金沢食の語り部・O尚さんプレゼンツの金沢くいだおれツアー、二日目の夕食で金沢ならではのお寿司をいただきました。
いや〜、昼食が4時までかかった時はどうなることかと思ったけど、無事おいしくいただくことができましたね。さすがにお腹がはち切れそうというか、物理的にベルトがヤバい。
O尚「実はもう一軒、二次会を予約してあるんです。どうしても食べてほしい料理がある!」
昼食3時間超、夕食2時間のコースの後に二次会!くいだおれツアーの名に恥じないトンデモな予定ですね!行っちゃいますかーッ!
土曜日の夜ということでタクシーがなかなか捕まらない。二次会のお店は木倉町商店街。お寿司屋さんから3キロだから、歩けばお腹に空きスペースができるかもしれんとなりました。
桜が咲く中、O尚さんの思い出話を聞きながら歩く‥いいものですね‥ちょっと(すごく)お腹は苦しいけど‥
あっ、ああ〜!ホラ、東横インの青い光!桜と犀川越しに見る東横!春は東横、やうやう蒼くなりゆく看板、いとエモし。
犀川を渡るとだんだんと賑やかになってきて、なんだか三宮の生田神社付近みたいな繁華街になってきた。中華そばなんて看板を見てシメモードに突入したくなったりして。
O尚「ラーメンではありません。ここです!」
「スペイン料理 アロス」さんですか。スペイン料理といえばニンニクとオリーブオイルなイメージなので、シメのラーメンとだいたい成分はおんなじ。いいじゃありませんか。
開け放たれたドアからは‥いや、ドアそのものがない?カウンターや立ち飲みスペースが丸見えの開放的なお店は、外まで楽しそうな空気がビンビン伝わってきます。すごい、料理だけじゃなくて雰囲気までスペイン、ラテンオーラ全開だ!
O尚さんの姿を見て、恐ろしく陽気な方が「いらっしゃ〜い!待ってたよ〜!」と盛大に出迎えてくれます。あ、この方がマスターですか。なんということでしょう、マスターが最大の「陽気なラテン野郎」だった!
店舗奥にある大きなテーブル席を用意しておいてくれました。シードラやらスペインビールでサルーと行きたいところですが、50分弱歩いたというのに満腹なのは変わらん‥シュワシュワしない飲み物はあるかな?
シェリーにサングリア、スッと入りそうでいいね!サングリアをグラスで願いま〜す。
ワインメニューも一応見るか。好物のテンプラリーニョがあるし、そもそもボトルが安い。一軒目に来たら大変なことになりそう。
ところで席だけ予約ということは料理は各々が頼む感じですかね?
O尚「二次会だからね、食べてほしいアレ以外はおつまみを適当に出してくれるように頼んだよ」
おお〜、タパスってやつですかね。
ちょっと待ってください。生ハムがドサっと出てきちゃって、こんなタパスはぼく知らない。コレってハモンセラーノとかベジョータとかとんでもない生ハムじゃないんですか?サングリアがすっとんでいっちゃうんですけど。
そしてオススメのアレ、噂の必食メニューはピルピルだった!塩ダラとニンニクをオリーブオイルで煮たバスク名物!いかにも美味しそう‥いや美味しそうすぎる。この上にのっている旨味の純結晶みたいな物体はもしかして‥?
マスター「おっきいフグの白子入ったから食べてね〜!」
うわ〜、やっぱりそうか!ラテンなノリで軽くおっしゃいますが、尋常ではないサイズですよ。こんな高級なピルピルってある?
バゲットも山盛り。お腹いっぱいのはずが、かぐわしきニンニクに誘われて手が伸びないはずはなかった。
ザクっとスプーンですくって、のっけてガブっ!
ううううう、うめえ〜!アブラとニンニクを使った料理の極致!塩ダラってこんなに豊かな旨味を出すモノなのか〜。ニンニクってこんなに上品な香りがするものなのか〜。
あとフグの白子うまい、うますぎる。口コミ等の写真を見るとタラの白子が多いので、本当に運良くフグが入ったのか、常連のO尚マジックか?
しかしO尚がどうしても食べさせたいと言うわけです。ニンニク・オリーブオイル・塩ダラなんて素朴といえば素朴なのに、このふくよかな風味はどうでしょう。一軒目に来たら、シードラを浴びながら一人で一鍋くらいペロリでしょう。
お次はプランチャ(鉄板焼き)になるのかな。またまた特選っぽい素材、甘鯛と原木しいたけ・のと115!
スペインでも甘鯛は松笠焼きなんだ〜。もしかしたらこのお店だけのテクニックかもしれないけど。ザックザクでパリッパリの皮からほとばしる甘鯛エキスよ。
のと115のアワビ顔負けの歯ごたえがまたすごい。しいたけだけに旨味も詰まっているし。隣に座っていたMさんはこの味が忘れられなかったようで、帰ってからも115‥115‥とうわごとのように呟いていたとか。
次は‥って、まだ次があるの?今度はアサード(炭火焼き)でしょうか、能登牛とアスパラ!美味しさが約束されたロゼの色合いに粒マスタード‥うう‥うまそう‥
とはいえさすがに胃腸の活動限界。こちらのお皿は結局手をつけなかったような。だって仕方ない、ピルピルがうますぎてバゲット二つ三つ食べちゃったんだもの。
料理も美味しいけど、お店の雰囲気も素敵ですね。カウンターのみなさん陽気に楽しみながら、決して酔っ払いの乱痴気騒ぎではない。本当に美味しくて楽しくて仕方なく、気持ちよくジョッキやグラスを傾けているといった風です。これはマスターの人柄というかアレだ、陽気な人たち同士は引かれ合う。
しかしこれほどの高級食材、果たしておいくらなのかしら?
‥と思ったら、なんとO尚が全部出してくれたので謎のままでした。ごちそうさまでした!
次に金沢まで来ることがあったら、ここは初日一軒目の第一候補だな。いや候補どこっろではない、むしろここで空きっ腹にピルピルを詰め込むために金沢に来たい、来る時、来なければ。
スペイン料理 アロス 石川県金沢市木倉町1-7