館林市に「ず〜っと存在は知っているけど入ったことのない洋食屋さん」があるから行ってみよう。情報が少なくて営業時間がよく分からないな・・11時過ぎに行ってみて、準備中なら近くのお店に行けばいいやと雑に出発。
結果は・・準備中でした。ですが、すぐ近くの「ず〜っと存在は知っているけど入ったことのない中華屋さん」にノレンとノボリを確認していたので慌てず騒がず方針転換。「定食 中華」だから、いわゆる町中華であろう「長楽」さんに入店しましょう。グンマのお約束で駐車場完備。
カウンターがメインでと小上がりも3卓ばかりある、定食屋さんらしいレイアウト。カウンターのカド、冷水器の横に陣取りメニューを見ます。
麺無しのワンタンに正統中華を感じ、ハムカツとハムエッグにドライブイン的定食屋を感じ、レバーニンニク焼きにガッツリ系町中華を感じる。素晴らしい。ラーメンライスにミニ納豆がつくサービスも見逃せません。
こんなお店のかつカレーライスか、まさかグリーンピースなんてのっちゃって・・?よし・・
「タンメンと餃子お願いします」
いやね、カレーもいいけど表の看板に「手打ち」って書いてあったのを思い出したのよね。館林って実はおとなり佐野ラーメンと地続きの手打ち麺大国ですからね。館林の方がヤワめが多い気がするのは、青竹と手の違いなんだろうか。
目の前の厨房を見ると、なんと注文してからキャベツの外側の葉をむしり始めた。そこからか!カツを頼んでから肉を切るようなもんで、これは期待感大幅アップな演出ですよ。
小気味よく野菜を炒めるマスター、餃子を焼きはじめたのはたぶん奥様、夫唱婦随の見事なオペレーションからほぼ同時に出ましたタンメンと餃子。ワハハ、勝ったも同然のグッドビジュアルだ。
炒め野菜とスープを中華鍋で融合させたリアル・タンメン。見事な火工で透き通るように美しい野菜はどうですか。
スープをすくってアチチとすする・・うむ、なんでも濃厚な時代をあざわらうかのような、スーパー弱パンチ!ダシ気も塩気も淡い。何か忘れた?ってくらい薄い気がするんだけど・・
不思議だ、野菜由来と思われる深い甘味がもうひと口すすってみろと誘う。アチチ、やっぱ淡いよ・・けどもうひと口・・あれ?なんか止まらんけど、もしかしてウマい?
お次は麺をつまみあげてすすってみれば、コレは間違いなく上モノの手打ち!不揃い縮れ麺はヤワめで、口腔を滑らかに撫でるスタイル。気持ちいい〜!
良い感じの縮れっぷりでスープの絡みは良好。淡いスープだから小麦の風味までよく分かる。館林、やっぱり手打ち大国!
シャキッとクタっと混在の野菜はこれでもかとたっぷりで、柔らかな麺と親和性高すぎ問題。おやおや?食べていくうちに野菜とスープがだんだん馴染んで、淡かったはずのスープがどんどんウマくなってくるカラクリ仕掛けだ。
初手のパンチの無さはアレだ、包丁人味平の「もうひと味濃い方がいいなというとこで仕上げておく、料理のプロとしての味加減」というヤツでしたか!マスターったら五条流の包丁人なのかしら。
一気にタンメンをすすり込みそうになったけど、今日は珍しく餃子も頼んだのよね〜。ひと口のもとに食べたら、チュルンと来てパッと入るナイスな皮だった。たっぷりとした厚みで、浅い焼き加減もあって水餃子のようになめらか極まりない。もしかして皮まで手作りなんだろうか。
具は徹底的に細かく刻まれて、シルキーと言っていいほど練り込まれている。大変上品であっさりタンメンにピッタリ。のどごしを楽しむ飲み物餃子、なのか?
タン、ギョウ、タン、ギョウ、タンタンギョウと繰り返すと、麺と皮のピロピロが楽しくてホントに止まらんな。おかげでみるみる汗が出る。冷水器の横に座って良かった。
この麺の気持ちよさと穏やかな旨味、麻婆麺かワンタン麺あたりを食べてみたくなるわね。テロテロであろう麻婆にピロンピロンであろうワンタン、どっちも楽しそうだなあ。
しかし困ったな、この辺は地味だけどなんでもウマいミコノスさんとかあるし、未知の洋食屋さんにも行ってみたいし。次回は11時半頃に来て気分で決めよう。
長楽 群馬県館林市近藤町178-95