実は今回、予約の際に「川魚大好きなので肉不要」的なメールを送信しておいたのです。
女将さん「川魚がお好きということですので、他のもの出ませんけど大丈夫ですか?」
大丈夫どころか、望むところです!ありがとうございます。顧客のニーズに応えすぎですね!さて、川魚となると、アレを飲まないわけには…
女将さん「お酒はマッタリとスッキリどちらがよろしいですか?」
ありがとうございます。人生で「とりあえずビール」と言ったことない私、最初に日本酒を勧められるとそれだけで幸せです。ツアーで北海道行った時、どの店でも最初はビールしかないので怒り狂ったのは私です。
しかし酒の銘柄じゃなくて、マッタリかスッキリというのも珍しい…てか、初めて。マッタリでお願いします。
なぜマッタリかと言うと、鯉のうま煮は鉄板で出ると思いましたので。地の魚を煮たのって、しっかりした味付けが多いですから(房総の金目鯛とか)スッキリ、つまりキリッとした辛口では追いつかないかと思った次第でございます。
で、鯉の洗いと共にやってきた「潮来ナントカ」というお酒。純米ではなかったですが、確かにマッタリでなかなかおいしい。思惑通りうま煮に合いますね!その旨女将さんに伝えましたら
女将さん「潮来って名前だけど(宿は潮来で茨城県)隣の千葉で作ったお酒なんですよー。ラベルの絵はウチの父が描いたんです。日展に出してる画家なんですよー」
千葉!日展!色々と予想外で反応に困ります。
わぉ、なんと可憐な。
女将さん「霞ヶ浦の名物シラウオです。一昨日解禁だったんですよ。」
うはー、超初物じゃないですか。うん、見た目の美しさとツルツル感を楽しむモノですね。シラウオの味そのものは加熱した方がうまいんじゃないかな、と思っていたら
シラウオの柳川が来てしまいました。柳川大好きな私にとってコレは拷問。酒がなくなっちゃいますよ、もー。
女将さん「こちらも解禁になったばかりなんですけど、ワカサギの天ぷらです。今は鯉がやせちゃってる時期だけど、他のが色々解禁になったところで良かったわー。川魚好きな若い人って珍しいから」
若いですか?あらやだ、女将さんたらお上手。ちなみにどうでもいいことですが、どこに行っても言われるのが、「若いのに魚の食べ方が上手い」です。唯一の取り柄が地味ですね。そしてもうすぐ「若いのに」が消える。取り柄ゼロ近し。
いやー、料理はもちろん美味しいですが、実は器も美しいですよね。シラウオの氷はちょっとそのまんますぎますけど。
そして鯉こく。どこぞの大銘加の味噌と違って、県知事も大喜びしそうなうまさです。個人的にはもっと麹少なめ、豆ばかりの赤っぽい味噌の方が好きですが、それは好みの話なので。
最後にご飯と吸い物ですね。漬物のキュウリうまい。
女将さんは鯉がやせてるとしきりに謝っておられましたが、いやいや、大変美味しかったと思いますよ。洗いは別に脂がのってる必要ありませんしね。川魚スキーにとっては至高の晩飯ですよ.
シラウオの柳川なんて毎週食べたい。
いやー、幸せですね〜。クッソ静かだし、寝ますか〜。