ひたち海浜公園でたっぷりコキアを楽しみまして、那珂湊で晩酌用の魚も揃えました。
母「せっかく茨城に来たんだからあそこでお昼を食べていこう」
あそことは‥うん、例の店ですね。もとより私もそのつもりです。那珂湊から小一時間ばかりかかりますが、向かいましょう。
はーい、たどり着きました。「刺身和食 旭屋」さん!土浦市、つまり茨城にあるお店ですが、なぜか茨城産でない全国各地のブランド魚を食べさせてくれる不思議なお店です。
ブランド魚とは‥まあ下関フグとか大間マグロとか金華サバといった、かっこいい名前の魚ですね。たぶん。
店舗の外観はこの通り。黄色いカツカレーが楽しめそうな郊外ドライブインなのですが、実はとんでもない魚が出てくるのです。早速入店しましょう。
入るといきなり本日のオススメがズラリと並びます。生シシャモから揚げ、マツカワガレイ刺身、トキシラズ刺身等々、聞いたことあるようなないような、とにかくオールスターメンバーであることはわかった。
メニューはほぼ定食です。こちらはレギュラーメンバーのページ。極上本マグロ大トロ刺身(トンカツ付)というパワーワードが目を引きますね。トンカツが付属品になる時代が来るとは‥!
関サバの開きあぶり焼き(アサリ汁鍋付)というのもすごい。関サバを開いちゃうの?
こちらが季節や日にちによって変わる限定メニューです。どれもこれもウマそうで、脳内コンピュータが停止してしまいそう。メルキオール・バルタザール・カスパー、揃って沈黙‥!
店員さん「はい、本日のメニューを説明させていただきますよ」
やあ、救いの神が。お願いします。
店員さん「まずはなんといってもオススメはマツカワガレイ!マンガとかでもたまに取り上げられますが、築地でキロ1万数千で取引されることもあります。今日のは4キロ超だから1匹6万とかですか」
ひええ‥
店員さん「でもウチは北海道から直接買い付けているので、定食が2200円で出せちゃうの。本来はお寿司の◯郎さんとかに全部行っちゃう高級魚なんで、食べてみた方がいいですよ!」
母「私はそれ。決めた」
店員さん「こっちもオススメの生ししゃも!普通のししゃもはキャベリンってニセモノだけど、生の本物を出す店はないです。香りと味が違います。リピート率ではこちらがナンバー1ですね」
ひえぇ、揚げた本物ししゃもは香りがすごそうですね‥
店員さん「トキシラズも脂がのっておいしいけど、季節と仕入れで限定度が高いのがこの2つですね。あと季節といえばそうだ、こちら!」
店員さん「極上馬刺し!馬は夏になると水をガバガバ飲んじゃうんで身がだらしなくなるけど、秋から身が締まるんです」
ばっ、ばばばば・・馬刺しだとう!?
母「これはもう決まったんじゃないの」
即決するところだったけど、いや、帰り運転だから焼酎は飲めない‥うむ、アルテア8800並みの高速計算によりはじき出された結論はこれだ!マツカワガレイ定食願いまーす!
店員さん「はい、マツカワ2つで!」
ご飯は少なめで。これを言わないとエラいことになります。
母「私はすごく少なめで」
はい、やってまいりました!ビジュアルから素晴らしい定食でーすよ。写真ではわかりにくいですが、お盆そのものが大きい。実はものすごいボリューム感です。
茶碗に半分ほど盛られたご飯。茶碗といいますか、丼と言った方がいいサイズ。つまり通常の店の通常ライスくらいはあります。
母「私はうんと少なめって頼んだからなんとかなりそう」
ほぼ1パック分の納豆が茨城感を演出しますね。しかしこれはご飯の配分が逆に難しくなりそう。うれしい悲鳴とはこのことか。
ご飯の配分‥そう、こちらはほとんどの定食に激ウマで大きいアジフライがついてきてしまう!こんなのコレだけで飯完食できちゃいますって!
