「そろそろ誕生日なんだけど、祝ってくれてもいいぞ」
BL有識者会議の仲間であるKヨじゃないですか。もちろんご馳走しますよ。どこで何を食べたいとかあります?
Kヨ「場所は山手線エリアならどこでも。座っていればいいコースが楽チンかな。ジャンルは・・そろそろ和食が嬉しいお年頃じゃのう」
・・細かいようでめっちゃフワフワな条件だな!まあいいや。絵師のKきゃわさんも巻き込んで、盛大にでもないけど祝いましょう。
Kきゃわ「爆誕祭ですか?行きますぜ〜!」
和食なあ‥山手線なあ‥多すぎるよなあ‥と検討を重ねて、結果はなんと渋谷どまんなか、東急ハンズすぐ近くの「佐賀 雑穀」さんにしました。
Kヨ「センター街あたりなんてマクドが一番ウマいだろうよ〜。どこもうるさいし大丈夫なんかよ〜」
私もそう思うのですが、ここはたぶん大丈夫!‥と思う。
ニコニコと感じいい女性に案内してもらったのは個室の座敷席。1:2で座椅子が置かれているので、Kヨは文字通りお誕生席にどうぞ。
Kヨ「いえ〜い、ワイおめでとう!入ってみたらスゲー落ち着いた感じだけど、ここってホントに渋谷?」
いや〜、思っていた以上に静かで良い雰囲気でした。本当に渋谷なんですかね?選んでおきながら信じられない。
Kヨ「佐賀料理って何があるんじゃ?わらすぼも魚ロッケも知らん‥ふぉ?エツ子のからあげ?」
Kきゃわ「もしかして先ほどの女性がエツ子さんですかね。注文したらいなくなってしまう…!」
Kヨ「ホラーじゃのう!注文してみようか!」
真実は有明海にしかいない珍しい魚、エツの小さいやつ‥らしい。食べたことないけど。
とは言っても今回はKヨの要望通り「女将のおまかせコース」をお願いしてあるので、エツ子ご指名はできないぞ。お誕生会なので少し奮発して、料理のみで6500円のコースにしてみました。
Kヨ「いちばんエラいコースじゃないか。やったぜ!」
Kきゃわ「あれっ?自家製柚子胡椒販売中っ!」
まさにそれ。自家製柚子胡椒というパワーワードに惹かれてこのお店にした次第なのです。
では飲み物をお願いしますか。
Kヨ「やっぱ和食なら日本酒なのかな?」
Kきゃわ「俺も俺も。飲みやすいとこをたのんますわ」
では佐賀の肥前蔵心・特別純米を二合でお願いして、おちょこを3ついただきましょう。
おちょこやぐい呑みは好きなものを選べる式ですね。迷わず一番大きなヤツを取ってしまう業の深さよ。
Kきゃわ「俺は小さめで味のあるのにしよう」
そしてKヨ、君はなぜそんなのを選ぶんだ。
Kヨ「え〜、かわいいじゃんよ」
Kきゃわ「むしろなぜこれがあったのか気になりますな」
あっ、大きい片口で来た。かっこいい!
Kヨ「へ〜、これで注ぐんだ。雰囲気あっていいじゃん」
さらに和らぎ水もしっかり持ってきてくれる。もういいお店であることが確定しました。
先付けは魚の南蛮・かぼちゃのきんとん・炒り豆腐・茄子の煮浸しの四品。
Kきゃわ「かぼちゃがジャストな甘さでおいしいわ〜」
Kヨ「魚の南蛮が酒に合う合う。ついでになんだよこのお酒!口当たりが良くてめちゃウマじゃないかよ〜」
(撮影:Kきゃわ)
Kきゃわ「こういうお酒を片口で注ぎながら飲むと、もっと酒に強く生まれたかったと思うわ〜。ウマいとわかるのに飲めないんだよな〜」
強くはないのに味はわかるって拷問ですな。しかしやっぱり片口で飲む酒っていいよなあ。これで尾野真千子さんと差しつ差されつというのが叶わぬ夢です。
(撮影:Kきゃわ)
驚くじゃありませんか。お次はなんとポテトサラダですよ。
Kきゃわ「箸置きがニャンコなんでかわええ」
なぬっ、ワイの箸置きはワンコよ。どっちもかわええなあ。
Kヨ「わ〜、このイモほんのりあったかいよ!」
Kきゃわ「ホントだ!つまり出来たてか〜!めっちゃホッコホコのポクポクや!」
シャキシャキ感もあって、マヨ控えめのイモ味メインだから日本酒にも合うわね〜。というわけで、肥前蔵心をもう二合‥あ、同じ蔵の違うお酒もあるのですか?じゃあそれでお願いします。
お造りは一人一皿でやってまいりました。マグロにスミイカ、ヒラスズキに赤貝にノドグロ!
店員さん「普通の醤油と九州の甘い醤油、お好みでどうぞ。ワサビがついてますけど、自家製の柚子胡椒も試してみてくださいね」
ウワサの柚子胡椒を刺身で楽しめと!醤油も2種類なんて最高じゃないか。
店員さん「本気で辛いので、少しずつ味見しながらつけてください」
Kきゃわ「ちょっとちょっと!このスミイカ、柚子胡椒と甘い醤油でやってみてくださいよ」
どれどれ?ふぉ、醤油の甘ウマさが来てから柚子の軽やかな香り、そしてイカのコリコリからのネットリと絡みつく甘味!トドメに辛〜い!味覚の何重奏だよっ!
