純と蛍が好きらしいT氏とめぐる北海道、つづきです。
さて、お腹もいっぱいになりましたので観光に行きましょう。T氏のご希望である「北の国から」のロケ地をちょいちょいと回ろうと思います。
T氏「うむ、それが楽しみで来たんだ。連続ドラマの時からずーっと観ててな」
連続ドラマは1981年・・・あ、そうか。T氏ははるか年上ですもんね。私はこの世にいるかも怪しい時期です。
T氏「でも再放送も何度もあったし、総集編みたいのもあったしな」
詳しそうですね。では解説をお願いします。
というわけで、まずは「拾ってきた家」から来ましたが、拾ってきたというのは?
T氏「これは最後の『遺言』のやつだな。拾い集めた廃材で作った家。五郎さん最後の傑作だな。これは2002年だし覚えてるだろ?」
大工さんのお話だったかな?まあどんな家か見てみましょう。
うおぉ、いきなり前衛芸術のような建物が登場しましたよ。
T氏「なんでも捨てちゃう世の中だから、捨てられたものに再度命を吹き込む!と五郎さんがだな」
うーん、青大将もやりますね。
T氏「まあ確かに青大将だけど・・なんかおかしいな」
ちょっとした説明もあるではないですか。拾ってきた廃棄物や解体された家の木材・・ああ、さすがに木材も使用しているのですね。都合良く廃材が落ちているかは別として。
T氏「オール廃棄物という設定はさすがに無理があったんだな」
中にお邪魔してみましょう。なんかナナメの窓が不思議な感じですが、やや、これは引き戸の再利用か。うーむ、ウチのキッチンより機能的かもしれない。
まあ、外から見たらごく普通の明り窓でしたが、実はお酒の瓶だったのですね。これはすごいアイディアですよ。マネしようかしら。でも日本酒の瓶ばかりのウチでは暗い窓になってしまいますね。
T氏「まず丸い瓶だから窓にならないだろう」
なるほど、廃材と解体家屋の木材で作ってあるから雨漏りだらけという設定なのか。ディテールに至るまですごいですね。
T氏「これは単純に老朽化だろう。もともと住むためじゃなくて撮影用だし」
・・・ああ、やっぱり。
茶の間・・というのでしょうか。例によって窓がナナメですが、あとはごく自然に茶の間です。私の部屋よりいいかもしれない。
T氏「あんまりいい所に住んでないんだなあ」
おや、アイスケーキの箱が置いてありますね。さすが北の国、クリスマスケーキもアイスでできているのですね・・・・あれ、オハヨー乳業?これって岡山県の会社では?
T氏「細かい奴だなあ。いいんだよ、箱が北っぽいから」
この家は五郎さんでなくて雪子さんの家でしたっけ?吉川英治先生が好きなんて仲良くなれそうです。人の蔵書を見るのって楽しいですねえ。
最近まるで見なくなった電話ボックスですね。イラン人から買ったニセテレカで警報が鳴ったあの日。
T氏「俺はよくパッキーカードを買ったなあ」
どちらも見なくなりましたねえ。ところで勝手口として利用って、どう利用しているのでしょう。
うおっ、これか!自然すぎてわからなかった!言われてみれば電話ボックスのような気がします。スゲーな、五郎!
こちらは何の家ですか?
T氏「俺もよく知らん」
どれどれ、調べてみましょう。へー、純と結のための新居で、ドラマ撮影終了後に作られたとかなんとか。
これはメイン原材料がわかりやすいですね!
T氏「バス、だなあ」
あ、そして中も!リビングが・・・バス!!
T氏「修学旅行でいえばクラスのリア充的なポジションが独占したあの席か!」
T氏の世代ではアホみたいなヤンキー共の席では?
T氏「うむ、俺が座っていた側だからリア充ということにしておいてくれ」
それは失礼いたしました。ただのウェーイ軍団のような・・さて、お次はえーと、丸太小屋と三番目の家なるものがある「麓郷の森」に行きましょうか。
麓郷の森に入るなり、「気がつけば今五郎の生き方」という看板が!すごい勢いで観光資源なんですね!
