母の遺影撮影も無事終了しましたので、お昼を食べに行きましょう。毎年日立おさかなセンターあたりに行くのですが、今年はちょっと趣向を変えまして、Twitterで教わった店に行くことにしました。目指すは土浦市です。
ひたち海浜公園から50分、着きました〜。
母「おなかへった・・・ってちょっと!田舎道によくにあるおじさんばかりの食堂にしか見えないけど、大丈夫?ニラレバとかカツ丼はあまり好きじゃないよ」
そうですね。見るからに県道沿いのドライブインですね・・・黄色くて巨大なカツカレーや半チャンラーメン(餃子3P付き)をかきこむ屈強な漢たちが集いそうです。私は好きなタイプですが。
母「おいしい魚というから黙ってついてきたのに」
ちょっと不安になってきた・・・あ、でもほら、「日本各地のブランド魚」という力強い看板が!
母「看板なんてペンキ屋さんが描くんだからどうにでもなるでしょ」
そうなんですよね。看板設置時と営業形態が変わっていることもありますし・・でもせっかく地元の方が教えてくれた店ですから入ってみましょう。
店舗に足を踏み入れると、いきなり「本日のおすすめ」がデデンと掲示されております。ふごごご、クエ刺身にギンポ刺身?
母「本田ガレイって何?もしかしてすごい店なんじゃないの!?」
一つだけ違う方向に異彩を放っているマッシュルームのフライといい、これはできる・・!いきなり期待度が最高潮です。
オール喫煙席がデフォのドライブイン然とした外観ですが、しっかり分煙もなされておりました。禁煙席に座ってメニューを見ましょう。幻のクエ刺身・本田ガレイ刺身・本マグロ大トロと極上キビナゴ・ギンポ刺身・タカノハダイ刺身・・あのーすみません、水滸伝の百八星のようなあまりに綺羅星のごときメニューで、めまいが少々・・・
母「どうしよう。全部食べたいね」
早い話がソレ!決められるかこんなもん!!
こちらはレギュラー定食メニュー。関サバの開きあぶり焼き・・だと・・・関サバを開いちゃうの・・・?う、うまそう!
母「銀ガレイのかま塩焼きって絶対おいしいよね。どうしよう、どうしよう」
母子で頭を抱えていたら店員さんがおすすめメニューの説明に来てくれました。しかも立派な写真つき!
店員さん「本マグロはもちろん本マグロです。ウチは本マグロしか出しません。このキビナゴも特別な輸送なので臭みなど一切ありません」
母「キビナゴと本マグロ・・これにしようかな」
店員さん「こちらの本田ガレイは有名ではないですけど、ヌルヌルな見た目が悪いだけで脂乗りは最強の白身です。もう表面から浮き出てたれてくるくらいの脂です。もちろんエンガワも付きますからね。あ、ウチは定食にも丼にもサックサクのアジフライがつきます」
本田ガレイ、名前は聞いておりましたが、やはりウマいのか・・!そしてアジフライはサックサクなのか・・!
店員さん「そしてクエ、下手したらフグより高いですから。一匹の卸しで1万5千はくだらないですからね。これを刺身にしてアラ汁もつけて2200円です。たぶんウチのクエ、日本一安いかもしれない」
クエって高いですもんね。しかも鍋しか食べたことない。クエの刺身とアラ汁!!よし、コレにします!
母「私は本マグロとキビナゴの二色丼」
あとそうだ、教えてもらった情報によるとご飯の盛りがエラいことになっているそうなので、半ライスで!
