現代に生きる三枝守友のOさんとめぐる神戸、続きです。
とりえずホテルにチェックインを・・はーい、お待たせしました。全部済ませたので晩ご飯に行きましょう!ウマーいところを教えてくれるのですよね?ランチがすごかっただけに期待値レッドゾーン!
Oさん「ふふふ・・お任せあれ!と言いたいところですが、狙っていたお店が本日休みで、もう一軒のお店は予約でいっぱい」
な、なんと・・?
Oさん「でも大丈夫、支店…なのかどうか知りませんが、離れの方を予約してあります!そっちは初めてだけどウマいはずです」
おおー!で、できる!コンビニで乱痴パンランチパックを買って公園で缶ハイボールを飲むの刑かと思った!
すっかり暗くなった神戸の街をトコトコ歩きます。神戸のパチンコ屋はみんな看板の一部が壊れて卑猥なことになっていると聞きましたが、そんなことはないですねえ。
Oさん「ああ、スナッチャーに出てくるあの店はこの辺ではありませんよ」
えっ?「◯チンコ」看板がホントにあるの?すごいな神戸。
Oさん「着きました!さあ、写真を撮って!」
いや、あのー・・・だだのドアにしか見えませんが。
Oさん「これこそ真の隠れ家です!ちょっと隠れすぎ感はありますが」
実力を隠しまくっている蒲田くんのようですね。しかし撮影自由の隠れ家・・・?
いざ中に入ってみるとカウンター数席、四人程度のミニ座敷が2つくらいのミニマムでステキな店舗。なるほど、隠れ家だ!
メニューは・・うん、単品の活さわらとかはもしゃぶなど素敵な雰囲気ですが、初めてですのでコースを頼んでしまった方が楽しめるかもしれませんね。10000円コースでいきましょう。
ほどなくして出てきたのは八寸!うわー、なんときらびやかな!綺麗に二人前ならべていただきましたね〜。
Oさん「おっさん二人では申し訳ないようですね・・・」
大丈夫、隣の席はオバさま二人です。
ではいただきまーす、の前にちょっと待った!これはもう、アレを頼まないといけません。あのー、地酒のメニューなんかは・・あら、黒龍があるじゃないですか!隠してはいけません。さあ早く出して!まあー、大ぶりなグラスが頼もしい!ところで一杯いくらなんですかね?
Oさん「600〜1300円でお酒によって違うみたいですよ」
なるほど、気にしないようにしましょう。
さまざまなおつまみ候補がならぶ八寸ですが、焼きとうもろこしから何から反則級なウマさ・・八寸とか突き出しは見た目ばかりのことが多いのですが。Oさん、もうここがデキる店ということはわかりましたよ。
もちろんあのツマミ軍団に対して日本酒一杯では兵力不足です。徴兵だー!召喚だー!辛口純米黒牛よ、出でよ!素晴らしい芳香とすっきりしたお酒・・だったと思いますが、なぜこれにしたのかというと
敵の次の戦力は松茸の土瓶蒸しだから!うわー、今年初松茸。こちらはたいへん淡麗なウマさなので、クセがなくてすっきりしている(気がする)お酒を選んだのでした。
ほーら、すっきりした飲み口の酒と松茸の香りが口の中でけっこん、けっこん、しーたー♪
Oさん「松茸ってウマいですよね。いやー、ここにしてよかった!まあ俺はお茶ですけど」
ご心配なく。お酒はあなたの分も引き受けます。ビタミンCサプリをヘパリーゼで飲みくだしてきました!
もはやその腕前に信頼しか置くことのできないマスター、お次は・・
「お造りです」
ふっはーーーー!!なんですかコレは!美術品?
これはもうアレだ。メニューで最初に見た時から隠し玉と決めていた雁木よ、出でよ!
Oさん「・・・えっ?造りということはまだ中盤あたりでは?それって隠し玉?」
いいんですよ、どうせ絶対飲むのですから。ピッチャーじゃないのです、出る順番は気にしない!
マスター、かくさないでください。これは確かに本マグロであるはずです。
「はい、良いモノが入りました」
だから雁木だと言ったでしょう!かの有名な獺祭と同郷の酒ですが、濃醇さではこっちが上かなーと思っておりますので、ウマすぎる魚には雁木!たぶん。結局獺祭も飲むことになるでしょうが。きっと。
大好物の炙りですが、左側はなんでしたっけ?太刀魚だったような・・・確実に覚えているのは一つ、失禁するかと思うほどウマかった!
包丁の切れ味と腕前が伝わってくる白身魚たち。前略、土門さま。明石の海は豊穣です。
イカ刺しを刺身のレベル測定に使う私、今さら測定の必要はない気がしますが・・うむ、5つ星!
