職業不詳の金持ちT氏とめぐる北海道、始まってしまいました。とりあえず小樽に到着。小樽といえば、T氏、何を思い浮かべますか?
T氏「まずは運河だろ。あとはチョコとガラスの醤油さしと・・えーと、レンガ?」
うんうん、良い回答ですがちょこっと違います。実は誰がなんと言っても断じて寿司なのです。まずは寿司屋通りに行きましょう。
運河通りは外人さん渋滞でしたが、街そのもののメインと思われる駅近くのアーケード街は閑散としておりますねえ。好みだ。
T氏「これが好みなのか」
ええ、ちょっと立派すぎる気もしますが、人の少なさが素敵。喫茶店とかあったら腰を据えてしまいそうです。
アーケードを抜けると、そこは寿司屋通りだった・・というわけで、寿司屋通りに到着しました。ほら、寿司屋ばかりですよ。
T氏「もちろん店とか調べてあるんだろ?」
そう思うでしょう?でも実はですね、寿司屋通りというくらいだからいくらでも店はあるだろうということで、見事にノープランなのです。テキトーに入りましょう」
T氏「おおっと!・・まあそれも楽しそうだな」
ししゃもとかニシンの握りを出すという面白そうなお店がありましたが、残念ながら満席。どうしようかなーと歩いていますと、少々大きめで小綺麗な店舗が。やあ、これはT氏好みの清潔で落ち着いた雰囲気ではないですか。
T氏「うん、俺はこういう上品な店が好きだ」
(見た目はスキンヘッドで北斗の拳のヒャッハー要員みたいですが・・)
ありがたいことに店頭にメニューが掲示してありますよ。もちろん地魚握り的なものがあれば即決です。あら、道産丼とか北海丼とか響きがいいですね。
T氏「でもせっかくなら握ってあるのが食べたいな」
私もそう思います。実は私の中で海鮮丼って優先順位が低い。なぜかは知りません。
あ、ランチメニューもありますよ。へー、安いじゃないですか。
T氏「ネタが格落ちするであろうランチ寿司なんぞを俺に食わせる気か」
すみません、一応食のブログでもあるので載せておかないと。お許しを。まあここに入りましょう。「寿し処 ひきめ」さんというお店です。
店内に入ってメニューを拝見。「大将おまかせにぎり」は12カン5000円というなかなか強気なお値段です。ちょっと深呼吸をして落ち着きましょう。
あ、隣のページは好感が持てる金額ですね。「磯」2600円が昼食的にちょうどいいのでしょうか。
おや、ザンギもあるのですか。北海道に来たからには食べておきたいところです。まあ早い話が唐揚げなので、別に寿司屋さんで食べることもないのか。
熱くて濃いお茶が少量出てきました。石田三成の機転とは逆の気もしますが、ここは10月の北海道。関東のヌルい天気に慣れた身には風が冷たすぎるので、熱いお茶がありがたい。うまいうまい。
えーと、注文ですが・・
T氏「俺は大将おまかせにぎりだな」
・・・いきなりテッペンを注文されると他のを頼みにくくなりますね。じゃあそれ2つでお願いします。
ほどなくして来ました。おお、なんとなくドドドドと効果音が聞こえるようなビジュアル!
うんうん、小ぶりで形が決まった美しい寿司じゃないですか。ネタが厚い!とかよく言いますが、厚く切るだけなら職人さんでなくてもできます。寿司の命は美しさ!
岡山で山ほど食べた気がするシャコ、そして北海道だけにカニ、その隣は・・見た目キンメダイだけど北海道だからキンキかな?あんまり寿司で食べたことがないですが、たぶんそうなのでしょう。やけに美味かった。
ホタテにアジ(?)。ホタテがうまいのは当然ですが、なんだこのアジは!私の知っているアジよりうまい!ちょっとうますぎますが、実はニシンだったりするのかしら…でも季節的に生ニシンってことはない…小樽ならあるのか?聞けばよかった。
これは北海道感全開!ホッキにボタンエビ!エビが、また、この、ほら、ねえ!!(エビ好き)
ちょっと隠れてしまっていますが、貝類の女神アワビ!そして北海道の寿司における永遠の主役、イクラとウニ!7・8年前、カニ食えないと言ってツアーに参加したらイクラとウニばかり食べさせられた気がします。
このウニは生きているウニからスプーンで直接食べるヤツの次にウマい塩水ウニ(たぶん)ですね!こってり甘くてほんのりしょっぱくてとろっとしてもう涙目です。
ヒラメ・・ですよね?落語家も喜ぶモチモチな白身と、寿司のホームラン王、大トロ!なんだかんだでこの人が出ると真打登場な感じです。結局最後の1カンとして取っておいてしまう・・そしてやはり!ンマーイ!!
T氏「普通おすすめとか特上にぎりは3000円くらいだけど、ここのは高級ネタもあるからなあ。確かに5000円でもアリだな」
のっけから心臓には悪かったですが、北海道の雰囲気バッチリの高級ネタオンパレード。職人さんの腕前も見事。お値段分の価値はありましたね。
そして吸い物が・・やあ、これはめずらしい。とろろ昆布じゃないですか。北海道のご当地補正があるとうれしくなります。うまいうまい。
仕上げはややぬるめのお茶をたっぷり・・やはり石田三成とは逆な気がしますが、いやー、これがまた落ち着く。
T氏「寿司屋でおとなしくお茶なんか飲んで、いつものように酒が飲めないとかなんとかボヤかないのか」
ボヤいたら運転かわってくれるのですか。
T氏「いや、それはできない相談だな」
そうでしょう?実は私も最近寿司屋で酒を飲まないことに慣れてきてしまいましたよ・・・
T氏「寿司も食べたし、次はどこに移動するの?」
少々お待ちを。二泊三日の旅ですので、帰った日に食べる用のツマミを手配していきましょう。小樽の駅前にあります三角市場!ここで干物系を買えば、二日後に群馬に届くのでちょうどいいのであります。
うわー、通りは想像よりはるかにせまい!密集系市場でしたね!とりあえず品定めに二往復くらいしてみましょう。
T氏「わりと距離は短いんだな」
ものすごい密度ですね。これはこれで楽チンでいいです。
ところどころにものすごい行列がありますが、なんでしょう?
T氏「わからなければ聞こう。なんの行列なの?」
店員さん「あ、海鮮丼いかがですか?30分くらいでご案内できると思いますので」
T氏「・・・なるほど。どうやら丼待ち行列らしい」
あ、海鮮丼待ちですか?・・・・並んでも食べたいのですね?すごいなあ。
今年は鮭が不漁と聞いていましたが、うーん、確かにちょっといいお値段。交渉の余地はありそうですが・・でも実は帰った翌日から母が北海道旅行だから、どうせ食べきれないぞ・・・というわけで、結局ホッケの干物とイカの丸干し、そして寿司屋でうますぎた塩水うにを送りました。
T氏「そして次はどこだ?」
T氏は興味ないであろう、私の趣味スポットに行きます。マッサーーン!! つづく
寿し処 ひきめ 北海道小樽市色内1丁目10番6号
小樽三角市場 北海道小樽市稲穂3丁目10−16