みそ貝焼きでたっぷり現世の楽しみに興じた後は、ちょっと来世の手前を覗いてみましょう。日本三大霊場の北の雄として名高い恐山です。あとの二大は各自調査。現世にありながら地獄であるとのことなので、鬼灯様とはいかなくても茄子か唐瓜くらいには会えるかもしれません。
まずは看板からスタート。実は三途の川と奪衣婆の像がスタート地点らしいですが、その存在に気がついたのは帰りの車の中でした。
恐山と言えばコレに尽きるかもしれませんが、コレをやっていた秋の大祭は訪問の1週間前に終わっていました。さらにその1週間後は大間のマグロ超祭りだったので、人混みを避けるセンサーがすごいのか、イベントを逃す運が悪いのか。
立派な山門です。霊場恐山と書いてあります。公式で霊場なんですね。
こ、これは…!いかにもつげ義春のマンガに出てきそうな、いわゆる「湯治場」の完全態ではないですか!入山料(500G)を払ったから入れるんですよね!入ろう!・・・なんか業者さんがいます。こちらは改装のため撤去中?なんともったいない。コレがいいのに・・・素朴なアイドルがアメリカに渡って、八重歯を直してしまったような寂しさ。
長い階段をえっちらおっちら登った先には不動明王像が。あれれ、この方がいらっしゃるだけですか。うーん、ほんのちょっとですが、騙された感がなくはない。
でもその階段からの眺めはなかなかの絶景です。これは確かに天国のような地獄のような。
しかしなにが地獄かって、あたり一帯にものすごい硫黄臭が漂っています。これは確かに地獄感がすごいですが、そんなこと言ったら群馬の草津温泉なども、アスタロトの自宅があるくらいな地獄感に満ちています。
しばらく歩くと、これぞ恐山!のような光景が来ました。積まれた石、風車、お地蔵さま。これが賽の河原実写版ですね!しかし、先ほどからずーっと同じペースで歩いている中年男性が気になります…私が言うのもなんですが、こんなとこ男一人で来るなよ。切なすぎるぞ・・・
水子供養か・・・水子を作る機会もなさそうな男二人に見つめられるお地蔵さまも、さぞお困りでしょう。
おお、これが有名な血の池地獄ですね。女性蔑視の地獄とのことですが、うーん…これ、血の池か?なんだか綺麗な泉に見えますが。
そのすぐ近くにある、この水たまりの方が血の池っぽいような気がしなくもないような。赤いですからね〜。
展望台(と書いてあった)から「極楽」と言われる宇曽利湖を見てみましょう。やあ、綺麗だ。厨二風に言うと
亜空の瘴気漂いし黄泉の国に湧く蒼き泉、その深淵に眠りし龍神よ、今こそ目覚め、我を天界へと導け!(硫黄のニオイはすごいけど、綺麗な湖ですね!)
んで、恐山といえば霊場アイスと決まっております。青島幸男が国会で決めたのだ。
進取の気風に乏しいとよく言われる私は、ヨモギではなくブルーベリーアイスを選んでみました。ひと舐めしてビックリ、大変信じられないことですが、その味は黒蜜きなこ。そう、まるで信玄餅をシャーベットにしたような。ブルーベリーはどこに行ったのでしょう?
お土産屋があるので見ていきましょう。えーと、ロウソクに線香、数珠…なんと商業的でないラインナップ。あ、記念の通行手形。集めているのです、買いましょう。あ、般若心経手ぬぐい。今のがぼろくなったので欲しかったのです、買いましょう。なんだ、結構商業的だな。
そして、どうしてコレを買ってしまったのか・・・
いやー、ずっと来たかった恐山、思った以上に楽しめました。楽しむべきところかどうかは知りません。さて、今夜の宿まで2時間以上かかるはずなので、向かいましょう。