海なし宇都宮に広大なる内湾(イケス)を発見!活きハモを落として焼いて揚げてしゃぶしゃぶして一匹まるっと味わえ! 味問屋 明日香 宇都宮店(宇都宮市・宇都宮駅)

宇都宮の海鮮調査と勝手に銘打った友人との飲み、3度目も執り行われることとなりました。寿司が続きましたが今度は何がいいですかね。

友人「京都で食べたのが忘れられない。ハモ!」

ハモですね、はいはいさっそく・・

ちょっと待ってください。関西で夏の海鮮といえばのですよね。そんなの関東の海なし宇都宮で食べることができるとお思いですか?鬼怒川には泳いじゃいませんよ?

まあ一応調べてはみますけどね・・

あれれ?・・もしかして宇都宮に海が・・ある?

試しに電話で「鱧のコースをお願いしたいのですが」と言ったら、あまりにも簡単にオーダーが通ってしまったのが「味問屋 明日香 宇都宮店」さん。高級感のある建物にはサンダーバード秘密基地な雰囲気もあります(なお駐車場)。

入店すると・・ほわぁ〜!海、まさに海!坊っちゃんの4・5人は泳げそうな巨大イケスですよ!

友人「鯛やヒラメの阿波踊り〜!」

舞い踊っている魚をすくって、一匹まるごと様々な調理法で食べさせてくれるのがこちらの名物だそうです。

おお、鱧もたくさん阿波踊っているじゃありませんか。

友人「我々の分はどの子かな?」

骨切りとかあるから既に捌かれているんじゃないですかね。とにかく活きがいいなんてレベルじゃないのは間違いない。

友人「宇都宮にこんな竜宮城があるなんて知らなかったなあ」

問題はお値段を聞き忘れたことですね。こんだけの海水を維持するんだからお安くはないよねえ・・まあいいか。

着物を着た仲居さんが個室に案内してくださり、お値段の心配はさらにアップ。でもこんなお店には慣れているテイで飲み物を注文しましょう。

あ、日本酒の四合瓶があるのは嬉しいな。明鏡止水の純米をお願いしましょう。

それでは鱧にかんぱーい。

やあ、個室からもイケスが見えるのね。

友人「映画のセットみたいな眺め。キアヌリーブスあたりが障子を蹴破って突っ込んできそう」

ホントだ。半裸の芸者ガールが悲鳴をあげて逃げまわるヤツだ。

のっけから鱧料理のエース格である落とし鱧の登場!まあまあ、大ぶりで見事な鱧じゃありませんか。たっぷり添えられた梅肉も頼もしい。

友人「やった〜!夏、いただきます!」

見た目・風味・歯触り全てが涼しい。梅肉の爽やかさでさらに涼しい。あんな怖い顔の魚を骨切りして湯通しして氷水に落として梅肉で食べるって誰が考えたの?ノーベル納涼賞くらい差し上げた方がいいですよ。

お次は鱧の玉締め。玉締めという料理はいくつか種類がありますが、こちらはほぼ茶碗蒸しと言っていい。

友人「すっかり涼しくなった身体に沁みる〜」

一転あたたかで優しい出汁がいいですねえ〜。チラッと梅肉がかかっているあたりが鱧!

今度は焼きで来た!タレ焼き寿司と白焼きです。

基本的にクセがないので梅でも甘辛なツメでも映えるぞハモ〜。魚介をうまくすること数倍の酢飯とドッキングされたら困るじゃないか。

白焼きはすごい!皮目から出るウマ汁と香ばしさと大葉がドッキングするとツマミ的に最大出力!うまい、うますぎる。

おや、ここで鍋が出てきたよ。

仲居さん「鱧のしゃぶしゃぶのご用意をいたしますね」

友人「え、しゃぶしゃぶ!初めて!」

夏の魚ですからねえ。しかしどう逆立ちしてもおいしいよな・・お酒の援軍を呼ばないと。

栃木の銘酒・惣誉があるけど鱧のご出身が栃木のワケないからな・・明石や淡路のイメージがあるので灘の福寿を二合ばかりいただきましょう。

さすが福寿、ひょうたん型の徳利でやって来た。キリッと冷え冷えの霊薬をありがたくいただきましょう。

丁寧に骨切りされた鱧とザクが登場しましたよ〜。

仲居さん「お出汁は鱧の骨から取っておりますので、身を入れて丸まったらお召し上がりください。ザクはお出汁を吸った頃合いでどうぞ」

かしこまり!ではさっそく鱧を投入だ〜!

クルクルっと身が反り返って、こんな感じでオッケーかな?いただきま〜す。

・・ドうめえ!半生だからしっとり感があって・・そうだよ、骨切りした切り込みの分だけ出汁が染み込むワケだよ!そうか、鱧はしゃぶしゃぶや鍋にもってこいだったのか!

出汁を吸ってクタったネギにまだ吸わない生々しいネギ、みんな違ってみんないい。半生ネギと鱧のコンビネーションは千代に八千代に語り継ぎたい。

ここで鱧の天ぷらも出るのか!落として焼いてしゃぶって揚げてのフルコンじゃないか。一匹まるごと色々な調理で食べさせてくれるという看板に偽りナシ。

フワめの衣をかじると湧き立つ香りとぷっぷくな身が素敵すぎて、芋のロックを注文したのは言うまでもありません。

天ぷらでウホウホ言っている間に、しゃぶしゃぶの出汁が雑炊になって戻ってきました

フグでもアンコウでもなんでも、やっぱり鍋は最後のコレが一番ウマいよね!すき焼きがイマイチ跳ねないのはコレがないからかもしれん。

爽やかな漬物をコリコリかじってごちそうさま・・

あ、青梅のゼリーなんてデザートまでいただけるんですか。どこまでも夏な風情でいいですねえ。

しゃぶしゃぶの出汁には骨も使われていると思うので、まさしく一物全体食。鱧さんを余すところなくいただきました。いや〜満足した。

さて、気になるお会計タイムですが・・鱧コース一名13,000円なりでした。雰囲気や仲居さんの対応も含めれば高くない、むしろ格安と言ってしまっていい気がします。よし、冬になったらフグかスッポンを食べに来よう。

明日香 宇都宮店 栃木県宇都宮市仲町3-12

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