女。杉が香る芋もいいもんですね。

これまたおなじみシャポーンコンソメにフカヒレと玄米麺。この方のおかげでホテル近くのラーメン屋に入らず済んでいます。飲んだ後の麺までサポートしてくれちゃうんだから。

なんだか芋をもう一丁いきたくなった。まろやか〜と言わずにはいられない瀞とろをいただきま〜す。

デザートは塩ジェラートとあまりんのメイプルシロップ風味。たまに出るこの塩ジェラートうまいんですよね。毎度どこのか聞くのに毎度メモを忘れる。

吟醸饅頭とお茶でごちそうさま。

2ヶ月近く空いたからというワケでもないでしょうが、とんでもなく美味しいコースでした。寒い時期は海の幸が輝くのかしら。

岡もとロスだった友人もビールと日本酒を並べたりしてご満悦のようです。そして当然のように次回の予約を‥ぼくは覚えていないのですが、どうやら入れたらしい。

あらゆる生命が芽吹く3月、どんな佳肴が待っているのでしょう。お椀が好物のハマグリだったら気絶してしまうかもしれん。

佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4

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