
とある用事で京都に行くこととなりました。最近関西率が高いな。
京都在住の友人たちにオススメのランチを聞いたところ、いやはや、良さそうなお店がジャンジャンバリバリ出るわ出るわ。やはり古都は地肩が違いますね。その中から予約できそうなお店・・よし、今回はここにしてみよう。

やって来たの千本通りと今出川通りの交差点を少し上ったところにあります「近為 京都本店」さんです。
こちらは古くから続く漬物のお店。店頭売りだけでなく、予約をしておけば店内で漬物ランチをいただくことができるのだそうです。なるほど、よく見ると「ぶぶづけ処」とも書いてある。

予約時間より少し早めに着いてしまったので先に漬物を買ってしまおう。そしてこの素敵なところで休ませていただければ・・あ、もう入ってしまってよろしいのですか、すみません。

おお、中に入ると広いお座敷、そして中庭。今まさに京都にいるのだなあと実感します。

今出川駅から2キロ弱だから歩いて来たのはいいですが、この日は10月とは思えぬ陽気、たしか28度くらいだったような。そりゃもうアホみたいに汗をかきました。そこでサーっと出てくる冷たいほうじ茶のありがたいこと、うまいこと。ふう、生き返った!

メニューはきんため御膳のみ。あとは魚の粕漬を追加するかどうか。魚なしが1,980円、ありで2,530円。もちろん追加でいきましょう。サワラか鮭を選べるということで、今回は鮭でお願いしました。

きんため御膳、入場!まあまあ、なんと鮮やかな。見ただけで血液が清く正しく美しくなりそう。

なんとお雑煮までついてきますよ。丸もちに白味噌で京都オーラが満ち満ちています。おもちの上の辛子をよく溶いて食べるのだそうで。どれどれ・・うわ〜、坂東者の舌には甘かろう白味噌が辛子でビシッと引き締まるのね。
白味噌のお雑煮とまともに組み合ったことなかったけれど、非常においしいですよコレ。賛否両論の代表である香川のあんもち雑煮も食べてみたくなった。

竹の子とゴボウというちょっと面白い漬物はどちらも歯ざわりが楽しい。特に竹の子は掘りたてのシャッキリ感がしっかり活きているじゃないか。

お好みで醤油とゴマをどうぞということです。ゴマは良くない、メシの友から酒の肴に化けてしまいます。

びっくりするほど甘い切り干し大根は漬物群の口直しにピッタリ。そしてちりめん山椒ときたら

白メシに投下しなくてはなりますまい。もちろんご飯おかわり可なのでペース配分を気にする必要はありません。だぶんおかわり前提の盛りでもあります。

奈良漬の粕で漬けたという漬物屋さんならではの鮭。しっかりと身が締まり、酒粕の旨味がたっぷりと・・うんめえ〜!人生粕漬けのチャンピオンだ!これで飲みたいよう(泣き出す)。

それでは本丸、皿盛りの漬物たちをいただきましょうか。赤青黄色とそろったところでどこから攻めたもんか。

名物という大根の柚こぼしは歯切れ良く柚子が爽やか、香のものとは良く言ったもんだ。焼き魚の合間に食べたら永久ループですね。
きゅうりは昆布が効いているのかひと味ちがう。ナスも皮がキュっと言わないしウマ汁がにじみ出てくるし、ナス嫌いが一発で改心しそう。

赤かぶにかぼちゃに華やかだなあ。しばづけもすぐきもどれもこれも旨味や酸味が過剰でなく、軽くふんわりした味わいとシャッキリ野菜感のある歯ごたえ。ポリポリ、もぐもぐ、ショキショキ、もぐもぐ。コメとお茶と漬物があれば止まらない。日本人に生まれてよかった。
そうそう、お茶ですよ。熱い番茶の入った急須を置いていってくれたので、これは

ぶぶ漬けしかないじゃろ!ホントは冷たい漬物をコリっとやってプレーン茶漬けをひとすすり、が正しいのでしょう。でも今回はオンザメシにしてお茶をかけちゃう。これでちりめん山椒からウマ汁が溶け出るはず。
旨味と酸味がしっかり抽出された京番茶とメシの組み合わせたるや・・もう追い出されてもいいっ!ぶぶ漬けバンザーイ!!
食べ終わるとしっかり満足感。でも野菜メインですからね、ちょっと歩けばすぐに胃が軽くなりますよ。近くに閻魔堂とか建勲神社とかイカしたスポットがありますので、腹ごなしに散策などオススメです。あ、建勲神社は結構な坂道ですのでご注意、ご注意。
近為 京都本店 京都府京都市上京区牡丹鉾町576