ノドグロは辛味で皮目の甘さが引き立つし、釣り師垂涎の魚ヒラスズキは白身のサッパリ感がマシマシになる。柚子胡椒万能説を提唱します。
Kきゃわ「マグロさんも柚子胡椒と甘い醤油コンボで新しいウマさですな」
こんな鮮烈に香る柚子胡椒は初めてだ!そしてこんな辛いのも初めてだ!カレーと柚子胡椒は辛いからこそおいしいのだ!
焼き物はサワラの西京焼きですか。大好物じゃないか。
Kヨ「ワイは白味噌使いにはうるさいけど文句なしじゃ。身もぷっぷくでお酒がススムくん。ほら、なくなっちゃったよ」
それではお次は天山の純米吟醸でいきましょうか。お酒が全部佐賀の地酒なのがすごい。
Kきゃわ「日本酒もいいけど、自家製のレモン酒とかジンジャーエールが気になるんだよな〜。ジンジャーエールください」
Kきゃわ「ふわっ、ジンジャー!シン・ショウガ!パンチがあるけど飲むとさわやか。これまたええわ〜」
店員さん「お次は鍋になりますね」
Kヨ「佐賀の鍋ってなんだろ。もつ鍋とか水炊きとかかな。もつ鍋食いて〜なちくしょ〜」
河豚・クエ・すっぽんご予約承りますとか書いてあったけど、6500円コースでまさかそんな高級鍋は出ないでしょう。もつ鍋はいい線かも。
店員さん「こちらクエ鍋になります〜」
そのまさか、鍋の横綱たるクエ鍋が来ちゃったよ!しかもこんなにたくさんのクエ!
店員さん「クエはある程度煮えてますので、お野菜がいい感じになったらもう食べられますよ」
(撮影:Kきゃわ)
Kきゃわ「野菜は俺が投入しましょう。えのきとしいたけさんはここで〜、豆腐はここかな。ネギさんはわっさ〜と上にな〜」
おお〜、素晴らしい。This is 鍋!じゃないですか。ビューティフル‥
このクタり具合、味染みと歯ごたえが両立の今こそ攻め時だ!ファイエル!
Kヨ「わ〜、食うぞ食うぞ〜」
Kヨ「クエって結構コラーゲンなんじゃな〜。フルフルうまい。しかしアレじゃな、とにかくスープが上品でうますぎるぞ。クエ出汁無双か」
無双だなあ。そして白菜の茎の細切りがな、クエ様の旨味を吸い尽くしながらもシャキシャキ楽しい憎いヤツ!やはりクエ鍋こそ鍋の王者よ。
Kきゃわ「ポン酢も自家製ですな。おだやかな酸味に豆腐と柚子胡椒が最高すぎるんですが」
そうだ、まさに柚子胡椒の出番だ!しかしポン酢まで自家製なのか〜。すばらしい、すばらしいぞう。ブラボー!
Kヨ「なんだよ〜、飲み屋地獄の渋谷で唯一の奇跡かよ!なんかの会で使おう」
店員さん「お鍋の途中ですが、鯛のけんちん蒸しです」
Kきゃわ「鯛のけんちん…蒸し!?」
Kヨ「これはいかんぜ〜!ダシがうますぎるし、鯛の下にはコリコリ野菜‥!」
けんちん汁の具材が忍んでいるからけんちん蒸しか〜!しっかしこのダシはたまらない。
Kきゃわ「これ好きだわ〜。この汁に溺れたいわ〜」
このお店は全ての仕事が丁寧すぎるわね!
Kきゃわ「間違いない!」
油物として天ぷらまで来ました。好物のワカサギもあって幸せと満腹は頂点へ。
Kヨ「全部ウマいけど、ボリュームもすげーな!」
Kきゃわ「おいしいから残せない罠!ただ一つの心残りが‥」
そう…心残りが…
シメに手打ち蕎麦が出るということで、クエ鍋の雑炊まで届かなかったというね!
Kきゃわ「ああもう、あのおダシで雑炊なんて絶対最高だけど‥手打ち蕎麦が入ったらさすがにお腹がはちきれますな」
蕎麦粉と小麦粉が10:1という蕎麦をズズっとすすると、とんでもなく香り高い極上蕎麦!やっぱりというか、またまた柚子胡椒がピッタリなんですよ。しわわせだなぁ。
Kヨ「クエ鍋と新蕎麦の時期に産まれたワイがエラいということだな」
そうなのか?まあお誕生会だからそういうことにしてあげよう。
おいしく飲みすぎて記憶が曖昧なデザートで見事にシメまして
もちろん柚子胡椒はお持ち帰り。柚子ジャムのようなものもいただきましたが未食です。楽しみだなあ。
次の予約?ええ、もちろんしましたとも。次は佐賀色濃いめのメニューを頼むんじゃ〜!
佐賀 雑穀 東京都渋谷区宇田川町31-4 篠田ビル 7F