ここは花見小路。焼き鳥&おしゃれ鳥料理でペアリング! 侘家古暦堂 祇園花見小路本店(東山区・祇園四条駅)

とんかつ・BitSummit・ダンジョン飯展と京都を満喫しました。ホテルでひとシャワー浴びて、陽が落ちてきたところで‥祇園に直行だ〜!

もちろん茶屋遊びなど楽しめるツテも甲斐性もありませんので、祇園のあたりでご飯を食べるという話ですが。

紅殻格子に犬矢来、これでもかと祇園な雰囲気が漂う花見小路。昼間は異人さんでごった返す名所ですが、夕方になると少し落ち着きを見せ‥てもいないな。結構な人混みである。

人をかき分けたどり着いた町家が目的地の「侘家古暦堂 祇園花見小路本店」さんです。

すぐ近くの西花見小路通にある「侘家古暦堂 うま味さん」の調味料が好きすぎて京都に来るたび買っておりまして、同じ系列の焼き鳥屋さんがあると知って予約した次第。

店内はL字カウンターが10数席。2階には個室があるらしい。予約名を伝えるとカウンター長い側の真ん中辺に案内されました。

ランチは石焼親子丼、ディナーは京都焼き鳥Styleコース一本。夜のコースは税込一万円。4,800円のペアリングをつけてみました。祇園的には安いのだと思う。

ちなみにランチも予約できるようです。京都のランチといえば行列が当たり前なので嬉しいポイントですね。

ペアリングを頼んだけどドリンクメニューを見ちゃえ。おお、日本のウイスキーが揃っているな。

さてコースの開始だ。一杯目はルナリア マルヴァジア アンセストラル ブリュット ナチュレ。イタリアの自然派スパークリングらしいです。

青リンゴのような風味にパン生地をこねている時のようなイーストの香り。自然な泡が気持ちよくてツマミなしで飲み干しちゃいそう。京都暑いからね。

日本酒もワインも単語がいっぱい並ぶとエラくておいしいんだな、たぶん。

メニューには「たまご」とだけ書いてあったけど、果たして‥思わずウフと笑ってしまうほど「たまご」な容器で出た。

ぱかっと開ければ茶碗蒸し‥に見えるけど違うらしい。ホワイトコーンのムースに炭火焼きとうもろこしとコンソメジュレ!ムースと粒もろこしでダブル甘いところ、コンソメで一気にツマミと化すじゃないか。

あらかわええと声が出るうま味おやつ。左から生ハム・トマト・カッテージチーズのタルト、カボチャシュークリーム、ひよこのサワークリームサンド

生ハムタルトはもちろんのこと、カボチャは冷製スープにする時のような味付けで、ひよこさんにはサワークリームが効いて、おやつと言いつつどれもシュワシュワがはかどる味に仕立てられています。

お次は焼き鳥3種ということで、まずは薬味が出ました。

あ、これってもしかしてうま味さんの青唐山椒と焼き鳥七味では?

店員さん「うま味さんをご存知なんですか?」

知っているも何も、うま味さんが好きなのでこのお店にたどり着いたのです。

店員さん「ありがとうございます!でも普通は当店でうま味さんを知っていただいているのですが‥逆パターンの方は珍しいですね」

店員さん「それでは2種類といわず、お好きなものをお使いください」

近ごろは親の顔より見ている恵比寿さまがズラリ。うま味さん5種類セットが箱ごとキターー!おもしろくなってきたぜ!

焼き鳥に合わせるお酒はニュージーランドの白。パリサー・エステート ペンカロウ ソーヴィニョン・ブランだったかな。大変シトラスな感じで夏に爽やかですね。スッキリした酸味は脂がのった鶏が食べたくなる。

京地鶏のモモ。「脂がのった鶏」そのものの登場におめでとう おめでとう ありがとう。

皮のとんでもない香ばしさ、肉の弾けるような歯ごたえ。素晴らしい、これぞ望んでいた焼き鳥そのものだ。フレッシュなペンカロウを流し込むと変な声が出るほどうまい。熱々のもも肉をスッキリとしたワインで流す、京都だけに川床のマリアージュだ。

個人的に焼き鳥の王者、せせりの登場!ぱっと見は塩ですが、ほんのりと醤油味。タレというよりほぼ醤油。

店員さん「こちらには青唐山椒がおすすめです」

どれどれとつけてみると、ふわっと香る山椒と野菜の旨味が白ワインを呼んでどうしようもないじゃないか。

店員さん「ワインもう一杯飲まれますか?」

焼き鳥3種だからもう一本あるんですもんね‥絶対足りない、おかわりお願いします。

ハツはタレで。フェンネル香る焼き鳥七味がピッタリ、バッチリ。

ひと切れごとワインがひと口必要になってしまうじゃないか。おかわりしてよかった。

ここで日本酒、京都のお酒日日がでた。生もとで低めのアルコール、旨味たっぷりの個性的なお酒に合わせる料理はなあに?

炭火焼き野菜と鶏ハムのテリーヌ・玉ねぎソースとハニーマスタード!ヤングコーンやオクラを焼いているな〜と思ったら、こんなフレンチなお皿に化けるとは!

口当たりの良い甘めの白ワインな雰囲気もあるお酒なので、鶏ハムとビックリするほど仲良しだ。こいつはブラボー!ブラボーブラバーブラベスト、だっけ?