母「そうなの?じゃあ私はうんと少なめで」
母の二色丼が到着。うわーなんですかこれ、本マグロと馬刺しには少しだけうるさいわたくし、もうこのマグロが絶品ということはわかりますよ。
母「うるさくなくても見ればわかるよ。すごいトロ!キビナゴもあまり食べたことないけど、こんなに美味しいんだ」
美味しくて美しいのに関東では不遇の魚、キビナゴさん・・やはり輸送の問題なのか。
そして私のクエ刺身定食が来た!うおお、巨大なお盆に大迫力の陣容が!・・・というかコレで半ライス?あのー、明らかにドンブリなんですけど、普通ライスはどんななのか。思い返せば他のお客さんのほとんどが「半ライス」コールをしていましたね。事前に聞いておいて良かった。
巨大な漢のアジフライ!でもちょこんとのったタルタルソースがなんとなく婦女子のリボンのよう。ああ、アジフライ!みんなのカツ弁当にそっとアジフライを一品足してしまう大人になりたかった・・・(そして誰にも気づかれない&アジフライ泥棒扱い)
こちらはクエのアラ汁!実はこの一品のためにクエ定食にしたのですが、店員さんが「ものすごく濃厚なダシが出ています。アラ汁を飲むのはお刺身を味わってからにしてください」と言ってくれたので、とりあえず見るだけ。
通常では小鉢にあたるポジションは、なんと納豆!しかもほぼ1パックの分量!さすが茨城です。半ライスでなければ刺身とアジフライをもってしてもご飯が残る可能性があるドンブリですので、納豆の存在は必然なのかもしれません。
敵方の陣形を把握したところで、いきなりクエ刺しに特攻しましょう。クエ!九州ではアラとも言うのでしたか。名横綱若吉葉の好物として有名です。横綱も刺身では食べなかっただろうなーと思いながら
ポン酢ともみじおろしをつけてパクリといきましょう!・・・・いかん、鼻血が出るかと思った。なんだこれ!最上級のヒラメのようなもっちり白身に、天然の大きな鯛のような切れ味のいい脂がノリノリで・・!!一言で言えば白身魚の刺身の理想形です。白身界のミロのヴィーナス!!こ、これが脂と白身の黄金比かッ!!
母「お前を産んだ時以来の痛くてツラい思いだけどしかたない、キビナゴ一つあげる」
おお、これが南斗の慈母星の輝きか・・!うわー、クセありきのウマさと思っていたキビナゴ、実はこんなに爽やかで純粋な魚味だったのですか!こんなの鹿児島の人が常食するのも当たり前です。またタレが犯罪的にメシに合う!!えーとそのー、母者、できれば本マグロも・・・
母「あげない」
ではアジフライにいきましょう。ほぼ全メニューにオマケでついて、しかも「サクサク」を自称しているから自信の品と思われます。見た目はやけに大きいですが、お味は果たして?いただきまーす。ザクっ・・・
サクサクときて、ホコホコでフッカフカなアジの身が・・・こ、これは・・・
母「何これ、これって・・」
う・・・うーまーーいーーーぞーーー!!
母「アジフライって好きじゃなかったけどコレは美味しすぎる!」
サイズ、アジの新鮮さ、揚げ方、全てにおいて文句のつけようがないですね!これ2枚とご飯、味噌汁で1000〜1200円のアジフライ定食があれば毎週食べます。スッゲー美味い!!
母「急にビール飲みたくなったよ!」
これはシュワシュワ系のアルコールが恋しくなりますね!ハ、ハイボ・・いや、運転だ。
納豆をゴニゴニ混ぜていただきましょう。ほぼ1パックのたっぷりした量ですが、ご飯にのせたら表面積の3分の1くらいでした。やっぱりご飯多すぎだろ!
でも定食に納豆が入ると色々トクした気分になるのは間違いありません。特に健康的な方面で。ほぼ毎日食べていますが、外で食べるとなんだかさらに身体に良さそうに感じるから不思議。
最初に刺身の皿を見た時に心の中でつぶやいたのです。このキモ様に向かって「後でね・・」と一言。クエのキモ・・だと・・・!?見た目はソックリなカワハギのキモが裸足で逃げるに決まっている稀少さ!!えーい、食べちゃえ!
ふはー、やっぱりクソ美味い!思わず左手がエア杯を取り上げて口元に持って来てしまった!どうしてコレで日本酒を飲むことができないのでしょう。死ねというのか?
キモのウマさにピヨってしまったので、気付けにアラ汁を飲むとしましょう・・ぐわー!!さらにピヨった!!Finish me!
「濃厚ですので」とは言われていましたが、特濃というかなんというか、時が止まるくらいの濃厚なウマさ!クエのアラ汁・ザ・ワールド!!これ一杯で日本酒三合はペロリですね・・なんだこの店は。
母「他のも食べたいから来年のネモフィラの時もここにしよう。もちろんその前に来てもいいよ」
そういえば少食にもほどがある母がメシも巨大なアジフライも綺麗に平らげていますね。どんだけウマかったのでしょう。
というわけで、今回ばかりは母の提案に賛成いたします。また来なくては・・!こちらのお店を教えてくれたKさん、ありがとうございました。
刺身和食 旭屋 茨城県土浦市荒川沖南区6−138