ゲンセンカン主人の舞台・湯宿温泉大滝屋旅館 食事編 大滝屋旅館(みなかみ町・湯宿温泉)

さて、つげ義春先生の名作「ゲンセンカン主人」のモデルとなった湯宿温泉と大滝屋さん、風呂も入ったので食事です。旅館の楽しみは食事ですが、今回はいつもとはちょっと違う期待があります。

めs

つげ先生の「旅もの」に出てくる食事といえば、ほとんどが上の絵のような感じで「貧乏くさい」や「まずそう」や「不潔」といった素敵ワードが並びます。そしてこちらの湯宿温泉、食事はマンガに出てこないのですが、エッセイに顔を出しておりまして、そちらがまた素敵。

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つげ先生の名エッセイ集、「貧困旅行記」で湯宿温泉について書かれた文章です。ここ「大滝屋旅館」さんではないのですが(でもすぐ近くにある)、「これでも温泉ですか。絶望的ですね」や「サツマ芋の輪切りの煮たもの、サツマあげの焼いたものが皿にペタンと一枚、それが夕食の中心だった」とあまりにキャッチーな表現が並びます。旅館でそんな夕食とか、食べたくはないけど見てみたい!湯宿はみんなそんな感じだったらしいですから、似たようなものが出るのでは?

めし

「夕食のご準備ができましたー」というので、うおー!と食事処へ・・おや、意外や意外、畳にテーブルのモダンな雰囲気。そして卓上は・・・ご、豪華じゃないか!サツマ芋の輪切りの煮たものはどこに行った!!あ、カボチャの煮たものがあった。

イワナの塩焼きに天ぷらに刺身と並んでいては、お酒を頼まないわけにはいかなくなりました。女将さん、ドリンクメニューをください。

おかみ

こんな感じで手渡されると少し困る(でも最高にうれしい)ところですが、実際の女将さんは明るく親切、かつおしゃべりな方です。コミュ障で有名な私でも、なんでもホイホイお願いできます。

あ、こちらが飲み物ですか。どれどれ。

めにゅ

ビール大びん550円、缶ビール350円、地酒4合びん1200円・・・なんだかものすごく安くないですか?では「吟醸尾瀬のあわ雪」を。あ、500mlなのか・・・それではちょっと寂しいので2本ください。

他に2組のお客さんがいましたが、若いカップルは「飲み物はいりません」で、親子っぽい女性三人組は「じゃあビールを一本」・・・若者のお酒離れは本当らしいですね。というかなぜ若者が湯宿にいるのだ(偏見)。

あわ

吟醸酒ですがフルーツ臭は控えめ、すっきりスイスイ飲める系のやつですね。ヤギとかウニとかいった強力な風味の料理はないので好相性です。グラスが大ぶりなところも嬉しい。

こけい

固形燃料モノは上州麦豚のしゃぶしゃぶですか。やあ、脂身が良い香りの豚ですね。やはり土地のものが出るとなんとなく嬉しい。

ちゃわ

茶碗蒸しも追加で運ばれてきました。実はここまで見事に温泉旅館的な献立って久しぶりに見ましたので、逆に新鮮です。たまにはいいなあ。天ぷらのコロモが妙にウマくて酒がすすみました。

おひつ

女将さん「ご飯足りなかったら言ってくださいねー」

いや、ミニおひつにみっちりぎっちり詰まっているではないですか。夜の炭水化物は控えているのに。(その分酒を飲む)

うど

女将さん「おつゆのかわりに冷たいおうどんになります」

やあ、それは珍しい。うどんで酒を飲むのもなかなかオツなものです。あ、結局炭水化物だ。

これだけ食べればさすがに満腹ですよ!あ、ご飯は一杯しか食べませんでしたよ・・・って、なんだかんだW炭水化物やっちまった!

んk-20 9.13.44

女将さん「こちらデザートです。スプーンでガガッとタテに掘るように食べてください。

生クリームのかたまりでしょうか?では言われた通り掘ってみましょう。ガガっと。

kj

あー、下に煮豆がゴッソリ。いわゆるクリームぜんざいですか。なかなかウマい。満腹も満腹です。いやー、話が違って豪華でした!摂取カロリーは入浴で燃やす!

きり

というわけでもう一発温泉に浸かって、風呂上がりに途中で買っておいた黒霧島を飲みながら先ほどの旅エッセイ集「貧困旅行記」を読む・・うーん、湯宿温泉編の「自分は『本当はここにこうしていたのかもしれない』というような、そんな気分になるのだ」という一節が沁みますね・・・落ち着くなー、湯宿・・・・ぐー。

 

ふろ

ああ、バッチリ寝落ちしていましたか。朝になったので、昨日入らなかった浴場に入ってみましょう。少々手狭ですが、朝からええ湯じゃ〜!

あさ

そして朝食です。まあ、なんと美しい!サラダに納豆、切り干し大根、焼きサバに玉子焼き・・・これだ!これが旅館の朝食だ!!

たまが

とくにこちらの玉子焼き、なんだ白身と黄身がよく混ざっていないではないかと思いましたが、塩味でネギが入って泣けるほどおかずになります。これとウインナーが入った弁当があれば、どこに行っても幸せです、たぶん。

み

そして夕食と同じおひつにみっちりご飯に、白菜・舞茸・玉ねぎがこれでもかと入った味噌汁。ふはー、大滝屋さんの朝食は幸福度が非常に高い!!風呂と朝食のためにまた来てもいい!

やくし

チェックアウト前に、再度湯宿の街を散策してみましょう。やあ、これが5代目沼田城主が奉納しただかなんだかの薬師如来・・にしては新しそうだし、違うのかしら。聞こうにもまわりに誰もいない。まあせっかくですから拝んでおきましょう。

だが

しかし本当になにもない街だ!洋品店が一軒と・・あ、食料品店みたいな小さなお店が。へー、アイスクリームにうなぎ蒲焼?この辺のコンビニ的ポジションのお店でしょうか。あれ?ここはもしかして・・・?

しや

まさかこの駄菓子屋のもとになった店では!?天狗の面でも売っていたら買ってしまうところですが、ああ、まだ開店時間前か。真偽のほどは不明でした。おおさか

無事チェックアウトをして、酒饅頭でも買って湯宿温泉をあとにしましょう。温泉街からちょっと離れたところにあります「大阪屋」さんの酒饅頭、非常にうまかったです。お土産に16個入りを買いましたが、酒まん大好きの父が9個いっぺんに食べてしまったのでちょっと驚きました。

次回はつげ作品とは関係ない、素敵なB級スポットです。

 

大滝屋旅館 群馬県利根郡みなかみ町湯宿温泉2383

大阪屋 群馬県利根郡みなかみ町湯宿温泉2272-52

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