例によってアルコール度数高めの飲みでしたので、会話に関しては曖昧な記憶で書いています。食べ物はできるだけ記憶しているつもりです。
TX浅草駅から西、いわゆる西浅草に面白そうな店を発見。行ってみたいと思うのですが…身体に反して少食な私、色々と食べてみたいけど、そうもいかない‥どうしよう。
「そういうことなら喜んで手伝いまーすよ」
やあ、アクセサリー作家のN又さん。そうだ、ちょうどN又さん好みのお店です。行きましょう行きましょう。
たどりついたのは田原町駅から徒歩5分の「あな太朗」さん。西浅草の名店、「黒猫亭」さんに行く際にフラフラ歩いていて、あまりにも気になったので帳面につけておいたお店です。
N又さん「名前があな太朗、そしてのれんの絵…まさかアナゴのお店?」
そのまさかです。これは珍しい、アナゴ料理専門店!アナゴの天ぷらがお好きでしたよね。
N又さん「やった〜!」
カウンター数席と4人用小上がり席が3つだけある、良いサイズ感のお店です。予約をしておいたので小上がり席をゲット。さて、飲み物は‥おお、日本酒が豊富じゃないですかーやだー。
N又さん「ハイボールで喉をしめらせたら、あなごだから日本酒にいこう!」
私は最初からいきますよ。数日後に神戸に行くので、兵庫のお酒から。播州一献で!
なかなか切れる味の、しかもなめらかなお酒なので割と万能選手です。
N又さん「これはおいしいヤツだね」
あれ、ハイボールは?
N又さん「もうないよ〜」
お通しが来る前に‥おそろしいですね。
そのお通しは大黒しめじと葉わさび。どちらも好物なので困りますね〜。
N又さん「葉わさびが結構キくね!」
わさびの辛さは日本酒を呼ぶのでありがたい。
というわけで、陸奥八仙をお願いしましょう。こちらも切れる辛口だけど旨味もたっぷりという卑怯なヤツです。芳醇超辛って書いてありますね。
N又さん「そういうの困るよ〜。ほら、もっと頼んで」
お酒もいいですが、こちらはアナゴと大分料理のお店です。ぜひとも料理を‥まながつおの柚庵焼きも気になりますが、もっと心臓に悪いのは「煮穴子 蒸しウニ」と「穴子炙り あん肝」‥どんな痛風メニューだよ!鉄板でウマいだろ!
メインメニューを拝見しますと、3分の2に「あなご」文字が踊っているではないか‥コースで頼まなくても、半ば強制的にあなご尽くしになるわけですね。
N又さん「あなご刺身は絶対頼むけど、白焼きもおいしそうだし天ぷらも絶対おいしいと思う」
私はあなご肝焼きが気になりすぎます。えーい、みんな頼んでしまいましょう!そのために呼んだのですよ。
N又さん「何も残さないから任せて!」
いきなりたぶんメインイベンターが来た!あなごの刺身です。
N又さん「あなごの刺身って初めてなんだけど‥」
私も初めてです。他で見たことありませんから、とにかく鮮度が命なんでしょうね。しかし美しい‥!
甘くて濃い味の醤油でペロリといただくと、ゴリっと音がするんじゃないかというたくましい歯ごたえ、そして2・3回噛むとたまらない脂のウマさが広がります。なんというのかしら、抜群のコリコリ感があるエンガワ‥?
N又さん「甘くておいしくてコリコリで‥おいしい!おもしろい!」
こんな日本酒のベストパートナーがなぜメジャーでないのでしょう。
N又さん「本当に新鮮じゃないとダメなんだろうね〜」
おつぎはあなごの肝焼きです。
N又さん「見た目はうなぎの肝焼きよりシンプルというか、グルグルした部分がないね」
あなごは悪食と聞いたことありますので、消化管系は雑味が多いとか処理が大変とかあるのかもしれません。レバーとそこに近い部分だけなのでは?