丹波ワインのデラ・グリ。白ワイン用のデラウェアを果皮ごと漬け込んだオレンジワイン。砂糖を熱したような‥そうだこれは綿菓子、そんな甘い香りに白ワインから酸味を取り除いたようなお味。お酒覚えたての大学生なんかに飲ませたら止まらないのでは。

合わせるのは鶏のコンソメだ!トロミがかって冬瓜が入って、ポトフまではいかないけど食べるスープ。

低アルコールにごり酒の讃岐くらうでぃにレモンを入れてラッシー風カクテルですって。楽しい、楽しいぞ!

ラッシー風にごり酒には鶏とキュウリの春巻き・スパイシーゴマソースと食べるラー油!見た目は棒棒鶏のフリをして、食べるとピリッと刺激的で担々麺みたい。ピリッとスパイシーなところにラッシー風のお酒はバッチリだよね。口の中が綺麗にリセットされて、次のひと口がまたうまくなる。

とうとう赤いのが出てきたぞ。パオロ・スカヴィーノ バローロ2019‥バローロってお高いワインじゃなかった?4,800円のペアリングでこんなの出してくれちゃっていいのかしら。

ササミを新生姜の甘酢と共に。あっさりプロテインのササミだけど、生姜パンチで赤にピッタリ合うようになるのか。ササミはワサビ教団でしたが生姜にも目覚めました。

砂ずりは出汁醤油とワサビで。こっちでワサビが来るのね。醤油が赤とケンカしないどころか旨味を高め合う。砂ずりの鉄っぽい風味のおかげかしら。

おかげでグラスが‥おかわり願いま〜す。非常にうまいねこのワイン。

満を持した感じで登場、焼き鳥界の覇王ネギマ!むちむちマッチョなもも肉とネギに旨味たっぷりのタレ。いや〜、トリとタレがここまでパワフルになると赤ワインが進むのですね。

店員さん「後は鴨つくねとなりますが、串の追加はいかがですか?」

ほうほう、追加はなんだか割安ですね。2・3本頼んでしまいたいけどシメの食事まであるみたいだから‥白レバーだけお願いしましょう。数席右の若い方はまだ食べていない串を全部なんて頼もしい注文で結構でした。

カリフォルニアだ。パナメラ カベルネ・ソーヴィニョン2021だ。新世界の扉だ。

追加の白レバーはなんと金山寺味噌の隠し味。脂と味噌のダブル甘味でエラいことになっております。青唐山椒で柔らかな刺激を加えるとさらに美味しい。

‥‥石焼きの器で何かやっておりますが、ここって韓国料理のお店でしたっけ?

店員さん「鴨つくねになります。バルサミコベースのタレで煮込みますね」

はえ〜、目と鼻と耳で楽しい!こいつは面白い演出ですね。動画で撮れば良かったわ〜ん。

煮詰まったタレを小鉢に移し、卵黄と共に鴨の串を入れて提供されます。

バルサミコのブドウに鴨の鉄、つまり赤ワインと同じ風味の組み合わせ。そんなの合うも合わないもあるか、生まれた時から婚約者なマリアージュだ。

赤とは仲が悪いとされる卵黄もバルサミコが繋げてくれちゃいますねえ。コクとまろやかさはしっかり残ってうま〜い!

残ったタレと卵黄はひと口ご飯にかけて。いきなり日本人必殺のハメ技とは卑怯なり。

シメに向けて芋のロックを頼んでしまうのはいつもの癖です。

この辺でご不浄をお借りしましたら、携帯用マウスウォッシュが用意されていました。使う使わない関係なく、コレが配備されているお店は設定5以上間違いナシです。

夏限定でご飯ものはつけ麺にチェンジ。鶏ミンチとイリコとバターのスープに全粒粉麺、トドメに目の前でサマートリュフを削ってワッサーっとかけてくれます。

バターとトリュフがデタラメにうんまい。なんだこれ、お腹いっぱいなのにもう2杯くらいすすりたいようだ。

京都美山のミルクアイスに炭酸とイチゴのソース、ゴマせんべいつきのデザート。ほんのりシュワシュワなイチゴとさっぱりしたミルクがエエ塩梅じゃないか。

お茶は京都の和紅茶。レモングラスとレモン両方を効かせたレモンティーです。

いや〜楽しかった。料理もお酒もお値段以上、素晴らしかったです。

店員さん「お酒お好きなんですね。四条通りの方に薪を使った焼き鳥とワインを合わせるお店ができましたので、そちらにもぜひ行ってみてください」

え!なんてお店ですか?

店員さん「wabiyaというお店です。こちらがご案内の名刺というかチラシなんですが」

ふむふむ、18時半一斉スタート、15,000円コースのみとはガチガチに硬派じゃないですか‥しかも愛用の東横イン四条烏丸から徒歩圏内じゃないですかーやだー。行きます。

でも店員さんの対応が素晴らしかったのでこちらも再訪したい。京都に来るペースを上げないといけないね。

侘家古暦堂 祇園花見小路本店 京都府京都市東山区四条花見小路下ル祇園町南側 歌舞練場北側

侘家古暦堂 うま味さん 京都府京都市東山区祇園町南側570-123

wabiya 京都府京都市下京区高辻通東洞院東入三軒町554