奥さんがメガネ美女という犯罪者Iさんと京都を楽しみまして、さて、名残惜しいですが帰ることになりました。Iさんを送って岐阜まで来たけど、やはりこのまままっすぐ帰るのもなんとなく味気ない。この辺で良い旅館とか知りませんか。GWなので下呂温泉とかでなく、渋いところ。
Iさん「ウチから車で30分くらいにある『岩村山荘』さんの評判がいいみたいです」
なるほど、近くて渋い。では泊まってみましょう。
ではまた〜とIさんと別れまして、ブブーとやってきました、岩村山荘さん!「もう一人のおんな城主の城」として絶賛売り出し中の岩村城址の入口にデデンと、まさしく城のような迫力で建っています。
とりあえず部屋に入りまして、ドボンと風呂に入って晩飯だ!ちょっとチェックインが遅れてしまったので忙しいぞ!ドタドタと食事処に向かいましょう。
食事処に向かう途中で飛騨牛や寒天そだちの三浦豚のポスターが・・・戦国料理が名物ということですが、どんな料理なんでしょ。この辺を食べることができるのかしら?飛騨牛来ちゃうのか?
食卓につくと、やはり「もうひとりの女城主」が!こちらの女城主はおつやの方といって、織田信長の叔母だけど織田方を裏切って武田方について最後は織田軍に処刑され・・と、ちょっとドラマにするには悲劇的すぎる方のようです。わざわざ記録に残るほどの美女だったそうなので、原哲夫先生がマミヤかユリアの顔で劇画化してくだされば爆発するかもしれません。
食卓の中央にはデデンと囲炉裏・・というのか、とにかく炭火が赤々と燃えています。戦国料理とは卓上炭火焼きのことなのかな?確かに野趣あふれて楽しそうです。
とりあえず飲み物を頼むか。戦国料理ならば日本酒ですかね。いつも日本酒な気もしますけど。えーと、どれにしようかな。
仲居さん「お客様は利き酒セットつきプランでしたよね。今お持ちしますね」
おお、さすが私。そんなプランでお願いしていたとは。
やってきたのは女城主・笠置鶴・鯨波・・なんとなんと、全部恵那峡や中津川、つまりこの辺の地酒!オール県内どころかオールご近所という真の地酒です!これは嬉しい・・ので、写真を撮る前に全部飲んじゃった。
この湯葉と花ワサビの和え物がたまらなく日本酒を呼ぶので仕方なかったのです。というわけで追加注文だ!どれも美味しかったけど、せっかくなので名前で選びましょう。女城主純米吟醸を2本ください。
仲居さん「2本ですか?いっぺんに?」
たぶんもう1本頼みますが、とりあえず。
というわけで、女城主おつやの方のおな〜り〜。吟醸香は控えめ、酸も甘味も控えめですっきりと柔らかい、食べ物の味の邪魔をしない食中酒の鏡みたいなお酒です。言われてみると細面の女性のような雰囲気・・かもしれない。
そして見るからにベテランの仲居さんが戦国料理を持ってきてくれました。
仲居さん「左から飛騨牛、恵那地鶏のみそ漬け、寒天そだちの豚ね。全部この辺のお肉なの。とりあえず飛騨牛から焼いてみせるからね」
酒は地酒で肉は地肉!地産地消すぎて素晴らしいですね。なお飛騨牛は3切れほどありましたが、写真は仲居さんがいくつか焼いた後です。飛騨牛だけケチっているわけではありません。
仲居さん「まず朴葉の下に玉ねぎを置いてちょっと隙間を作ってね、お味噌が焦げないようにするの」
おおー、岐阜の旅館のアイデンティティ、朴葉みそ!やっぱりいましたか。
仲居さん「そしてシイタケはすごく肉厚でおいしいから、こうやって塩をふって、水が出てきたら返してほんのちょっとたてば食べごろだから。あ、シシトウ焼けた!」
仲居さん「朴葉みそを焦げはじまった所から取って、野菜にのせて食べてね」
はいはい。パクリ。うおーっ!ミソとワラビとシシトウ!日本人はなんて貧しいんだ!こんなものが死ぬほどうまいんだからなーっ!
