「最近あそこのそば食べてないよ。連れてって」
昼前に話しかけてきたのは母じゃないですか。そうですね、なんだか胃が重いのでそばなんていいかもしれない。行きますか。
やって来ましたのは「手打ち蕎麦 真心」さん。まごころと書いて「まこと」と読みます。
すぐいっぱいになってしまうし、ヘタしたらそば終了なんて事態もある人気店なので開店の11時半ちょうどに・・あれれ、もうお客さんが入っている雰囲気じゃないか。いそげいそげ。
おっと、本日のランチはチェックしておかないと。ほうほう、冷やしとろろめかぶそばですか。スルッといけそうでいいね。しかもいなりとマンゴームースつきで1100円は安い。
テーブルや小上がりはすでにいっぱい、角張った「し」の字というのか、不思議な形状のカウンター席に腰掛けましょう。
メニューはごくシンプルです。鴨汁せいろーっ!と言いかけましたが三月までとな。
やっぱりランチかな・・あ、ここは大根そば文化圏だったか。胃が疲れている時はコレが一番。決めた決めた。
母「生桜海老の天ぷら食べたい。大きいから半分食べて」
季節まっさかりでいいですね。いただきましょう。
注文してから店内のホワイトボードに「アスパラ天」という文字が見えてしまった。これまた季節〜!
でもやっぱり大きいんだよな、ここのかき揚げは!アスパラも食べるのはちょい無理だ。
そしてそばも登場です。天つゆと抹茶塩を黙っていても2人分持ってきてくれるのはありがたい。
ザックザクのクリスプに揚がったかき揚げは桜海老の香りプンプン、極上のえびせんといった趣き。
北関東のごく一部で供される大根そば。ご覧の通り、おろしそばではございません。刺身のツマ状の大根をそばにのせたり混ぜたり、早い話が大根メシと同じカサ増しメニューです。
まずは久しぶりに真心さんのそばをいただいてみましょう。下から掘り出して、と。うん、十割のそばは風味満点、喉ごしももちろん良好ですが、気持ち短めなのでしっかり噛んで甘味を楽しむのもアリ。相変わらずおいしいというか、さらにおいしくなったかも。
やや、次のひと箸は大根だらけになってしまった。汁につけてズズッと。シャキシャキして甘くて・・そりゃ大根だもんな。真心さんの汁は甘味辛味と出汁がしっかり重厚、ただの醤油で食べる時の倍はおいしくなってしまいます。
大根そばにコンニャクなんて全速全開で北関東じゃないの。なにせグンマ、昔は家にコンニャク売りが来ていたくらいです。豆腐じゃないんだから。
エエ塩梅にそばと大根が混ざってきたぞ。そばには無いシャキシャキ感がプラスされて面白おいしいのに、栃木グンマあたりでしか見たことない。二日酔いの日なんか最高なんですよ。なぜ流行らないのだろう。
食欲ないとか言っていたくせにサッパリと完食。そば湯でひと息入れる頃には・・おかしい、もう一枚くらいいけてしまう気がしてきた。
そうですよね。そばの上にタカジヤスターゼをふりかけて食べているようなもんですからね。カサ増しメニューのはずが、食えば食うほど腹が減る。もしかして流行らないのはそういうとこか。
とにかく胃が疲れた時は、食べる胃薬「大根そば」をぜひどうぞ。北関東に行く方が大変?そりゃそうだ。
手打ち蕎麦 真心(まこと) 群馬県邑楽郡邑楽町狸塚1166-5