
絵師のKきゃわさんと行く京都修学旅行、つづきです。
いや〜、さろん淳平さんでSへいさんとT神さんが加わると話が終わる気配がない。なんだかんだ遅めに設定した晩ご飯の時間が近くなりました。
Kきゃわ「予約は8時からでしたっけ。場所はどの辺です?」
烏丸通りの四条駅と五条駅のちょうど真ん中くらい・・らしい。
Kきゃわ「おもくそビジネス街のど真ん中やないですか。飲食店がありますかね」

たしか店名がアバ・・「Abats 奥村」さん。我らが東横イン五条烏丸が見えたところで路地に入ればある、はずっ!
Kきゃわ「あそこかな?あの白い看板」
やあ、あったあった。そしてマスクから全身真っ黒のフシンな男が立っている。雑な香港映画の殺し屋かと思ったら京都のゲームクリエイター、ソヴィエツカヤ・Mッサじゃないか。
Mッサ「同志オーヤマの要請により参集いたしました」

あら素敵、半地下の入口には杉玉がぶら下がっているじゃないの。
Mッサ「つまり美味しい日本酒があるお店ですね」
我慢できないから中でメニューでも見ながら待つとしましょう。
Kきゃわ「あと誰が来るんです?」
神戸のイツモノ・Oデーンと京都のデザイナーAちゃさん。
Kきゃわ「Oデーンさん、忙しいのに京都まで!Aちゃさんは久しぶりだ〜、うれすぃ!」
声をかけたみんなが都合をつけてくれたので5人になったけど、「3・4人で席だけお願いします」というフワフワな予約をしちゃったんですよ。いちおうお店の方に確認をしましょう。5人で大丈夫ですか?
「そうなんですね、すぐご用意しますので少しお待ちください」
急な変更なのに対応していただいてありがたい。みんなはちゃんとした予約をしような!

8人は座れそうな掘りごたつ席に案内していただきました。いつも通り道に迷ったAちゃさんと、なんだかんだ忙しいOデーンも集結!さっそく飲み物を頼みましょう・・と言っても、ガツガツ飲むのは私とMッサくらいか。
Mッサ「黒龍があるじゃないですか!福井のお酒大好きなんです」
おお、それはよかった。私は滋賀の波の音をいただきましょう。
「どちらも口切りですよ〜」
うわ〜い、生酒の口切りなんてフレッシュすぎて最高じゃないか。

グラスになみなみと注がれるお酒!もれなくやってくる和らぎ水!はい、良店が確定しましたのでかんぱ〜い。そして色々頼みましょう!
Kきゃわ「いつものようにババっと頼んでしまってください」
はいはい。ではメニューを拝見。

いきなりアカモクとかノレソレとか素晴らしいじゃないかっ!はたけ菜とお揚げさんの煮びたしというおばんざいもいいな。この辺を・・ところで1皿あたりのサイズはどんなもんでしょう。
「前菜の盛り合わせみたいな感じで、お一人様分ずつでお出ししましょうか?」
そんなのアリなんですか?ぜひお願いします!そして刺身もどれも素敵そうなんで、5人前で盛り合せにしてしまってください。

店名のAbats(アバ)とは食用の内臓という意味なので、きっとイチオシはホルモン!というわけで、和牛ホルモンの塩焼きも盛り合せでお願いしましょう。
Mッサ「同志、ハツが好物なので生ハツ刺を食べたくあります」
おお、では2皿お願いしましょう。第一陣はこんな感じですかね。

最初に来たのは前菜盛り合わせ‥って、なんですかこの美しさは。
Kきゃわ「オカラってパサパサで寝ぼけた味でオカズにならない代表と思ってたのに、しっとりして優しい味が染みてめちゃめちゃおいひい」
小芋の炊いたんと油揚げと菜っ葉も、ほんわか味なのにお酒がすすみますな〜。これが真のおばんざいか。
Mッサ「ノレソレってアナゴの稚魚でしたっけ?そしてアカモクは海藻・・なんですノレソレのトゥルトゥルっ!アカモクのシャキシャキっ!ポン酢の美味しさっ!バケツで1キロ食べますよこんなの!」
すんげ〜おいしいよね!1キロは知らんけどこの小鉢だけで1合すっとぶよホント。
Mッサ「すいません、アカモクたくさんおかわりお願いします」

スカーレットに輝く生ハツ刺しの美しさ。緋が走る〜!焼くとコリコリとプリプリなハツ、生ではキュコキュコむっちり。心臓なのに全く血の臭いがないじゃないか・・どんな下処理をすればこんな清澄な味になるのか見当もつかない。
Mッサ「これは人生ハツで優勝ですよ!これもバケツで1キロ食べられますって」

うわ〜と全員から思わず歓声があがった本日のお刺身盛り合せ!店名がホルモンなのに鮮魚まですごいとはなんということだ!

カンパチにノルウェーサーモンという寿司屋さんの人気者はもちろん、私の大好物イワシにご近所名産明石鯛も素晴らしい・・が、なぜイワシがセンターの写真を撮らなかったんだろ。生と炙りの両方があってまいっちんぐでした。

ウニは箱ごと!淡路のウニなんて関東まで回ってこないですからね〜。しかしウニとホヤって日本酒のために生まれてきたくれたんじゃないかと。ありがてえありがてえ。
Kきゃわ「すし飯にも合うんですよ!」
すし飯は母なる海の生物全てをウマくする・・つまり乳母?