母「ここのアジフライ食べてから、アジフライ大好きになったよ」
最近ウチの晩飯のアジフライ比率が跳ね上がったと思ったら‥まさに麻薬ですね。生ししゃも定食を断念したのは、付け合わせがコレでなくナス焼きだったから、という理由だったりします。
では主役のマツカワガレイ様をいただくとしましょうか‥見た目からもう、ぶっちぎりにウマい白身の雰囲気がぷんぷん。一切れのキモがセクシー極まりない。
最初はもみじおろしナシで、ポン酢のみで‥シソを挟んでいるように見えるのは写真のマジック。
パクリ。もぐもぐ‥な、なんだこれは‥!「ヒラメはモチモチで味が濃い、カレイはシャッキリでそれほど味は濃くない」というのが一般的な評価ですが、カレイのコリコリした歯ごたえとヒラメの旨味が同居しているじゃないですかーやだー。
白身の旨味も大したものですが、ほんのり甘い脂もある‥ヒラメよりウマいだろコレ!
なーんて言っていたら、エンガワっぽいのがいたぞこの野郎!食べるぞこの野郎!
・・・なんだこの脂なのに澄み切った旨味は!そしてコリッコリな歯ごたえは!バカじゃないの?こんなの酒欲しくなるだろ!
そしてなんでこの店、定食屋のフリをしているのに屈強な日本酒が揃っているのですか、もー!
梵とか宗玄とか北陸を代表する私が好きな酒じゃないの、もー!
母「でも飲んじゃダメなんだよ」
ええ、知っておりますとも‥なぜ私と一緒に昼メシを食う人は、免許なしかペーパードライバーしかいないのだろう。
酒欲を消すため、飯を呼んでならないアジフライにいきましょう。ソースをテキトーにかけまして、ガブリっ!衣がサクっときて、身がぷくぷくと来る!これだ、これが魚のフライだ!なんでしょう、このフカフカな身は。
母「どうやってもこうならないよね‥アジと生地と揚げ方のどこが違うんだろう‥」
全部に5000点‥いや、全部に全部。
そして最大のお楽しみ、キモですよ!これはちょいとポン酢をつけて、メシにのっけます。それが酒がない場合の最適解と見た。
果たして‥ぐままま〜!!アンキモの数倍清澄で、カワハギのキモの数倍濃厚!
なんというのか、極めて澄んだ、全くしつこさのない脂のコク‥何を言ってるのかわからねーと思うけど、ありのままの感想だぜ!今年のキモで一番ウマい!似た味のキモをあげれば、スッポンかな‥?
母「キモって嫌いだったけど、これはお前にあげられないね」
いいですよ。楽しんでください。
「濃厚なので刺身の後にどうぞ」と言われていたアラ汁にいきますか。やあ、ダシがバンバン出そうな部位がタップリと‥
ズズーとすすると、これはびっくり。あんこう鍋のおじや五秒前みたいな濃厚なダシが出ているじゃないですかーやだー。スゲーうまい!味噌の色とかへったくれとか言う論争不要の圧倒的旨味です。
ウマい味噌汁の猛攻に耐えてご飯をなんとかキープして、残り兵力わずかなご飯で納豆を楽しんでフィニッシュ。
うーむ、前回に引き続いてウマすぎましたね。
母「お刺身もアジフライも味噌汁も最高だったね。また来よう」
店員さん「ありがとうございました〜。前回は本マグロとキビナゴ丼とクエを召し上がっていただきましたよね」
・・・ふはっ、前回来たのは半年前なのに覚えているの?すげえな!接客の神か!
母「これはまた来ないと悪いね!」
ええ、残念ながら群馬と土浦が圏央道でつながってしまったので、80分でここに着いてしまいますので‥ものすごく気軽に来ることができるようになってしまいました。再々訪確定だ金太郎!
刺身和食 旭屋 茨城県土浦市荒川沖南区6-138