賀茂茄子の鮒寿司ソース、ウナギ入りスッポンスープ!みやこの風を感じる佳肴で美酒芳醇に酔いしれるのだ 佳肴 岡もと(東山区・清水五条駅)

これは梅雨入りあたり、蒸し暑いながらもまだ外で活動できていた頃の話です。最近ホント外は死ぬね。グンマはセミすら鳴きません。

神戸からたま木亭に行って、神戸に戻ってパンを食べて、また車で京都に向かいます。バカよ、まさに移動バカ。

神戸の翌日に京都、この流れはすなわち

佳肴 岡もと」さんで美酒佳肴を楽しむ夕べとなります。

完全予約制・カウンター8名・おまかせコースのみ。土日はだいたい18時に全員集合しますが、30分〜1時間程度の遅れならうまいこと合わせてくれます。

大将「今日は3組の予定なんですが・・オーヤマさんたち以外誰も来ませんね。遅刻か無断キャンセルか・・とにかく始めちゃいますか」

そんなことある?まあいいや、それでは3種オススメの中から栃木のナツノコトブキをお願いしましょう。むろんジャケ買いです。柔らかくて丸くてスッキリしてこりゃ夏だ。

いつも美味しくて困る一品目、本日はヘーゼルナッツ豆腐のえんどう豆ソース!いきなりナニソレという組み合わせですが、なんたる美しさになんたるウマさ。まちがいなくヘーゼルナッツな豆腐、夏の太陽を感じるえんどう豆、しあわせ。

友人「食べたらなくなるのおかしくないですか?」

ホントだよ、こんなウマいものがなくなっては困りますもっとくれ。

お酒が瞬く間に蒸発してしまったので次!佐賀の光榮菊 月光 無濾過生!天然乳酸菌仕込みだけに心地よい酸が飯ウマにしてくれること間違いなし。

夜空のような一皿は賀茂茄子に宮城のホタテ、そしてなんと鮒寿司の米を使ったソース!黄色い星々はカラスミというなんとまた・・これは困る、困ります。

大将「鮒寿司苦手でしたか?」

年に何度か取り寄せるくらい好きなんですよお〜。光榮菊と鮒寿司、乳酸菌のブン殴り合いが最高〜!

茨城の来福 純米吟醸 夏の酒!なんとシャクナゲの花酵母使用ということでスカッと爽やか、日本酒のスプライトだ。

日本料理のお楽しみ、お椀の時間になりましたよ。鼻を近づけて〜、パカ。

黒アワビと白ずいきに青柚子!色も歯ごたえも風味もみんな揃った!ぼ、ぼくはアワビが大好きなんだな。

お造りは明石のコチの羅臼昆布〆。味は煎り酒だ!ほのかな酸味が白身に映える映える。ついでにワサビも映える映える。

この辺で電車か何かの都合で遅れていたお客さんが来店、あと一組は外国の方で無断キャンセルだったようです。完全予約制のお店でそりゃダメだぞ。

ここで南部美人の雄三スペシャルを投入。若大将に捧ぐお酒ではなく、南部美人の常務さんの名前です。本当は燗で飲む用らしいですが、ぼくはいつでも冷や以下の温度なのだ。

友人は古伊万里 前 垂直落下式などイカしたお酒を頼んでいます。言うまでもありませんがプロレスファンの方が醸しているそうですよ。

文字通りの佳肴が連チャンする八寸に突入。まずはおなじみ、5時間煮られるというイワシの辛煮。イワシの旨味、粉鰹の旨味、気持ち良い酸味の全てがお酒を呼ぶ悪魔の肴。

新ごぼうのきんぴらに擦りたてのゴマ!ふわわぁ、これはたまらん香りの多重奏!飯茶碗に盛ってワシワシかきこむように食べた〜い!

そういえば7月に福井行くから予習したいですね。福井のお酒で新ごぼうに合う爽やかなお酒ってあります?

大将「めちゃくちゃな振り方ですね。オッケーです、これなんてどうでしょう」

早瀬浦のすずみさけ!キレッキレに爽やか!すずみさけの名に偽りなしだわ〜。

明石のタコぶつに鳴門ワカメと広島のじゅんさい。スダチとゆずのダブル柑橘で風味がついています・・って、あまりにも初夏、半夏生〜!むっちりタコとヌルヌルじゅんさい〜!食べれば食べるほど涼しくなる、気がする。

爽やかな肴には爽やかなお酒だ!福井の爽やか第二の爆弾、紗利 風凛。できたお酒の中で特にキレッキレの出来のタンクを瓶詰めしたという夏特化仕様。

サッと炙った明石の海苔に巻かれるのは塩釜天然マグロのたたきとワサビ漬け!新世紀トロたくの美味しさに思考回路はショート寸前。

友人「なんで一個だけ・・すぐなくなっちゃう・・」

せめて両手に一つずつ手渡しして欲しい!いやすると途中でお酒が飲めないのか弱った。寸前どころか間違いなくショートしていますね。

グラグラと湧き立つスープはすっぽん!中に入るのは三河うなぎ・ナス・新生姜!これからの夏を乗り切るスタミナを一食で補完できちゃうじゃないですか。

そもそもすっぽんのスープってウマすぎるんですよね。脂たっぷりのはずなのに澄み切った後味なのはそういう謎脂なのか生姜の力か。

さあ出たぞ、お楽しみの食事は鯖寿司!実山椒とすぐきの2種類で、そのまま食事にもなればツマミにもなる。世にも珍しいことに、このタイミングで生ビールなんて飲んでいます。たまに飲むとウマいね。

第二の食事はこれまたおなじみ、シャポーンコンソメにフカヒレと玄米麺。適度な満腹感にベストな、ちゅるっとすすれるサイズ感。シャポーンってよくお太りになっているようで、良い脂が出ますねえ。

デザートはピンクデラウェアとマンゴーを白ワインで煮て冷やしてドライマスカットを添えたもの・・だった?もう記憶あいまいなんですけど!冷たくウマ〜い!しか知らないんだから。

お酒が香るアダルトなフルーツにはアダルトな蒸留酒で。一夏一会というお酒、なんとアイラウイスキーやポートワインの樽で貯蔵した芋焼酎のブレンド。まさに初めましてでもう会えない、一回こっきりの出会いです。もう売り切れなの。

丹波大納言のアンコにワサビが効いたまんじゅうとお茶でごちそうさま。いやはや、梅雨のジメジメを吹き飛ばす爽快なコースでございました。

大将「せっかくですからこれ持っていきますか?」

手渡してくれた紙袋には・・え、コレいただいちゃっていいんですか?キャンセルが出たからかな?やったー、夢が叶う!

一度は持ち帰りたいと言い続けて1年半、とうとう鯖寿司をいただいてしまいました。友人と一本ずつ新聞に包まれたまま分けたところ、こちらは実山椒の方でした。

グンマに帰って岡もとさんの鯖寿司で一杯!ああ、これが幸せというやつか。なぜ2切れしかないかって?母に没収されたからに決まっています。

1日置いてしっかり熟れた味も素晴らしく、なんだかまだ京都で飲んでいるような気分。次は8月末なんだよな、長いな・・早く行きた〜い。

佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4

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