T氏「富良野といえば他にはラベンダーしか思いつかないしな。でも日本人の66%(T氏調べ)が視聴したドラマだし、いいんじゃないか?」
あ、そんなにみなさん観ていたのですか?へー。
T氏「あれ?もしかしてこの男・・いや、そんなはずは・・・」
テクテクと歩いてきましたら・・やあ、これは確かに丸太小屋ですね。
T氏「ドラマでは燃えちゃったはずなのに残ってるんだなあ。あ、丸太小屋といえばコレじゃないけど『初恋』の山小屋のシーン、最高だよな!」
最高といいますと?
T氏「覚えてないの?純が女の子と一緒にいて、いきなり大雨がふってさ、近くにあった山小屋で暖をとるんだけど、火の前で二人で下着姿になったもんだから純の局部が変形しちゃってさ。またその時の女の子がかわいいんだ!横山めぐみだっけ?」
大雨をさけて山小屋!焚き火の前で下着!なんですかそのエロゲも裸足で逃げるコテコテなシチュエーションは!それでは純だけでなく私のスラッシュアックスも変形をまぬがれません。剣モード突入!
T氏「属性解放フィニッシュ待ったなしだな!」
いや、下ネタ禁止でお願いします。
T氏「これが三番目の家だ」
・・なんか他に比べると芸のない名前ですね。
T氏「さっきの丸太小屋が燃えちゃったから仕方なく引っ越した家だからな。たしか五郎さん作ではないはず。でもほら」
T氏「あのフライパンの風車、純が作ったんだけど、アレで風力発電とかしてたじゃないか」
あれで?できますかねえ?
T氏「電球はついてたけどなあ。たしか五郎さんへの誕生日プレゼントってことだったぞ」
まあ、息子の愛が詰まっているのですね。エエ話だ。じゃあ電球くらいつきます、きっと。
そして最後、「五郎の石の家」にやってまいりました。石の家・・?
T氏「おお、ここは見たかったぞ!すごいんだよな」
まあ、これは確かに石の家!すごいじゃないですか。これも五郎さんが?
T氏「そうだよ。たぶん一番有名な家だぞ。なんで知らないんだ?」
いや、まあ・・・
おお、風車もありますね。これはお得意の風力発電ですか?
T氏「あれ?風呂に水を入れる用のポンプだったかな?そこまではよく覚えてない」
しかしこれは・・誰が見てもガウディ先生の影響が大きすぎるような。
T氏「五郎さん、ヨーロッパ建築好きだったのかなあ」
拾ってきた家といい、ものすごくアーティスティックな方ですよね。
T氏「おお!この風呂!宮沢りえが入ってたんだよなー!!」
えっ?そんな大切なことをなぜ今ごろ言うのですか!つまり思いっきり深呼吸すれば若き日の宮沢りえの残り香が・・?スウゥゥゥゥーーー!!!おお、なんとなくフローラルな・・・
T氏「あ、宮沢りえがお湯を沸かして、入ってたのは田中邦衛だった」
ゲエッフン!ゲフッ、ゲフッ!!
うーん、気持ち悪い・・・気をとりなおして室内を見てみましょう。あらやだ、五郎さんたら男山がお好きなんですね。一升瓶から直接湯のみに投入とは、私と同じような飲み方ですね。
T氏「日本のおっさんというのは変わらないものなんだなあ」
「電気がなかったら暮らせませんよ」「そんなことないですよ」「夜になったらどうするの?」「夜になったら眠るのです」
あ、これが導入部ですか?むむ・・・このドラマ、スゲー面白そうですね!観てみようかしら。
T氏「・・・えっ?いや、薄々気づいてはいたが、まさかここまで見学しておいて、実は一回も観たことないとか?」
そうですよ。言いませんでしたっけ?ほら、今回の記事のタイトルを見てください。
T氏「信じられんぜ!・・・でも確かになんとなくそんな雰囲気はあったな。よく今まで黙ってついてきたなあ」
いや、割と面白かったですし、次の場所は200%私の趣味ですから、どうぞお気になさらず。 つづく
拾ってきた家 北海道富良野市麓郷市街地
五郎の石の家 北海道富良野市東麓郷