10月のある日のこと、いつものように神戸の東横インで目覚めました。
無駄に早寝早起きの生活をしているせいか、まだ6時前じゃないか。神戸モーニングを決めてから新幹線と思っていたけれど、こんな時間からやっている喫茶店はないよね・・と思いつつ、なんとなくシャワー浴びてチェックアウトしてタクシー呼んじゃったよ。どうしよ。
カラスも寝ぼけているような時間に新神戸駅に到着して思い出した、確か6時開店の駅弁屋さんがあるじゃないか。開いててよかった「淡路屋 新神戸店」さん。ありがてえありがてえ。
たこ壷カレーか但馬どり唐揚げか、きつねの鶏めしもいいな・・おや、発売してからいつも売り切れ表示だったお弁当、今朝は在庫があるみたい。先んずれば人を制すというやつだな。コレくださ〜い。
新大阪を過ぎて隣席に人が来る様子はナシ、大っぴらに弁当をつかえるようなのでいただきましょう。淡路屋さんが鉄道開業150年に合わせて作った記念商品、むかしの驛辨當!
戦後すぐの頃に使われていた掛け紙を復刻したそうで、神戸の港の風景はもちろんのこと、外食券とか金百圓とかイカしたフォントを見たらジャケ買いは必至ですよね〜。ちなみにホントは金九百廿圓です。
150年記念クリアファイルつき。鉄分控えめなので何年とかは気にならない方ですが、単純に絵がかっこいいので嬉しい。
掛け紙を剥がせばごく普通の今時な幕の内だった、なんてワケがないのが淡路屋さんです。ほ〜ら、中も見事に昭和ストロングスタイル!
・・いや、いくらなんでもストロングすぎやしないか?詳しくお宝を改めてみましょうか。
昭和スタイルには欠かせない煮ころばし。バランをはさんで控えるのは、幕の内弁当三種の神器における八咫鏡ポジション、卵焼き!
見ただけでメシを呼ぶ昆布巻きに、神器で言えば八尺瓊勾玉であろうかまぼこ!そして天叢雲剣は焼き魚!奥には肉っぽいモノが見えるのでダブルメインですか。
白メシ・白ゴマ・黄色いタクアンに赤い梅干し。素晴らしい、彩り豊かと言うには少し淡め、質朴剛健でたのもしいお弁当じゃありませんか。
初手に食べたかまぼこがちょっと驚くほどおいしい。神器と言われつつハズレ率高めなのが練り物ですが、これはバッチリ!おかずによし、アテによし・・駅から家までの運転がなければなあ・・ほら、車内販売のワゴンも通っていったし・・
煮ものを食べすすめたらタコさんが出てきた。そうだよね、ひっぱりだこ飯の淡路屋さんだもの。年配の方に照準を合わせたのか、メスっぽいタコさんを柔らかに煮てあります。
焼き魚もしっとり焼き上がって、タクアンと梅干しとコレを白メシにのっければ弁当を名乗ってオッケーな勢いです。
しかしさすが神戸の弁当、しっかり牛肉煮もつくんだな。非常に上品な味付けで、穏やかなおいしさがのたりのたりと続くお弁当ですね。
卵焼きが驚きのサイズ、そして「卵液を焼き固めた黄色い羊羹」でなく、ふっくらしっとり、白メシを呼ばずにおかない関西のだし巻きだ!さすが三種の神器の大トリ、風味絶佳〜!
名前の通りむかしの行楽辨當のようでいいなあ。限定と言わずレギュラー幕の内になってくれていいんですよ?軽さと優しさが朝メシにちょうどいいんだもの。
西のレトロ辨當を楽しんでしまったら、東の古豪にもお出ましいただかねばなりません。というわけで、この日の晩飯は東京駅で買った横濱チャーハン。
そこはシウマイ弁当じゃないのかって?そういえばアレも三種の神器がバッチリうまいですね。まあいいじゃないですか、お酒にはこっち。チャーハン部分がツマミになるんです。
淡路屋 新神戸店 兵庫県神戸市中央区加納町1-3-1 JR新神戸駅