朴葉みそを食べた時に一度言ってみたかったセリフです、はい。
シイタケもお皿にのせてくれました。
仲居さん「お兄さん、肉はよく焼く人?赤くても大丈夫な人?」
赤い方が好きな人です。
仲居さん「じゃあ今だ、はい。飛騨牛はタレ、豚は塩と胡椒、鶏は味がついてるからそのままがおいしいよ」
わーい、ありがとうございます。なるほど、シイタケうまいな!
仲居さん「あとは好きなように焼いてね。おなかいっぱい食べてね!」
はーい。
ではどうしようかな。まずはこれからやってみるか。寒天そだちという豚肉に塩をサラァァ!
豚さんはよく焼いた方がいいので、その間に刺身をいただきましょう。こちらは山荘らしくマスとコンニャクです。ふるさとの群馬に帰ったようだ・・・海なし県の刺身はやはりコレですよね!悔しくなんかない、マスうまいぞ!
あら、豚が良い色なのでいただきましょう。おおー、 GOURMET!良い豚ですね!寒天でお通じが良くなって健康に育つのでしょう。たぶん。
そして手前の物体も良い焼き色になってまいりましたけど、なんだっけコレ。
説明によるとジャガイモの芋餅だったかな?まずはそのままかじってみましょう。アツツ・・!うあー、もっちもち!でも確かにジャガイモの味だ。これはいい!このままでも美味しいですが
朴葉みそをオンでいただくと、これはたまりません!ぎゃー!もしかして一番酒に合うの、コレでは?
と言ったそばから猛烈に酒に合う鶏のみそ漬けを食べてしまった!脂ノリノリの柔らか鶏でなく、筋肉モリモリの歯ごたえある鶏でうれしい。
そして岐阜の食材の王、飛騨牛!炭火で軽く炙りまして
ちょいと網目がついたらもういいや、いただきましょう。やはり霜降り和牛、数切れだけなら最強クラスのウマさです!!タレもいいし、あー天国だ。これは女城主を1本追加しなくてはなるまい。
仲居さん「大丈夫?残ったら部屋に持っていけるようフタ置いておこうか?」
3本飲んだところで5合。毎日の飲酒量ですのでご心配なく。
おやおや、ネギがちょっと焦げちゃった。こちらにも朴葉みそをのせてガブリ!ご飯のオトモとばっかり思っていたけど、実は全てを日本酒のつまみにする無双の調味料でした。
ここでビチビチと元気な魚がやってまいりました。これは赤い点々がないからアマゴではない・・イワナですかね。やあ、熱そうですね。
魚「・・・(ビチビチ)」
熱いよね。もう少ししたらおいしく食べてあげますからね。
仲居さん「こちらシメのお食事のかわり、五平餅ね」
岐阜やら長野の名物であるアレですね・・・って、おや、私の知っている五平餅とは少々違うような。
仲居さん「ねえ。いつもはわらじとか小判みたいな形だけど、今日は団子だね」
あ、今日はたまたまこの形なんですか。うんうん、焦げた味噌と焦げた米!うまいに決まっています。甘いけど酒に合うぞ。
仲居さん「はい、おにぎりお待たせ!」
・・・お待たせって、ついさっきシメの食事って五平餅を持ってきたじゃないですか!なんですかこの立派なおにぎりは!
仲居さん「タレがあるからね、塗りながら焼いてね」
なぬっ!?
つまり焼きおにぎりにせよと!うわーい、うまそう!やるやるー!!イワナに焼きおにぎりと、最終盤に来てようやく本当に戦国でも食べたかもしれない食事になってまいりました。
焼きおにぎり!炭火で焼いた焼きおにぎり!最高だ!どうでもいいですが、焼き鬼斬りと書くとなんか刀剣男士みたいです。
そしてこんがりイワナが上手に焼けました〜!!頭からガブリといって冷酒をグーっと飲るとたまりません。これぞたぶん戦国!!もちろん骨から尾ビレまでペロリです。
うわー満足したーと部屋に戻ろうとしたら、あら、もう一つの食事処には壁に追加メニューが・・・なぬっ、天然猪肉に蝦夷鹿肉、うずら肉だと・・!?ぎゃー!うずら食べたかった!いや、もう満腹だし、噂によると秋は松茸料理が名物らしいので、お楽しみはその時だ!
次回はこちらの朝食です。
岩村山荘 岐阜県恵那市岩村町富田569-1
芋餅が最強
戦国にジャガイモがあったかは知りませんが本当に1番うまかったような