牡蠣と馬刺しを求めてふらっと栃木、というかふらっと那珂川町、続きです。私の知るこの辺は馬頭という町でしたが、いつの間にやら那珂川町になっていました。そして馬頭時代に来た時はこちらの名物はたぶん温泉と馬肉だった・・はず。あと鮎ね。
メインストリートと呼ぶにはアレな通りですが、歌川広重の美術館とちょっとした商店街がありましす。そして私の記憶が確かなら馬肉を売る肉屋さんが数軒あったはずです。やあ、あっという間にそれらしき看板が見つかりましたよ。「秘伝!!たれ付馬さし」ですって!「美味しいガッツサンド」ののぼりも気になるけど、むむ、こちらは「予約にて承ります」か。
看板だけでなく、オーニングにも誇り高き「馬さし」の文字が!まさに選りすぐりの馬肉を扱っている雰囲気ですが、おかしいな・・・店名が「とりよし」さんですよ。肉屋さんでとりよしって鶏肉専門店確定予告じゃないですか!どういうことだ!
店内に足を踏み入れるとなんとビックリ!ショーケースの中は馬肉のみ!キョロキョロしても本当に馬肉しか売っていない!ロース・霜降り・タテガミ・煮込み用の巨大な肉塊・燻製等々・・・!そして肉屋さんのもう一つの売りである惣菜コーナーには馬肉コロッケの文字まであります。す、すごい・・!馬肉の天国だった。
ところでガッツサンドってなんじゃろ。
店員さん「ガッツサンドは厚いヒレカツをはさんだカツサンドです。1時間前にご予約いただければご用意できますよ」
カツサンド!サンドは豚なんですね。次回来る際にはぜひとも予約するとして、ではロースとタテガミをこのパックとこのパックでお願いしまーす(真空パックになっている)。秘伝のタレは70円?安いけど自宅に用意があるので今回はなしで。
店員さん「じゃあ辛味噌だけつけておきますね」
そして黙っていても大きな氷まで。ありがとうございます。親切でありがたいお店ですが、とりあえずうまよしに改名してください。
帰宅して、さあ馬刺しをアテに飲みましょう!何グラムかよくわからないけど、たっぷりしたロースのブロックが2460円、タテガミが1210円。安いのか高いのか・・・
切ってみてわかりました、安い!馬肉を出す飲み屋さんで3500円程度の盛り合わせといえば、まあ多くて15〜20切れかなーと思いますが、これって何切れあるんだ。しかもこんな大雑把な切り方で。希少部位とされるタテガミもこんなにドーン!!
この大量の馬刺しに対抗するのは、フンドーキンのあまくちさしみ醤油にとりよしさん特製の辛味噌、そしてニンニクスライス!馬刺しにはこのフンドーキンのあまくちさしみ用、しかも安いヤツがいいのです。とってつけたようなわざとらしい甘さがたまりません。
馬刺しなので焼酎か?とも思いましたが、ここは馬肉の聖地の一つである長野の美酒、信濃鶴のしぼりたて純米無濾過生原酒でいきましょう。たっぷりとした米の旨みと生酒特有のフレッシュな風味がニンニク・あまくち醤油・馬肉の強烈な三重奏にピッタリ合うはずです。まさに対抗馬。
まずはロース!思わず誰かに謝りたくなるほどのこの旨味!やはり生肉の王は馬肉だー!!そして話によると鉄分たっぷりなので、健康診断で貧血気味と指摘される私にはありがたい。
お次はコーネ、つまりタテガミ。脂とコラーゲンのかたまりです。馬肉の通常部位にはないコッテリとした甘みがたまりません。ほとんどのお店では数枚だけちょこんと恥ずかしそうにしているタテガミさん、こんなに山ほど食べる機会も珍しい。
もちろんロースとタテガミを一緒に買ったのはこのため、馬刺し界の究極神拳である紅白重ね!!甘くてうまくてもっちりくにゅくにゅな物体がタレの甘辛ショッパーと一体になって、そこに酒を流し込むと・・・うおー、FATALITY!!
なんだかよくわかりませんが、馬が群れている群馬に生まれてよかったー!と思う瞬間・・・あれ、買ったのは栃木か。
とにかく車で90分程度のところにこんなパカパカ天国があったのを忘れていたとは!ということで、ポイントカードも作ったところで通いつめようと決めたのでした。
とりよし 栃木県那須郡那珂川町馬頭329-2