大木金太郎三代目を名乗れそうな外見のT氏と行く九州、続きです。
カルデラランチをいただきましたら、熊本を離れて大分に向かいますよ。
T氏「熊本おわり?」
いや、明日戻ってきます。でも九州に来たのですから、別府か湯布院の温泉は味わってみたいじゃないですか。
T氏「なるほど。温泉のない旅なんか旅のうちに入らんからな!」
はい着きました、別府市!こちらの見ものは‥「べっぷ地獄めぐり」!
T氏「地獄?落ち武者がワラワラ出てきて首を切りまくるところ?」
ちがいます。別府といえば温泉!その硫黄臭や湯気を地獄に見立てたところが7つあるそうですよ。
T氏「1地獄400円、全地獄通し券が2000円‥5地獄以上行くなら通し券の方がいいんだな」
チェックイン時間は早めにしたので、全部めぐれるかはわかりません。まあ3・4地獄くらいめぐってみましょう。ではまずは海地獄!入場券はかわええステッカーです。
国指定名勝海地獄!という誇らしい看板が。そんな指定があるの?と思って調べたら、本当に指定されていた‥
はい、その国認定の素敵な地獄である海地獄‥!
T氏「極楽じゃん」
確かにこれでは天国‥ですね。おかしい。何を間違ったんだ。
T氏「あれ、向こうに人がいっぱいいるぞ」
なんじゃなんじゃと行ってみたら、うわー!まさに地獄!
美しい色の池からもうもうと湯気が!なんだこのキレイな水の色と熱気の違和感‥!ブシュ〜っと音が鳴り続けているあたりも地獄!
T氏「あの棒、なんだろ」
棒?
ああ、温泉タマゴを茹でているのですね‥あらやだ、どこかで食べることができるのかしら。ゆでたまご好き。
地獄の裏にまわると、まさに地獄!といった豪快な光景を見ることができます。ほえ〜、これは確かにすごい!
T氏「うん、地獄だ!結構おもしろいな」
なかなか地獄でしたね!ではお次、近くの坊主地獄に向かいましょう。
400円を払って‥なんかぞんざいなウエルカム看板ですが、大丈夫でしょうか?私の知っている地獄の入口は「一切の希望を捨てよ」なんですが‥
T氏「体験ツアーで本気の地獄も困るから、このくらいの気合いでいいだろ」
これが坊主地獄ですか。ただの粘土の池に見えます。
T氏「ポコポコ煮える音がするな」
あ、粘土の表面がポコンと盛り上がった。
T氏「‥まさか、あのポコンが坊主の頭ってこと‥?」
なるほど、そういうことか!‥あれ?坊主地獄ってもしかして‥ややショボい?
こちらは鬼の高鼾。なるほど、ゴーゴーと音がしています。言われればイビキっぽい‥けども
音より蒸気がスゲーよ!なんでこっちじゃなくて音の方をピックアップしたの?
T氏「こりゃすごいな〜。光武みたいだな!ブシュー、ブシューって」
えっ、T氏はサクラ大戦なんて知っていたのですか…?
なんだ、表の看板と違って立派なヤツが中にあるじゃないですか。
T氏「さっきの粘土地獄みたいなのもあるな」
ポコンではなく、ボっコンと坊主が飛び出した!
T氏「こっちはホントに坊主の頭みたいな大きさだな!うん、ショボくないぞ!」
地獄にある説明文を読んだところ、明治時代には大人気の地獄だったそうですよ。いったん閉鎖されたけど、リクエストに応じて2002年に再オープン地獄。
T氏「足湯もあるし、地獄蒸しプリンなんてのぼりもあるぞ」
さすが地獄、お湯には不自由なし。タマゴゆで放題、プリン蒸し放題!
お次はかまど地獄!神社に奉納する飯を蒸気で炊いたからかまど‥らしい。なんかココが一番プロレス的というか、見せる気マンマンでした。こんな鬼の像もあるし。
赤茶の湯に美しいブルーの湯、見どころ満載!
観光ガイドさんの説明もありましたが、北京語だったのでよくわかりませんでした。
そして湯気だらけのところでは‥現れた〜!ブロッケンの妖怪!まさに地獄!
T氏「ホントだ!キレイに映ってるじゃん!」
飲泉もできます。ナトリウム泉で胃腸にいいそうですが‥80℃?しかもヒシャクだけ?どう飲むんだ?
T氏「ヒシャクで直接じゃないのか」
こんなオッさんだらけのところでときめき間接キッスというのも‥80℃なら滅菌はされそうですけど‥ちょっと考えて、ヒシャクに入れた湯を1分くらい冷ましてから手に受けて飲みました。やあ、ほんのりしょっぺくてうめぇ。
お湯を飲んで思い出したんですけど、この地獄の入口に「温泉ピータン」って魅惑的な単語が書いてあったんですよ!
T氏「そこの売店にも書いてあるよ。てか売ってるよ」
ホントだ!温泉ピータン2つくださいっ!1つ70円?やすいな。
1つにつき1ザルで出された温泉ピータン!見た目は褐色のよく見るタマゴですね。
あら、カラをむいても褐色!なるほど、だからピータンを名乗っているのか!
T氏「味はアレだ、燻製タマゴだな!」
温泉の硫黄の香りが燻製香みたいですね。塩がついてきたけど、テーブルに置いてある醤油を黄身にたらすとめちゃくちゃウメえ!持って帰ってツマミにしたいようだ。
次は鬼山地獄‥別名ワニ地獄!
T氏「‥別名というか、ワニしかいないじゃん!」
まるで伊豆のバナナワニ園のよう‥なぜ日本人は温泉でワニを飼いたがるのでしょう?群馬の草津にもワニ施設があります。おヒマな方はどうぞ。エリマキトカゲもいるよ!
あっ、ホラホラ、ワニのエサってとり肉と馬肉なんですってー。
T氏「鳥の丸焼きと馬刺ししか食べないあんたと同じじゃん」
‥あれっ?ホントだ!私ってばワニだったのか…!しかしここ、のんびりと風呂につかっているワニさんばかりで、地獄と言うにはあまりにピースフルな空間ですね‥
T氏「これで4地獄だよな。そろそろ宿に行こうか」
‥ですね〜。地獄めぐりのはずが、なんかほっこりした‥
べっぷ地獄めぐり(別府地獄組合) 大分県別府市鉄輪559-1