次にちらっと不穏なメニューが見えてしまったので、南方の無濾過生原酒を注文しましょう。かの南方熊楠先生の実家で醸しているお酒ですね。水木しげる先生が南方先生の生涯を描いた「猫楠」は面白すぎますね。
Oさん「つまり名前で選んだんですか?」
いや、スパッと切れる辛口なのに無濾過生だから芳醇さや酸もあってウマいんですよ、これ。
で、見えてしまったのはこれ、ノドグロ!!
Oさん「ぎゃーーー!!俺が魚で一番好きなのコレです!」
そりゃーみんな大好きですよ!ノドグロ!これをどう食べさせてくれるのですか?
Oさん「ぎゃーーー!しゃぶしゃぶ!!ノドグロのしゃぶしゃぶよ、このO、きみのためなら死ねる!」
おお、なぜ愛と誠・・?でもまだ地獄に行くのは早い!食べましょう。
周囲がちょいと白くなってきましたね、よし!ポン酢につけて・・・
Oさん「こっ、これは!・・・い、息が・・さささ、酸素ボンベを・・・」
ぐむむ、ノドグロの脂と身の旨みがががが、南方と舌の上でででで。すみません、誰かAEDを持ってきてください。
こうなるともう、なんだーかんだーで結局頼りになるアイツに出陣していただきましょう!獺祭磨き二割三分!
Oさん「おお、尾頭さんならぬ秋夏子が愛するお酒ですね」
尾頭さん、実写版キューティーハニーの秋夏子役でも死ぬほどかわいかったですよねえ。あっちはさらにメガネ補正がありましたからね。そばかす+メガネとか反則すぎる。
そしてなんですか、これは!鮎、あわび、ハモだと!?私の嫌いなものがないじゃないですか!
Oさん「そもそも嫌いなものあるんですか?」
一応カニはあまり食べないようにしています。味は好きですが。
そういえば日本酒首都たる兵庫に来たのに兵庫のお酒を飲んでいないような。淡路のお酒、都美人山廃をいただきましょう。山廃らしく味も香りも分厚い感じですが、飲み込むとすがすがしい後味。いい酒だ、これ。
そして鮎!鮎の塩焼きよ、このオーヤマ、きみのためなら死ねる!
Oさん「残りのメニューを全部もらうから早く死んで!」
むむ、この食事が終わるまでは保留!鮎、正直、スマンかった!
こちらのアワビはコリコリでなくむっちり歯ごたえを引き出しております。うーん、夏味。
そしてハモ!これだ、これが夏の関西だ!!ふはーうんめえ。えーい、黒牛もう一杯〜。
Oさん「どうしましょう。とうとう神戸ビーフが出てきましたよ」
あれ、Oさん神戸在住なんだから年がら年中食べている・・ワケはないか。しかしここで肉を持ってくるとは!しかもこの美しさ・・
ここでなにか強力な無濾過生原酒を・・あ、先ほどの南方と同じ酒造、世界一統の昴大吟醸があるじゃないですか!君なら神戸ビーフと戦える!!
やっぱり!横綱同士のぶつかりあいになりました!穏やかかつ強烈に(どんなだ)己をアピールしてきますね。舌上の名勝負が繰り広げられます。
大将「そろそろ締めのご飯ですが、どのくらいの量がよろしいですか?」
うーん、実はお腹がはちきれそうですが・・
Oさん「ちなみにご飯って」
大将「炊き込みご飯にイクラを乗せたものになります」
・・・お腹がはりさけても食べます。
Oさん「死んでも食べぬきますよ!」
きゃー!なんですか、この美しさ!メシと汁と漬物!!昼飯だったらこれで幸福の絶頂に到達しそうです。イクラを足してベストとなるこのすばらしい味加減・・この闘六味、大将の勝ちとします。
Oさん「いつから包丁人味平の勝負になっていたのでしょう」
大将「最後の最後にデザートです」
何コレ?
中から白玉・・パクリと食べると、まあ、あら!ネクターを255倍くらい洗練させた桃ピューレで作った桃のおしるこ風(というのか)!!大将、名前を聞きそびれましたが完敗です・・・たぶんヤスさんですね。美食の犯人はヤス。季節を変えてまた来ますのでその時はまた驚かしてください。
Oさん「この店を選んだ俺にはなにもないのですか?」
知りません。
ではお会計を・・・不思議だ、一人1万円のコースなのに36000円くらいになっていますよ。なんの間違いでしょう?
Oさん「15000円くらい日本酒でしょう」
・・・納得しました。
栄ゐ田HANARE 兵庫県神戸市中央区山本通り1-3-3 1F