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お酒が切れそうだから天田屋本店さんへ行かねば〜。
家を飛び出てププーと走りながら、もうじきお昼どきだわねと気づいたのは旧妻沼の市ノ坪交差点手前のあたり。たしかこの辺に気の利いた蕎麦屋さんがあったはず。
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それは「石挽き蕎麦 庵」さん〜。お昼時には広い駐車場がパンパンになってしまう人気店ですが、今は11時ちょっと過ぎ、車はほんの2台程度です。これは入ってしまえという天の配剤。
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カウンター席に腰かけてメニューを‥住所は熊谷だけど実は深谷ねぎ生産エリアであるこちら、見ない前から妻沼のねぎ天もりそばとか言ってしまいそうです。でも一応見ればホラ、好物のかも汁そばもあるよ。
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辛さ1丁目からファイナルまであるカレー地獄うどん。バイソン使いとしてはファイナルという言葉を素通りできませんが、こちらのおそばはしっかり美味しいからなあ。わざわざうどんのチャレンジメニューを食べることもないような。
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限定10食という生粉打そばは開店直後の今ならセーフでしょう。生粉打に単品で妻沼のねぎ天をつけるのが正解なのか?いや、いっそなまず天をつけるとか・・
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クルミ汁付き合いもりもいきなり信州感が出て面白そうだしな。う〜むう〜むと困っていたけど、店員さんと目があったら口が勝手に「かも汁そばくださいっ」て言った。やはりこの口はいつだって鴨を頼んでしまう。
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あれ、それでもココで鴨は初めてのような。しかもちょっと知らない感じの鴨汁が来たじゃないかおめでとう。未知との遭遇バンザーイ。
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玄そばを低温管理して、熱を与えぬよう1分間に15回転の石臼で挽いたというそばは、新そばと見紛うばかりの素晴らしい色味。つややかでうまそうだなあ。
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汁につけずにズズッとすすると胸のすくような香りが鼻へと抜けていく。ふは〜っ、気持ちいい!
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鴨にネギに鴨つみれ、そこまではわかる。さらにナスに豆腐って‥もしかしてあなた蕎麦なしの抜き、つまり今の状態でツマミとして成り立ってしまうのでは?
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だが車で来てしまった以上、そばを浸すのだ!上品な色からたっぷりめ、3分の2くらいつけてみよう。
ずずっとすすれば大ピンポン。柔らかい当たりの返しが鴨のアブラでさらにまろやか、しみじみうまい優しい鴨汁だ。そばと鴨汁って本当にうまいもんだなあ。
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薬味はご自慢の深谷ネギ、そして鴨だからでしょう、ワサビでなく生姜というのがまたニクい心遣い。優しい汁をキリッと引き締めて次のひと口がうまくなる。
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鴨ネギはもちろん、さらに豆腐とナスがいい仕事をしてくれますよ。鴨汁をまとった豆腐で一杯やりたくならないはずがあろうか(いやない)。
のどごし最高のそばと鴨汁の組み合わせは良くない。だってホラ、ものの2分でそばがなくなっちゃったよ?
もう一枚、今度は生粉打!と言いたいところを我慢して、そば湯で余韻に浸るとしますか。
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残ったネギと生姜を全投入して、夏のスタミナスープが完成!冷たいもの飲みすぎの胃腸に喝を入れるのだ。
お会計の際に座敷席から聞こえてきたのが「ここは春に大将が採ってくる山菜の天ぷらが最高なんだよ」なんて常連らしき人の話。なんだって〜!?店主さんアウトドアマン?ひょっとして秋に来たらきのこ汁のそばなんてあったりするのかしら。よし、秋が深まったら覗いてみよう。もちろん春は絶対だ。
石挽き蕎麦 庵 埼玉県熊谷市市ノ坪31-8