最近北千住で飲む機会が増えてきました。そこでいっこ大事なのは、私が気に入った町で必ず探す焼き鳥屋さん。どこかイカした焼き鳥屋は・・?と調べたところ、かの有名なミシュランガイドで一つ星を獲得したお店があるのですって?あの魔窟と名高い北千住に!?
北千住の焼き鳥と聞くと、なんかおっさん純度が高すぎてミシュラン調査員の平均年齢が心配になりますが、とりあえず潜入してみましょう!
大山道場門下生Kを召喚して北千住に来てみましたが、店はどこだろう?
K「あ、たぶんコレじゃないですかね」
まあ、そう言われてみるとニワトリさんのイラストが!飲み屋ストリートに面しているのに非常に目立ちません。何屋さんかも謎だから、今まで気がつかなかったのか。
こちらのお店は小さめかつ大繁盛ですので、予約をしていないとなかなか入れないかもしれません。予約の場合コースメニューのみ(もしかしたら平日は違う)、2時間までとなかなか敷居が高いですが、飛び込みの方々がことごとく玉砕していたので予約推奨・・たぶん必須です。4000円と6000円のコースがあるということなので、6000円でお願いしました。お値段的には別に高くはない・・ような気がしましたが、焼き鳥としてはちょっといいお値段ですね。
ではとりあえずお酒を頼みましょう。ちょっと(だいぶ)見づらい写真ですみませんが、こちらの日本酒メニュー、なんと先頭が神亀!そしてその次が竹鶴!うわー、びっくりした。私の好きな日本酒トップ2じゃないですか!!!神亀のひこ孫と竹鶴の純米原酒大和をお願いします!
店員さん「はい、どっちの方が神亀?」
あ、両方わたくしめがいただきます。Kは?
K「生ビールにしておきましょう」
ではかんぱーい!ビールにも乾杯負けしない、ちょっと大ぶりの器でうれしい。
K「竹鶴ってずいぶん濁ってますね」
これは原酒だからこんなもんでしょう。キン肉マンのライバルであるシシカバブーがビンごとしぼったかのようにコクがあってウマいお酒なのよ。
K「言葉の意味はよくわかりませんが、とにかくすごくおいしそうですね」
お通しポジションの軍鶏スープと軍鶏の梅わさびあえが登場いたしました。軍鶏スープ・・・なんだこの滋味は。このスープでラーメンでなくにゅうめんを作れば行列ができてしまうこと疑いなしの、パンチがありつつ優しい旨味です。「滋養なんてどこにあるんだ」と聞かれたら、ここにあると答えましょう。
K「実は梅とわさびが好きなんです。つまり・・この梅わさびあえ、色々反則すぎます」
2品ともいきなりガツンときました。ジャブのはずがKO寸前です・・・
前菜は左から軍鶏皮の二杯酢、砂肝ゼリー寄せ、軍鶏の煮卵です。真ん中の砂肝ゼリー寄せの下半分が鶏出汁の煮こごりゼリーになっておりまして、見た目は上品なのにすごく骨太なウマさ!神亀のどっしり骨太な麹味にピッタリすぎる!軍鶏皮にパクチーとかもズルすぎるぞ。
K「煮卵はラーメン屋がしっぽを巻いて逃げだしそうですね」
お次は自家製レバーパテ!ふはー、レバー大好き!レバーペースト大好き!!
K「うわー、レバー嫌い!」
おお、それではいただきましょうか?
K「でもなんだかここのは違うオーラを感じるので食べます・・・あっ!!」
あっ?
K「口にすると最初すっごいさわやかな風味なのに、後からものすごくコッテリした味!おいしいです!飲み込む直前だけちょっとレバー味ですけど、レバー嫌いな人が嫌いなパサパサ感とクドい風味がないです!」
うーむ、もらいそこねたか。ホントだ!レバー好きの私にはさらに倍でウマい!!
この辺で竹鶴を追加・・というか、ビンごと置いてほしいざます。
店員さん「常に二杯置いておくお客様も珍しいです。お酒好きなんですね。あ、この竹鶴の杜氏さん、石川さんから美味しい柿が届いてねー」
あれあれ?石川杜氏といえば、神亀で修行をして、現在は竹鶴でお酒を造っている方ですよね。だから私は両方のお酒が大好きなのですが。
店員さん「いつもこの時期になると柿とか送ってくれるのよー」
・・・なんでだろ?と思ってあとで調べたら、石川杜氏さんたら無名時代のここで働いていたのですか?ほえー、ビックリした!!