エビさんはこんがり火の通った頭も一緒に来ましたよ。香ばしい中からミソがとろけ出てこれまたたまらん。
Oデーン「Aちゃはコレ行けるの?ほら、こっち見てるよ!」
Aちゃ「生きてるエビさんはキーって言うしこっち見るから怖いけど、焦げちゃえばおいしい!」
Oデーン「そうなの?ズルい!裏切り者!」
Oデーンがエビ苦手なのは知っていましたが…Aちゃさん、キーっていうほどの活きエビをいつも見ているのか…?

Kきゃわ「俺はなんといっても穴子がたまりませんわ。脂乗りがいいところを炙り散らかしてくれちゃって〜!もう、大将ったら!」
伝助穴子っていうからデカいヤツですよね。骨切りとか必要なんでしょ?ハツ刺しといい下ごしらえの丁寧さが恐ろしい…

そして私の中のMVPはこちらのシビ!ちっちゃいマグロのはずなのにたっぷりの脂、それがまたすごく爽やかな脂!これだ、これがリアルマグロだ!やたらと太った養殖本鮪よりはるかにウマい!

アバさんの本命であろう和牛ホルモンの塩焼き盛り合せで幸せの頂点へ。もうね、ガツガツいってどれがどれってメモするのも忘れたよね!
Aちゃ「お肉〜!いつもとちょっと違うお肉〜!おいしい!」
コリコリさん、脂たっぷりクニクニさん、カルビの16倍くらい肉そのものの旨味に溢れるさん…みんなが全力で個性を見せつける!
Kきゃわ「しっ、白メシを…(パタリ)」
うん、赤センマイっぽいやつとかワシワシと食えるよね。でもここはやはりお酒を追加だ。
Mッサ「僕は獺祭でいきます。甘い日本酒が好きと気がつきました」
料理にうるさい酒呑みは甘口が好きと昔の料理人の本に書いてあったぞ。

Aちゃ「あの〜、めっちゃ食べたいものがあるんで頼んでいいですか」
どうぞどうぞ。と来たのが・・徳島活〆のどぐろの塩焼きが2皿!ドカンといくねえ!
Oデーン「やりおった!お前が頼まなくても俺が頼んだぞ、Aちゃ!のどぐろこそ魚の三冠統一王者だ!」
こんな立派なのどぐろ、身はもちろんのこと目玉やエラ裏を掘れば掘るほど幸せに・・でもお値段もご立派でしょう?と思ったら、たっぷり半身で3000円なんですけど。なにそれ、安すぎない?
Oデーン「そうよね。あのハツ刺しが1200円だったり、お値打ちなんてもんじゃないわよ!」

Kきゃわ「おいしいものをしわわせにいただいたところで、お腹にドンとくるものがいただきたいですな」
Oデーン「そうだね!僕は電車の都合もあるんでビシッとシメたいわね!」
Aちゃ「TKGにお茶漬けに角煮丼、夜カレーもあるみたいですよ〜」
「あの〜、すみません」
おぉっと、大将ではないですか。いかがいたしました?
「先ほどからお話を聞いていると、麺についてお詳しいみたいなので・・ウチも麺があるのでいかがですか?」
Kきゃわ「なんてことだ!ぜひお願いします!」
Oデーン「僕とオーヤマさんの無駄なメシ語りが役に立つこともあるんだね!」
Mッサ「とにかくお客を喜ばせようという大将が素敵すぎますよね‥トゥクン」
Kきゃわ「わかるわ〜。だってどの料理も、みんな口にすると同時に眉毛がハの字になってますもん」

みなさんがシメに走るのですが、胃が小さめなわたくしは焼酎と漬物に走る!どれも変な後味なし、切れるお味でおいしい・・なーんて言っていたらとんでもなく素敵な香りがただよってきたじゃないの。

おいおい、同志Mッサ!夜カレーは卑怯なんじゃないの?すんげぇ〜いい香り!
Mッサ「同志オーヤマ二コフ、小皿にお分けします」
おお、すまない・・うわー、元のブイヨンがすんばらしい上に、辛くはないのにしっかり来るスパイスがここちよい!でもおうちカレーからはみ出していない!つまり最高じゃないですかーやだー。

こちらの汁なしお担々みたいな麺は・・なるほど、食べている人みんなの眉がハの字になっている。相当ウマいらしいな。
Kきゃわ「めっちゃめちゃウマいですよ!全部がおいしすぎて一箸ごとにふわわ〜ってしちゃいますわ!」
Aちゃ「私も胃が万全じゃないのに食べちゃいました。最高の体調でまた来ましょう!」
Mッサ「ここの大将、お客の笑顔が好きすぎなんですよね‥もっと振りまきに来ないと!」
よし、次回京都の際は再訪だな!でもアレだ、大将が私のTwitterを見ていたのはちょっと恥ずかしいぞ。
Abats 奥村(アバオクムラ) 京都府京都市下京区松原通烏丸東入ル南側俊成町445 オークリッチ烏丸