これはウマい!肝らしい濃厚な旨味だけど、変な後味がない。ウナギの肝焼きの苦い部分がないから万人受けと思われます。
N又さん「すっごい澄んだレバー味!前に食べたすっぽんもそうだけど、水棲生物のレバーって澄んでるのかな」
エイの肝は脂祭りだって言うし、どうなんでしょうね?とにかくこれはもう、アレだ‥
肝に負けないようにということで、生酒にいきましょう。佐賀の銘酒である東一にお出まし願いました。甘くて旨いお酒の代表‥と思う。
N又さん「辛口が好きだけど、これは甘いけどスッキリしていいね。香りもいい」
お次はあなごの白焼きなんですが‥これは‥
N又さん「知っている白焼きではない‥よね‥」
ほんのり香ばしい表面、かじるとほろっと崩れてじゅわーっとウマ汁が飛び出る身、わさびと一緒にもぐもぐと食べると、幸せとは何かわかってしまった気がします。
N又さん「あなごは天ぷら以外にも可能性がありすぎた!こうなるとウツボを食べたくなるね!」
‥なぜウツボ‥?ああ、長いから‥?土佐料理屋に行けばあるのかな。
ここで休憩、お新香をはさみましょう。
N又さん「漬物ってずーっと食べ続けられるよね。上野においしい漬物屋さんがあるんだよ」
もしかして酒悦さんですか。
N又さん「そう、そこ!なんだ、知ってたのか〜」
あそこの元祖福神漬けはカレーにもいいですが、酒が止まらなくなります。まさに酒悦。
野菜も食べようということで頼んだ聖護院大根の風呂吹きは、甘くて渋い味噌を背負って入場。こういった料理がウマいあたり、ただの素材自慢ではありません。
はい、お待たせしました。N又さんの好物であるあなごの天ぷら!さあどうぞ。
N又さん「いつもはイ○ンのあなご天ぷらに割引シールが貼られたら買うんだよね」
ほうほう‥つまりとれとれキトキトのあなごの揚げたてとか‥
N又さん「食べたことないよ!」
ふんわりして脂がのったあなごをサクサクハフハフと食べる‥控えめに言って天国だろ、コレ‥!
N又さん「ちょっとあなご天の情報を書き換え中」
私の脳内辞書もアップデートしておきます。
油物には焼酎とか蒸留酒という勝手なルールを持っていますので、なにか良い焼酎はないかしら。
店員さん「こちらの八重桜、芋と麦を同じ酒造さんで作っているんですよ〜」
あらやだ、それ知らない。飲みたし、飲みたし!
N又さん「じゃあそれの麦で」
では私は芋で。
両方ラベルが同じなんですね。味見してみると、どちらも甘味を強く感じます。麦の方は麦臭がガツンとこない、穏やかな飲みやすいタイプですね。こういう美味しい焼酎となると‥
N又さん「生っぽい肉かな」
そうです、馬刺しか鶏のタタキが恋しくなります。というわけで、鶏のタタキを注文。炙った表面の香ばしさ、赤い部分のウマさ‥!
N又さん「そして刺身の時からずーっと思ってたけど、ここのワサビ効くよね!食べるたびにくしゃみがでちゃう」
生肉と良いワサビは泣くほど合いますからありがたいですね〜。ハクショーン!
ではそろそろシメに入りますか‥これは必食、煮あなご寿司!
N又さん「ちょっと悲鳴が出そうなレベルの見た目だ‥」
少なくともヨダレはお互い出てしまっているようです。いただきましょう!
このふっくらな食感‥おかしいだろ!こんなあなごがいるのかー!
N又さん「ツメのウマさもちょっとおかしい。これはもうニヤニヤしかできない」
ほろほろでふっくらでうまうまですからね‥これはちょっと力強いお酒が欲しい‥!
店員さん「お酒お好きですね〜。メニューにないこんなのもあるんですよー。亜士亜の眠りって言って、芋焼酎の原酒なんですけど」
おお、いただきましょう‥うわー!!香りも味も焼き芋だよ!
店員さん「焼き芋そのまんまですよね。いかがです?」
N又さん「おいしい‥焼き芋だ」
どう味わっても焼き芋。そしてめっちゃめちゃウマい。なんて面白い焼酎でしょう。
濃厚な焼き芋にはさわやかであろうあなごの湯引きで対抗しましょう。白味噌のタレと湯引きされたあなごの食感がたまらない。どんな姿でもウマいぞ、あなご!
N又さん「こんなあなご天国の後、イ○ンの天ぷらに戻れるかなあ‥」
色々なソースやタレで味変していけば大丈夫です、たぶん。
トドメは生あなごの握り!いや、ダメでしょこれ‥
N又さん「刺身だけでもすごかったのに、握り!」
醤油をつけなくてもほんのり味がついていますね。そしてやはりコリッコリだ!本当にトドメが刺さりました。
これはもう名店確定です。再訪しなくてはいけない‥!次はあなご炙りとあなごユッケかな。
N又さん「ユッケ‥だと‥」
あな太朗 東京都台東区西浅草2-26-1 坂田ビル 1F