たぶん追加はしないと思いますが、追加用アラカルトメニューにも目を通しておきましょうか。トリュフ塩キャベツ串焼きとかソリとかボンボチといった、いわゆるキラーメニューがちらほら見えますね。
軍鶏の親子丼、軍鶏の雑炊、軍鶏の玉子のプリン・・ゴ、ゴクリ・・どれか出るかな?
そしてメインであります、焼き物ゾーンに突入!まずはわさび焼きです。当たり前ですがわさびは本物。そして・・あれれ?わさびだから当然ササミだろうと思っていましたが、これはササミまわりの胸肉を串に巻き付けたモノですか?なんだか肉の味が濃くてわさびにピッタリ!うはー、これはちょっと・・竹鶴おかわりでお願いします。
いまだかつてコレが嫌いな人には会ったことがありません、砂肝。このコリコリ感と旨味はもうどうにもなりません。
K「これはいけません。私もビールをおかわりで・・」
そうでしょうとも。
しいたけですね。しいたけ養殖発祥の地である群馬出身の私に言わせれば、これは驚くほどではない・・と思ったら、なんだこの素晴らしい焼き加減は。
K「焼き方さんの目つきと手つきがすごいですよね・・串をしきりに移動しているのは炭火の強さと串の焼け具合を見て、細かく調整しているのかな?」
むむ、あなたブロガーでしたか?よく見ていますねえ。
えっ?これ・・・まさか、ハラミ?ぼんじりより好きな最愛の部位が来ちゃった?やだちょっと、どうしよう・・半分は竹鶴で食べるとして、残り半分は・・あ、そうだ!
銘柄は忘れましたが、いかにも辛口そうな白ワインを召喚!こちらのお店、やけにワインの品揃えが豊富でした。肉と脂両方の味が濃く、なおかつ素敵な歯ごたえを持つ奇跡の部位ハラミ、ワインとも仲良く力比べをしてくれるはず。ほーら、ウマすぎて泣きそうになったー!!幸せだーー!!
この辺でレタスとベビーリーフのサラダが出てきます。なんと酒飲みの気持ちを理解しているのでしょう。うわー、口のなかサッパリ。後半戦スタート!
そして出てきたのは・・つくねか?これ。
店員さん「黄身をまぶして食べてください」
まあ、やけにプリンプリンな黄身ですね。どれどれ・・ふはー、今までの塩推しとは一変、思いのほか甘い側に振ったタレと、素晴らしく濃厚な黄身、そして強力なトリ風味のつくねの三位一体!これはワインというよりは神亀か竹鶴か・・ガツンと強烈な日本酒プリーズ。
テキトーにタレが入った黄身にパンをひたして食べると、これまたパラダイスです。タレもパンもうまいけど、玉子がずるいウマさだなあ!!
ここで串の仕上げとして、見るからに美しいねぎまがやってまいりました。ぼんじりも純けいもいいですが、やはり焼き鳥の王様はねぎまですよね。トリとネギを一緒に食べる党党首です。
お次に来たのは軍鶏の山椒焼き!なんとなんと、もう一回メインが来るとは!!しかもスッゲーうまそう!!
K「スッゲーうまいです!山椒はほんの風味付けですね。とにかく軍鶏の香ばしさと旨味がすごい!!」
これはうまい、うまいですよ!思わず追加したくなる。でも焼けるのに時間がかかるみたいなので、ここは余韻を残しておくとしましょう。
そろそろコースも終了かなーというところで、ミニきゅうりのぬか漬けが一本ドーンと。コリコリとおいしくいただいて、再び口中をさっぱり・・はて、あとは何が出るんでしたかね。
K「メニューによりますと・・これは危険。軍鶏の親子丼とか恐ろしい単語が書いてありますが」
な、なにーー?
ぎゃー!!これはもうウマいヤツでしょう!玉子の半熟っぷりが美しすぎやしませんか?しかも今までのトリと玉子でしょ?
K「こ、これは・・おいしいです。あんなに自己主張していた軍鶏と玉子なのに、とじて丼にすると優し〜い味になるから不思議」
丼というか茶碗ですけど、そこがちょうどいい。心地いい満腹になりましたねー。これは鶏肉好きの私、新たな聖地に到達した感が・・・!次はあえて4000円コースで、アラカルトメニューを多めに頼んでみようかしら。
K「次も確定なんですか?その時は呼んでくれてもいいですよ」
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